この人は私の好きな人じゃない。手の感触も息遣いも全部違う。同じDNAを持った別の人―――。令と臣は双子の兄弟。私、奈都とは幼馴染でいつも3人一緒だった。でも、私が好きになったのは1人だけ。私は令が好きだ。だけどその時はまだ、気付いていなかった。太陽を目指して月の明かりを頼りに歩いていることに…。そして高校受験を控えたある日、令が不治の病に侵されていることを知る。私達3人の歯車が、狂い始める―――。「令は“おきて”で臣は“家来”。双子でも、役割があるんだよ。臣…お前には譲らないから。お前は後でいいだろ。俺がいなくなってからで。」※この作品は【危険恋愛M】vol.69でもお読みになれます。