あらすじ

スタートした公道グランプリで、制止させようとするパトカーを難なくかわした風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)のロータス・ヨーロッパと沖田(おきた)のフェラーリ・ディノ。その後の直線で、沖田に引き離され、後から来た早瀬佐近(はやせ・さこん)のポルシェ・カレラRSにも抜かれた裕矢は、激しく降り出した雪にチャンスを見出していくが……!?
サーキットの狼(1)

「ロータスの狼」と呼ばれる一匹狼の走り屋・風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)が、さまざまなライバルとスーパーカーバトルを繰り広げるレーシングアクションコミック。夜の街では、暴走族「ナチス軍」「極道連」「影法師」の三大グループが我が物顔で車を走らせていた。愛車のロータス・ヨーロッパを駆る一匹狼の走り屋・風吹裕矢は、彼らに対して次々と勝負を挑んでいくこととなる。ある日、嫌がる女をしつこくナンパする極道連の男に、裕矢はシグナルグランプリを挑んで……!?

サーキットの狼(2)

ミキとのデートを賭けて、ピーターソンのトヨタ2000GTとバトルする風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)のロータス・ヨーロッパ。ピーターソンが公道グランプリの前回優勝者だと知って闘志に燃える早瀬佐近(はやせ・さこん)は、修理を終えたポルシェ・カレラRSで途中参戦して三つ巴の戦いがスタートする。脅威の追い上げを見せる早瀬、卑怯な走路妨害をするピーターソン、勝機を探す裕矢、勝利するのは誰だ?

サーキットの狼(3)

スタートした公道グランプリで、制止させようとするパトカーを難なくかわした風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)のロータス・ヨーロッパと沖田(おきた)のフェラーリ・ディノ。その後の直線で、沖田に引き離され、後から来た早瀬佐近(はやせ・さこん)のポルシェ・カレラRSにも抜かれた裕矢は、激しく降り出した雪にチャンスを見出していくが……!?

サーキットの狼(4)

ピーターソンのトヨタ2000GTによる悪質なブロックで2番手に甘んじている沖田(おきた)のフェラーリ・ディノ。一方、風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)のロータス・ヨーロッパと早瀬佐近(はやせ・さこん)のポルシェ・カレラRSは、2台で仕掛ける追い抜きが功を奏して次々とぶち抜いていく。そして、早瀬のポルシェがもらしたオイルにスピンしたデイトナが、裕矢のロータスと衝突して……!?

サーキットの狼(5)

ますます激しさが増す公道グランプリ。熱海ビーチラインをトップグループで走る風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)のロータス・ヨーロッパは、ピーターソンのトヨタ2000GTを外側からかわそうと片輪走行をしてスタビライザーを打ってしまう。そんなロータスに執拗な幅寄せ体当たりをしていたピーターソンの2000GTは、亀裂した道路で運転を誤り、海へと転落して……!?

サーキットの狼(6)

愛車のロータス・ヨーロッパが直るまで、沖田(おきた)の形見であるフェラーリ・ディノを乗る事にした風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)。抜群の戦闘力を秘めたフェラーリを駆る裕矢は、極道連の追撃を赤子同然にぶっちぎるが、謎のポルシェ・930ターボに抜かれてしまう。そして裕矢は、姉のローザと結婚して義理の兄となった飛鳥ミノル(あすか・みのる)との公道レースが実現するが……!?

サーキットの狼(7)

公道での走りを卒業すると決意した風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)と早瀬佐近(はやせ・さこん)は、A級ライセンスの試験を受ける。そこで行われる模擬レースに、公道グランプリのチャンピオンである裕矢に勝って名を上げようと考える全国各地の街道レーサーの強豪が集結する。そして、模擬レースはスタートするが、土方(ひじかた)のランボルギーニ・ウロッコが取り残されて……!?

