あらすじ受刑者全員の健康診断をしようとした非常勤医・粂川晶(くめかわ・あきら)は、廊下で待機中に倒れてしまった受刑者・藤生(ふじう)を診察して、「ありがとう」ではなく「満足しました」と言われたのを不思議に思う。そこで、刑務官・早乙女(さおとめ)から、藤生が詐病の常習者でありトラブルメーカーだと知らされた粂川は、翌日、不当な医療行為を行ったと藤生から訴えられて……!?
あなたの知らない仕事をする人たち、ともいえるようなお仕事漫画なんだけど、考えさせられてしまう。 「医者は助けることしかできない」という言葉が印象的だった。 死にたい人がいても、助けることしかできない。 逆に生きたい人がいても、助けられる範囲を超えていたら救うことができない。 ものすごくストレスが多そうだ。 刑務所の中のお医者さんの仕事は、救急と全く違うものかと思えば、そんなことはなく、人間関係がごちゃごちゃしているようだ。 救急って、そんなに色んな人が来るんだとか、刑務所の医者って、学校の保健師さんとは違うんだとか。 刑務官の人が言っていた、「親身になりすぎたら、自分が辛いだけ」が身にしみてくる。 ずっと関わるわけでもない人、理解することができない考え方や生活をしている人。 心のケアは精神科の先生を呼んでいる、肉体的なケアは医者(内科?外科?)、刑の全うを見守るのは刑務官、と分業されているのは、線引をしなければ、心がやっていけないし、体がいくつあっても足りないからかもしれない。