あらすじ

過労死したエリート商社マン山崎宅郎は、サイボーグ企業戦士として蘇った。そして山崎は、社会のため、遺した妻子のため、今日も戦い続けるのだ!!「『人間』という字は『人』の『間』と書きます。動物である『ヒト』は他者との関係によって『人間』に成長する――想いあい傷つけあい許しあうことで初めてお互いを理解するのです。そしてそこに生まれた大切なコミュニケーション――人はそれを『愛』と呼ぶ!!」
企業戦士YAMAZAKI(1)

NEO=SYSTEM社の特A級派遣社員、山崎宅郎。彼はどんなビジネスでも100%成功させるという伝説の男――。その正体は、かつて過労死した凄腕のビジネスマン・尾崎達郎だった!超々ジュラルミン製ボディの企業戦士(ビジネス・コマンドー)として甦り、必殺の武器と必殺技を携えて、襲いくる企業戦士をなぎ倒し、彼は働き続ける……この世に遺した妻子のため、組織の中で喘ぐビジネスマンのため、そしてすべての消費者のために――!!

企業戦士YAMAZAKI(2)

ビジネスの達人として名高い派遣社員・山崎宅郎。傾きかけた会社を再生させることにかけて成功率100%を誇る彼は、なんと特A級サイボーグ派遣社員だったのだ!!ひょんなことから知り合った家出娘・鹿島倫子を助手にしたがえ、株式会社CLAPにやってきた山崎は、建設途中のビルの屋上から飛び降りようとしていたCLAPの営業部次長・林を救った。いつもどおりメガネごしの無表情…その裏に隠された山崎の思いとは?

企業戦士YAMAZAKI(3)

ビジネスの達人・山崎宅郎の今回の依頼人は、ジパング・フーズの早乙女という男――彼は、かつての山崎。つまりサイボーグになる以前の人間・尾崎達郎を仇敵と呼ぶ男だった!東大時代から同じく入社した集英商事でも競い合ったふたり。早乙女は一目ボレした女性が尾崎を愛していたことを知った時から今まで劣等感に苛まれ続けていた。「ヤツが残した妻子を養い最高の幸福をプレゼントする。その時初めてワタシは尾崎達郎に勝利できるのだ!」その言葉に山崎は…?

企業戦士YAMAZAKI(4)

特A級サイボーグ派遣社員・山崎宅郎は、数多くの傾きかけた会社を窮地から救ってきた。その成功率はなんと100%を誇る!今回、彼が訪れたのはスーパー赤玉屋。迎えに来た本社PB(プライベート・ブランド)商品開発室の女性・鹿島晴子は、山崎の助手を勤める・倫子の実の姉だった!?女性総合職として華やかに働く晴子。だがその心の内には、常に自分の感情を押し殺し、優等生を演じてきた自分に対するイラ立ちがあった――。

企業戦士YAMAZAKI(5)

今や8兆円産業といわれ、コンビニエンス・ストア業界の濫立と生き残りをかけた戦いは熾烈を極めるようになった。成功率100%を誇る特A級サイボーグ派遣社員・山崎宅郎に建て直しを依頼したアクセス・コンビニチェーンの米飯担当主任・紺野由美子が自信を持って開発した新しい弁当を、山崎は「動物園のエサ以下」と評した。損得の『得』と美徳の『徳』、相反する2つの『トク』を両立させ、人を幸福にするコンビニ弁当とは!?

企業戦士YAMAZAKI(6)

類まれなるアイデアと、消費者に対する大きな愛情で数々のヒット商品を生み出してきた特A級サイボーグ派遣社員・山崎宅郎。彼が今回やって来たのはユラギ化学工業という会社。そのユラギ工業の船戸社長の悪夢に登場したのは、なんと山崎だった!?サイボーグ企業戦士となる以前の、人間・尾崎達郎を「自分が殺したのだ」という船戸は、いずれ尾崎が自分に復讐しに現われるのではと怯えていた。そんな山崎を信用できない船戸は、尾崎の妻・香織を呼び出していた――!!

企業戦士YAMAZAKI(7)

アキレスホテルマーケティング部に派遣されることになった、特A級サイボーグ派遣社員・山崎宅郎。彼が最初に訪れた病院で、五十嵐隆夫という人の部屋の前で出会ったアキレスの女性社員・五十嵐真紀は、彼を「叔父さん」と呼んだ。しかも、「叔父――尾崎達郎は、父の人生を狂わせた張本人なんです!」と言うのだ。倫子も知らなかった山崎の過去――10年前に亡くなった、彼にとって母親代わりだった姉とは?そして、真紀は山崎への復讐を果たすのだろうか!?

