あらすじ母親としての自覚のない妊婦の受刑者・理乃(りの)に、「堕ろせばいいのに」と冷たく言い放つ同室の受刑者・阿久津(あくつ)。非常勤医・粂川晶(くめかわ・あきら)は、刑務官・早乙女(さおとめ)から、中絶によって子供の産めない体となった阿久津の哀しい過去を聞いて、“母親”や“生まれてくる子供の幸せ”について考える。そんな時、臨月の理乃を受け入れる予定だった病院の産科が廃止になって……!?
あなたの知らない仕事をする人たち、ともいえるようなお仕事漫画なんだけど、考えさせられてしまう。 「医者は助けることしかできない」という言葉が印象的だった。 死にたい人がいても、助けることしかできない。 逆に生きたい人がいても、助けられる範囲を超えていたら救うことができない。 ものすごくストレスが多そうだ。 刑務所の中のお医者さんの仕事は、救急と全く違うものかと思えば、そんなことはなく、人間関係がごちゃごちゃしているようだ。 救急って、そんなに色んな人が来るんだとか、刑務所の医者って、学校の保健師さんとは違うんだとか。 刑務官の人が言っていた、「親身になりすぎたら、自分が辛いだけ」が身にしみてくる。 ずっと関わるわけでもない人、理解することができない考え方や生活をしている人。 心のケアは精神科の先生を呼んでいる、肉体的なケアは医者(内科?外科?)、刑の全うを見守るのは刑務官、と分業されているのは、線引をしなければ、心がやっていけないし、体がいくつあっても足りないからかもしれない。