あらすじ

残酷なる脅迫王は人々の破滅を嘲笑う―― 脅迫王・ミルヴァートンこそが、メアリーの“秘密”を握りジョンとの結婚を破談させようと目論む張本人だった。自らの愉悦のためだけに、罪なき人々を破滅させるその卑劣な手口からジョンたちを救うべく、シャーロックはミルヴァートンとの直接対決を決意する!! ロンドンを掌握する強大な悪意に、裁きは下るのか…!?
憂国のモリアーティ(1)

時は19世紀末、大英帝国最盛期のロンドン──。 この国に根付く階級制度に辟易するモリアーティ伯爵家長子・アルバート。孤児院から引き取ったある兄弟との出会いによって、世界を浄化するための壮大な計画が動き出す。名探偵シャーロック・ホームズの宿敵、モリアーティ教授の語られざる物語の幕が開く──!!

憂国のモリアーティ(2)

死こそが人の心を動かす── 陸軍内で、麻薬組織掃討の気運が高まる中、極秘の特務機関創設の情報を得たアルバート。直後、ロンドンを訪れたウィリアムが何者かに攫われて――!? 国に巣くう歪みを正すため、モリアーティが仕立てる鮮烈な“犯罪劇”がついに始まる!!

憂国のモリアーティ(3)

ドレッバー伯爵殺害という無実の罪で警視庁に逮捕・投獄されたシャーロック。背後で糸を引く“何者か”を暴くべく、シャーロックは事件の捜査に乗り出す。大英帝国の闇を照らす名探偵の誕生で、ウィリアムの“計画”は新たな局面へ――!!

憂国のモリアーティ(4)

悪魔の所業を裁くは“死神”―― 泥沼化するアフガン戦争を終結へ導け――。MI6に課されたこの極秘任務の遂行を、モラン大佐に命じるウィリアム。世界の大局を左右する代理戦争の“黒幕”と、アフガン従軍時のモランの因縁が交錯する時、大英帝国に蔓延る闇がまたひとつ、その姿を現す!!

憂国のモリアーティ(5)

美貌の“あの女”は国家と探偵とを弄ぶ―― 大英帝国王室で極秘裏に受け継がれて来た、重大な“禁秘”が盗み出され、行方不明となる。帝国の未来を左右するその文書の奪還へ向け、MI6が動き出す一方、シャーロックの下にはボヘミア国を巡る醜聞解決の依頼が舞い込む。2つの醜聞の裏で暗躍するのは、一人の美女――。

憂国のモリアーティ(6)

密会は、絢爛たる仮面舞踏会(マスカレイド)の陰で―― アルバートがアイリーンとの交渉の舞台として用意したのは、バッキンガム宮殿での仮面舞踏会。そこで明かされる“禁秘”の文書の内容と、アイリーンの真の“望み”とは…!? 犯罪卿と名探偵、美貌の悪女。奇妙な三角関係が、大英帝国の醜聞を終わりへと導く――!!

憂国のモリアーティ(7)

闇夜を切り裂く凶刃と、止むことなき女たちの悲鳴―― ロンドン東部貧民街(ホワイトチャペル)に突如現れた猟奇殺人鬼――その名は“ジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)”。“古き師”からの依頼を受け、ウィリアムは新たな仲間と共に捜査を開始する。だが、ジャックの恐怖は次第に人々を支配し、いつしか市警(ヤード)とその街の自警団との対立へと発展してゆく。混迷を極める事件の陰で蠢く、真の脅威とは!?

憂国のモリアーティ(8)

腐敗した市警の闇を暴く大胆不敵の美しき刺客―― 偽ジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)達と対峙したウィリアム。 ついにその裁きの時が――。一方、シャーロックはこの事件を契機に、犯罪卿に対してとある推理に至る。その矢先、市警(ヤード)が存在しないはずの “ジャック・ザ・リッパー”の逮捕を発表。この冤罪を暴くためボンドは市警への潜入工作を開始するが…!? そして、犯罪相談役と諮問探偵は再び相見える!!

憂国のモリアーティ(9)

犯罪卿の過去それは禁断の果実―― “ジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)事件”を仕組んだ張本人、 大英帝国一のメディア王・ミルヴァートン。 事件以来、ウィリアムを警戒しその周辺を探っていた彼は、 貧民街の“とある少年”が貴族相手に起こした、“裁判”へとたどり着く…。 ウィリアムとルイスの過去の記録が今、解き明かされる――。

憂国のモリアーティ(10)

白馬の騎士を待つ残酷な“選択”とは―― 命の危険を顧みず、人々の平等のために戦うホワイトリー議員。ウィリアムは同じ志を持つ者として、その覚悟を確かめるべく、貴族院を窮地に追い込む“証拠”をホワイトリーに託す。爆破殺人未遂事件以降、その身辺に危機が迫る中、“証拠”という力を得たホワイトリーが選ぶ行動とは…!? 清廉なる志の先に待つのは、天使か悪魔か――

憂国のモリアーティ(11)

婚約者に漂うは奇妙な“事件”の香り―― ジョンの婚約者・メアリーは、不可解な“謎”を抱えていた。幼き日の父の失踪、毎年1粒ずつ届く真珠の贈り物、そして新たに、会談を求める差出人不明の手紙が――。メアリーに対する違和感を拭い切れぬまま、彼女の“謎”に足を踏み入れるシャーロックだが…!? 血塗られた“四人の署名”が、欲深き人間の業を暴き出す!!

