あらすじビジネスの達人・山崎宅郎の今回の依頼人は、ジパング・フーズの早乙女という男――彼は、かつての山崎。つまりサイボーグになる以前の人間・尾崎達郎を仇敵と呼ぶ男だった!東大時代から同じく入社した集英商事でも競い合ったふたり。早乙女は一目ボレした女性が尾崎を愛していたことを知った時から今まで劣等感に苛まれ続けていた。「ヤツが残した妻子を養い最高の幸福をプレゼントする。その時初めてワタシは尾崎達郎に勝利できるのだ!」その言葉に山崎は…?
最終話のタイトルでもある「パワー・オブ・ドリーム」――。これを鳥がなぜ空を飛べるのかと重ねて、命は望んだ方向へと歩んでいくもの、と主人公の山崎は語ります。人もまた同じで、強くなりたいと思う格闘家は過酷な練習を自らに課し、どんな病気でも治したいと思う医者は知識の吸収にさまざまな症例を見る。じゃあ、われわれ会社員の望む道とは? そんなことを考えさせられるのがこの漫画です。山崎は過労死した後、サイボーグとなって復活し、業績の落ち込んでいる会社に派遣され斬新な企画を提供する特A級企業戦士。燃やせる缶や壁掛けテレビ、新型コミュニケーション空間の提供と、新製品をプレゼンしながら、業績が上向かない理由=人の心の問題を解決していきます。その問題とは考えることを止めたり、他人の足を引っ張ったり、簡単な仕事しかしなかったり、部下とコミュニケーションできなかったり、などなど。ライバル社の企業戦士との格闘を通し、ビジネスマンのあるべき姿を説く山崎の台詞は説得力十分。日々流されて二の次になってしまう”こうありたい”と思う心。それを忘れないようにしよう、と思わせてくれます。