サーキットの狼(8)

早瀬佐近(はやせ・さこん)のポルシェ・930ターボをはじめとした3台の怪物マシンに苦戦する風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)のロータス・ターボ。周回遅れの車にトップグループが前をふさがれた事に勝機を見つけた裕矢は、インを浮かせた片輪走行のアクロバットでトップに立つ。しかし、周回遅れの車とその後続車が次々とクラッシュしてしまい、トップを走っていた裕矢のロータス・ターボも巻き込まれて……!?

サーキットの狼(9)

セカンドグループでデッドヒートを繰り広げる風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)のロータス・ターボと北海の龍のランチア・ストラトス。そこへ参戦してきたマセラッティ・ボーラの強引な割り込みに接触された裕矢のロータスは、スピン状態になり遅れを取ってしまう。一方、ぶっちぎりの1位を独走する早瀬佐近(はやせ・さこん)のポルシェ・930ターボは、スローダウンした周回遅れの車にコースをふさがれ、ダートに突っ込んで……!?

サーキットの狼(10)

みのりのポルシェ・ターボを運転していた風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)は、東名高速に現れる怪物マシンに偶然遭遇する。その後、喫茶店で会った早瀬佐近(はやせ・さこん)にその話をした裕矢は、佐近と裕矢がオトリになって怪物マシンが現れた時、同じ性能のポルシェに乗った自分たちで勝負をしようという佐近からの提案を承諾する。それを知ったマセラッティ・ボーラの切替テツ(きりかえ・てつ)も、その勝負に参戦を申し込んで……!?

サーキットの狼(11)

新設された流石島サーキットコースでのデビューレースに臨む風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)のフェラーリ・ディノR・Sと早瀬佐近(はやせ・さこん)のポルシェ・カレラRSRターボ。レースの前にコースの下見をしていた裕矢と佐近は、ニューマシンを駆るピーターソン、土方(ひじかた)、魅死魔(みしま)と疾走していた所を、潮来(いたこ)のオックスのランボルギーニ・イオタにかわされて……!?

サーキットの狼(12)

ピーターソンのBMWにスピンさせられてリードを許してしまった早瀬佐近(はやせ・さこん)のポルシェ・カレラRSRターボ。一方、トップグループに続いて火山岩地帯に突入した風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)のフェラーリ・ディノR・Sは、ハマの黒ヒョウのカウンタックと競り合っていく。そんな裕矢に追随しようとした飛鳥ミノル(あすか・みのる)のランボルギーニ・ミウラだったが、マシンに異変が……!?

サーキットの狼(13)

予想以上の激戦を展開する流石島レースで、トップを走る早瀬佐近(はやせ・さこん)のポルシェ・カレラRSRターボ。その背後に迫るジャックのコルベットは、コーナーで佐近に仕掛けようとしてスキッドアウトを起こし、ガードレールに突っ込んで炎上してしまう。そのアクシデントに後続車は押し寄せ、各マシンが大接近した状態でレースは再スタートとなる。そんな接戦の中、風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)は天才的なコーナリングを体得して……!?

サーキットの狼(14)

復讐に燃えるピーターソンの怪しい挙動を、土方(ひじかた)のおかげで回避した風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)のフェラーリ・ディノR・Sは、うず潮バンクをフルスロットルで駆け下り、早瀬佐近(はやせ・さこん)のポルシェ・カレラRSRターボを抜いてトップに立つ。しかし、裕矢と佐近の背後に驚異的なスピードで迫るセリカLBが、勝負を仕掛けてきて……!?

サーキットの狼(15)

ピーターソンのBMWにプッシュされて宙に飛んだ風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)のフェラーリ・ディノR・Sは、飛鳥ミノル(あすか・みのる)のミウラに引っかけて片輪走行をして立て直す。ピーターソンへの怒りに闘志を爆発させた裕矢は、勝負を挑んでいき幻の多角形コーナリングにひるんだBMWを追い抜く。一方、早瀬佐近(はやせ・さこん)は、ポルシェ・カレラRSRターボにレインタイヤを装着させて……!?

