あらすじ獲物を狙う鷹のごとく、紀の川に舞う秘伝の網!三平三平(みひら・さんぺい)は、茜屋新司(あかねや・しんじ)と出会う。巧(たく)みに投網(とあみ)を操る新司は、300年の歴史を持つ茜屋流鮎師の後継者だった!正治(まさはる)の家にあった投網から、正治の亡き祖父と茜屋流との因縁を知った三平は、さっそく茜屋流鮎漁の本場、紀州・紀の川へと向かった。(※収録されている技術や環境に関しての表記は、作品発表当時のものをそのまま掲載しております。)
釣りへの愛に溢れた名作。 この漫画を支えているものの一つが、美しい風景描写だと思います。 緻密で透明感があり、いかにも「漫画」なキャラとの対比が際立っています。 直接、原画を拝見したことがありますが、雑誌で見るよりも数段美しく、芸術的で惚れ惚れしました。 漫画家さんが背景を描くときのお手本として「釣りキチ三平」から学んでいると聞いたことがあります。そういう意味では、矢口高雄先生の絵はこの先も絶えず影響を与え続けて行くのだと思います。 ちなみに昭和の漫画事情と言いますか、タイトルのキチはキチ○○の意味として堂々と使われています。今だとアウトな表現なので、これだけで作品が誤解されたり敬遠されてしまうことがないよう願っています。