企業戦士YAMAZAKI(8)

社長Jr.と呼ばれることにコンプレックスを感じているテンプク寝具株式会社の浅倉克己。彼とともに、特A級サイボーグ派遣社員・山崎宅郎は、新しい価値感を生み出す新商品を開発することになった。その斬新なアイデアを奪おうと現われたアコギ寝具の企業戦士。だが、戦いに敗れた山崎の身体は、粉々に吹き飛んでしまった!!そして5日後、再び倫子たちの前に姿を現した山崎は、メモリー回路のロード機能不調…つまり、一種の記憶喪失となっていた――!!

企業戦士YAMAZAKI(9)

アコギ寝具の企業戦士・野川との戦いに敗れた山崎は、NEO=SYSTEM社のエンジニア・貴理香の手によって、戦闘モード時に『最新型・ヤマザキ=X3』となるようにバージョンアップされていた!だが、唯一彼に残された生身の脳はその腐敗を止められず、幾多の戦いによって彼の身体は限界に近づきつつあった!!そして、お互いの存在が支えとなっている倫子と山崎。彼らの関係は、一体どうなってしまうのだろうか!?

企業戦士YAMAZAKI(10)

ダイナ教育出版に派遣されてきた、成功率100%を誇る特A級サイボーグ派遣社員・山崎宅郎。この会社の経営を立て直すために山崎が提案した新事業とは――『卓上ガーデニング・キット』という商品の販売だった!誰もが理想とするガーデニングを疑似体験できるだけでなく、箱庭療法を引用した心理分析をすることもできるこの商品。かつてない『大人のホビー』のアイデアを手に入れようと、またしても敵の企業戦士が現われた!!

企業戦士YAMAZAKI(11)

過労死したエリート商社マン山崎宅郎は、サイボーグ企業戦士として蘇った。そして山崎は、社会のため、遺した妻子のため、今日も戦い続けるのだ!!「『人間』という字は『人』の『間』と書きます。動物である『ヒト』は他者との関係によって『人間』に成長する――想いあい傷つけあい許しあうことで初めてお互いを理解するのです。そしてそこに生まれた大切なコミュニケーション――人はそれを『愛』と呼ぶ!!」

企業戦士YAMAZAKI(12)

どんなビジネスでも100%成功させるという伝説の男――かつて過労死した凄腕のビジネスマン・尾崎達郎が、遺した妻子のために特A級サイボーグとなってこの世に蘇ったのが派遣社員・山崎宅郎なのだ!!今回の派遣先はなんと山崎が生前勤めていた集英商事!これまでの戦いのダメージによって満身創痍の山崎。古巣の危機を救うため闘いに挑む彼に、最大のピンチが迫る!!数多くの後悔の中を生きてきた山崎の未来にあるのは、希望――それとも絶望!?

企業戦士YAMAZAKI

パワー・オブ・ドリーム

企業戦士YAMAZAKI 富沢順
マウナケア
マウナケア

最終話のタイトルでもある「パワー・オブ・ドリーム」――。これを鳥がなぜ空を飛べるのかと重ねて、命は望んだ方向へと歩んでいくもの、と主人公の山崎は語ります。人もまた同じで、強くなりたいと思う格闘家は過酷な練習を自らに課し、どんな病気でも治したいと思う医者は知識の吸収にさまざまな症例を見る。じゃあ、われわれ会社員の望む道とは? そんなことを考えさせられるのがこの漫画です。山崎は過労死した後、サイボーグとなって復活し、業績の落ち込んでいる会社に派遣され斬新な企画を提供する特A級企業戦士。燃やせる缶や壁掛けテレビ、新型コミュニケーション空間の提供と、新製品をプレゼンしながら、業績が上向かない理由=人の心の問題を解決していきます。その問題とは考えることを止めたり、他人の足を引っ張ったり、簡単な仕事しかしなかったり、部下とコミュニケーションできなかったり、などなど。ライバル社の企業戦士との格闘を通し、ビジネスマンのあるべき姿を説く山崎の台詞は説得力十分。日々流されて二の次になってしまう”こうありたい”と思う心。それを忘れないようにしよう、と思わせてくれます。