サーキットの狼(16)

ぶっちぎりのトップを走る早瀬佐近(はやせ・さこん)のポルシェ・カレラRSRターボ、2番手のフェラーリの女豹の308GTB、3番手のサトルのロータス・ヨーロッパ。その後方で風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)のフェラーリ・ディノR・Sは、飛鳥(あすか)のミウラ、北海の龍のストラトスと三つ巴の戦いを繰り広げるが、限界を超えてガードレールにぶつかったストラトスが大破する。そして、火山地帯に突入した佐近は、四国の獅子の手下が落とした岩石でリードを失ってしまい……!?

サーキットの狼(17)

ピーターソンの攻撃から風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)をかばったフェラーリの女豹が犠牲になってしまう。彼女の死に慟哭する裕矢は、怒りに燃えてピーターソンへ挑み、火山地帯のシケイン並に転がった岩場に勝負を賭けて、ピーターソンのBMWを大破させて仇を討つ。その後、早瀬佐近(はやせ・さこん)のポルシェ・カレラRSRターボと密林地帯でデッドヒートを繰り広げる裕矢は、草むらに突っ込んでヘッドライトをつぶしてしまい……!?

サーキットの狼(18)

富士のフレッシュマンレースにエントリーするため、TSカーのサニー・クーペに乗った風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)は、短時間でその性能を生かしたレーシングテクニックを身につけて驚異的なタイムを打ち出す。一方、ランボルギーニ・ミウラを駆る飛鳥ミノル(あすか・みのる)は、謎のカウンタックLP500Sに勝負を挑まれて受けるが、その途中で前方に現れたフェラーリ512B・Bと正面衝突しそうになり……!?

サーキットの狼(19)

世間を騒がす謎のカウンタックLP500Sとフェラーリ512B・Bの男から、タイマン勝負を申し込まれた風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)。ランチア・ストラトスで勝負する河原へ駆けつけた裕矢は、クラッシュした240ZGと負傷した長岡(ながおか)を発見する。そして勝負に挑んだ裕矢は、カウンタックとボクサーのコンビ攻撃をかわして、ストラトスが得意とするダート走行で2台を翻弄するのだが……!?

サーキットの狼(20)

ル・マン・イン・ジャパンの予選でランチア・ストラトス・ターボの仕上がりが間に合わず、思わぬ苦戦を強いられる風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)は、早瀬佐近(はやせ・さこん)と飛鳥ミノル(あすか・みのる)の応援で、最下位ながらも予選を通過する。新たなるライバル・椿(つばき)を意識しながら日光レースを迎えた裕矢は、シンガリからのスタートだったが、完調の仕上がりを見せるストラトス・ターボは先行マシンを次々と抜き去り……!?

サーキットの狼(21)

崖に落ちたパンテーラの炎上に動揺する早瀬佐近(はやせ・さこん)は、その場に佇んでしまう。目前を通り過ぎた風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)のランチア・ストラトス・ターボを見てふっきれた佐近は、第3グループへ参戦するが、恐怖心に勝てずスピードを落としていく。そんな中、裕矢と土方(ひじかた)を相手に競り合い、コーナーに激突して炎上したカウンタックに乗っていたハマの黒ヒョウが焼死してしまい……!?

サーキットの狼(22)

まさに一体となって走行する風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)のストラトス・ターボ、早瀬佐近(はやせ・さこん)のポルシェ、飛鳥ミノル(あすか・みのる)のBMWの3台は、潮来(いたこ)のオックスのイオタを鮮やかに抜き去る。そして、その前方で走るプロレーサー達のGCマシンをジャンプして追い越した裕矢だったが、それが仇となって強烈なアンダーステアに苦しめられることに……!?

サーキットの狼(23)

初めての挫折を味わった風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)は、全日本カートチャンピオンの鈴本(すずもと)とのゴーカート勝負で立ち直り、自らの力でF1レーサーへの道を目指すと決意する。日本の生活を清算してヨーロッパへ渡った裕矢は、まずは底辺のFIIIレースに挑戦する。そして、BPFIII選手権に参戦する裕矢は、最大のライバルとなるジョージ・プライスと出会い……!?