憂国のモリアーティ(12)

残酷なる脅迫王は人々の破滅を嘲笑う―― 脅迫王・ミルヴァートンこそが、メアリーの“秘密”を握りジョンとの結婚を破談させようと目論む張本人だった。自らの愉悦のためだけに、罪なき人々を破滅させるその卑劣な手口からジョンたちを救うべく、シャーロックはミルヴァートンとの直接対決を決意する!! ロンドンを掌握する強大な悪意に、裁きは下るのか…!?

憂国のモリアーティ(13)

緋色に染まった両手の血を拭い去ることは出来ない―― 「犯罪卿の正体はウィリアム・ジェームズ・モリアーティ」 ――シャーロックによるミルヴァートン殺害を引き金に、大英帝国中を揺るがす衝撃の報道が駆け巡る。市民と貴族、その両者から忌み嫌われながらも、ウィリアムは自らの“計画”に基づき、特権階級の人間を粛清し始める。全ての罪を一人背負うウィリアムに対し、ルイスたちは…!?

憂国のモリアーティ(14)

生きろ――魂の叫びが運命をも凌駕する―― 女王陛下からシャーロックに、犯罪卿逮捕の勅命が下る。無二の友としてウィリアムを救おうとするシャーロックだが、自らの死で大英帝国の浄化の完成を望むウィリアムにより、“モリアーティの物語”は着実にその結末へと近づいていく…。犯罪卿と名探偵、それぞれの胸に秘した想いが交わる時、炎上するロンドンで“最後の事件”は最終局面を迎える!!

憂国のモリアーティ 15巻

贖罪の為、己が罪と向き合う時―― ウィリアムとシャーロックがテムズ川へと消えた“あの日”から三年――。大英帝国とロシア、二大国間のパワーバランスを揺るがす重大機密の漏洩を阻止すべく、作戦を開始するルイスらMI6。だが、1発の弾丸が裏に潜む“意外な人物”を炙り出し…? 大国間のグレート・ゲームによる戦争の火種が燻り始める中、それぞれの、止まっていた時間が動き始める――

憂国のモリアーティ 16巻

振り返るな、前だけを見ろ。その言葉は男の支えであり、呪いでもあった―― 英仏協商の破綻を狙うバルモラル卿の暗殺を目論むモラン。殺人による解決を止めるべく、ルイスはモランと対峙する。ウィリアムへの思いの強さ故、2人は激しく衝突し…!? 一方、家長として罪を背負い幽閉されたアルバートは、ウィリアムへの懺悔で、夜ごとその身を灼いていた。幼き日、彼がウィリアムと出会い、犯した“原罪”とは!? 物語の“始まり”へと導く、その禁断の扉がいま開く――。

憂国のモリアーティ 17巻

光が照らす。歩む道がどんなに不確かでも――。 三年の時を経たウィリアムの帰還は、ルイスやアルバート、MI6の面々にとって、何物にも代え難い喜びとなった。懐かしい顔ぶれとの再会、新たな日々の始まりを祝して、シャーロックやジョンたちを招いた食事会が催される。その席上で語られる、米国へ渡ったシャーロックとウィリアムが、ニューヨークで過ごした“空白の時間”――運命という絆で結ばれた2人の物語が今、明かされる!!

憂国のモリアーティ 18巻

失ったものは二度と、取り戻せない――。米国政府からシャーロックに届いた“依頼”――それは法から外れた“ならず者”たちと結託し、残忍な手口で弱者の土地を奪う、地上げ屋を排除せよというものだった。その任務への同行を強く希望するビリー。その陰には故郷と親友にまつわる、ビリーの悲しい過去があった…。一方、犯した罪の重さから“何が最善の罪滅ぼしか”を探すウィリアムは、ニューヨークの街で一人の少女と出会い…!?

憂国のモリアーティ 19巻

答えはきっとない でも僕達はそれを探し続ける―― 卑劣な地上げ屋・マギンティと武装集団・スコウラーズが、ヴァーミッサの町への襲撃を開始。シャーロックとビリーは住民たちと共に周到な作戦と巧妙な罠で迎え撃つが、想定を上回る敵の勢力により次第に追い込まれて行く。一方、親友の危機を察したウィリアムは急ぎ白馬を駆る。“贖罪”の道を探し続ける二人が、揺るぎなき誓いを立てる!! 名探偵と犯罪卿の語られざる物語、第一部ここに完結!!