あらすじ降り積もる雪に閉ざされた東北地方の雪。しかしこの時期、この場所だからこそできる釣りや漁があるのだ!和竿(わかん)作りの名人である一平じいちゃんに話を聞きに、出版社のカメラマンと女性記者が東京から訪ねてきた。二人に和竿釣りの醍醐味(だいごみ)を教えようと、寒バヤ釣りに案内した三平は!?伝統の「ドン突き」にも三平らしい新アイディアで挑む!冬国の楽しい知恵が詰まった1冊!!(※収録されている技術や環境に関しての表記は、作品発表当時のものをそのまま掲載しております。)
釣りへの愛に溢れた名作。 この漫画を支えているものの一つが、美しい風景描写だと思います。 緻密で透明感があり、いかにも「漫画」なキャラとの対比が際立っています。 直接、原画を拝見したことがありますが、雑誌で見るよりも数段美しく、芸術的で惚れ惚れしました。 漫画家さんが背景を描くときのお手本として「釣りキチ三平」から学んでいると聞いたことがあります。そういう意味では、矢口高雄先生の絵はこの先も絶えず影響を与え続けて行くのだと思います。 ちなみに昭和の漫画事情と言いますか、タイトルのキチはキチ○○の意味として堂々と使われています。今だとアウトな表現なので、これだけで作品が誤解されたり敬遠されてしまうことがないよう願っています。