サーキットの狼(24)

BPFIII選手権に優勝した風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)は、マーチ社のFIIテストに誘われる。そこでFIIマシンを初めて操縦した裕矢は、ジャコメリの走行に刺激され、マシンを自分好みにセッティングさせて好タイムをマークする。そして、ワークスマーチ入りが決まった裕矢は、モナコFIIIで合格点を出すレースをするという条件を出される。モナコFIIIには、最大のライバル、ジョージ・プライスと早瀬佐近(はやせ・さこん)が出場して……!?

サーキットの狼(25)

奇跡のコーナリングテクニック、ジャンピング・ターンフラッシュを駆使して、モナコFIIIの予選ヒートでぶっちぎりのリードをした風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)。しかしその途中で、裕矢のマシンのエンジンが高回転でバラつき、トップからどんどん順位を落としていく。決勝進出するには八番手までに残らなければならない裕矢は、ジャンピング・ターンフラッシュに勝負を賭けるのだが……!?

サーキットの狼(26)

白熱するモナコFIII決勝レースで2番手に躍り出た風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)と早瀬佐近(はやせ・さこん)の日本人コンビ。その後、周回遅れのマシンにひっかかったプライスと裕矢のインをぬけて、ついに佐近がトップに立つ。しかしその直後、エリオともつれるように競り合った佐近は、後続のプライスにはじき飛ばされて大クラッシュする。燃えさかるマシンに取り残された佐近を、必死に助けようとした裕矢だったが……!?

サーキットの狼(27)

日本のFIチーム「神風」の純日本製FIマシン・ゼロ戦007で、スペインGPに出場した風吹裕矢(ふぶき・ゆうや)と神藤速人(しんどう・はやと)。最後尾のグリッドからスタートした裕矢は、グリッド上に止まっていたプライスのロータス78との因縁の勝負に火花を散らして……!?そして、ベルギーGPにゼロ戦009をひっさげて現れた裕矢は、義兄・飛鳥ミノル(あすか・みのる)と宿命の対決を……!?手に汗握るクライマックスを迎える完結巻。

サーキットの狼

レース漫画のパイオニアでスーパーカーブームの先駆け作品「サーキットの狼」

サーキットの狼 池沢さとし
名無し

誰もが思い出の漫画があると思いますが、私が生まれた1975年と奇しくも同い年に連載開始された「サーキットの狼」はやはり今でも色褪せない特別な作品です。 今でこそレースや自動車などを題材にした作品は数多くありますが、それらも遡れば「サーキットの狼」の影響下にあるものばかりです。 最も印象に残っているのは、高級スポーツカーがいくつも登場し、迫力満点の大レースを展開する。そんな非日常な世界に、初めた読んだ子供の心をガッチリと掴んでしまったのです。 だって、私ですら小学生になった時に初めて「サーキットの狼」を読んだのですが、その時には連載は終了していました。その時でも、街中で高級スポーツカーを見掛けるのは皆無なのに、その何年も前にレース漫画として作品にしていたのは驚き以外の何ものでもありません。 主人公の風吹裕矢は両親がいないのに、レースでライバルをなぎ倒し、自らが成功の階段を上りつつ、マシンもどんどん良い車にステップアップする。まるで「あしたのジョー」と矢沢永吉のなり上がり的な要素も含めていますが、同時にどこか悲しい要素もあるのは、大人になってから再読して気が付きました。 子供の頃は派手な高級スポーツカーのレース模様に興奮したのですが、その裏には主人公やライバルには複雑な思いや人生の重さがあり、その人間模様もあるから、レースでどこまでもアクセルを踏み込むのでしょう。 レース漫画のパイオニア的な作品として、名作中の名作でもっと世間が評価するに相応しい漫画が「サーキットの狼」です。