あらすじ

新入部員も増え、9名となった二ツ坂高校薙刀部は、新年度初の公式戦・関東大会東京都予選会へ。日本一を目標に掲げる二ツ坂メンバーは、それぞれ個人戦へ挑むが、抽選の結果、旭VS.将子の直接対決が行われることに――!! 勝つことは、相手を負かすこと。勝つことは、ひとつ孤独に近づくこと。見たことにない風景が待つ、強者たちの領域へ… ――この勝負は、苦いものになる。
あさひなぐ 1巻

二ツ坂高校一年、東島旭(とうじま・あさひ)、15歳。中学まで美術部だった旭は、「薙刀は高校部活界のアメリカンドリーム!スポーツに縁のなかった人間でも全国にその名を轟かすことができる」といううたい文句に感激し、薙刀部に入部する。痴漢を蹴りで撃退する強き女、あこがれの先輩、宮路真春(みやじ・まはる)、同じ一年生で剣道経験者の八十村将子(やそむら・しょうこ)と長身が悩みの紺野さくら(こんの・さくら)…旭と仲間達“なぎなたガールズ”の強く!楽しく!!美しい!!!物語が始まる――

あさひなぐ 2巻

なわとびテストクリアで自らの防具を手に入れ、本格練習を開始した旭(あさひ)。しかし、それは悩める日々の始まりでもあった。同じ薙刀部一年で長身のさくらや剣道経験者の将子(しょうこ)と違って、自分には何の取り柄もない……。落ち込む旭にエース真春(まはる)が“必殺技”を伝授する。「3人いれば3通りの強さがある。それが薙刀よ。必要なものはひとつ――女は度胸。」ひたすら稽古に励み、少しずついろんな事が変わり始めた旭と二ツ坂高校薙刀部にビッグニュースが…猛烈剣士で旭のライバル(?)、一堂寧々(いちどう・ねね)がいる國陵高校との練習試合が決まったというのだ!!大好評、なぎなた青春スポ根漫画、単行本第2弾!

あさひなぐ 3巻

帰宅電車でガール・ミーツ・ボーイ、体育祭部活対抗リレーで宿敵テニス部と対決。二ツ坂高校1年、東島旭(とうじま・あさひ)はただ今、青春真っ直中!そんな旭の薙刀ライフに夏合宿がやってきた。夏を制する者は薙刀を制す――。小さい自分、力がない自分、弱い自分、それでも今日ここまでやってきた自分。鬼の尼僧・寿慶(じゅけい)の厳しいしごきの中で旭が見つけた「たったひとつの確かなこと」とは!?『ダ・ヴィンチ』(2011年10月号)「スポーツ女子マンガ」特集、『クレア』(2011年9月号)「働く女子の1週間に効く日常を変えるマンガ」特集、『オズプラス』(2011年11月号)「本とマンガ」特集、『SPA!』(2011年6月28日号)「今週のイチ押し!」ほか漫画読みの中で話題沸騰中!!「次にくる漫画」注目度No.1!!

あさひなぐ 4巻

鬼コーチ寿慶(じゅけい)が出した夏合宿最後の試練、“終わらない稽古”に旭(あさひ)と仲間達が挑む!「真春(まはる)先輩、私の理想は貴女(あなた)です」――憧れの先輩に近づくため、残る力すべてを振り絞って寿慶と対決する旭。仕上げの稽古はいかに幕を閉じるのか!?厳しい合宿を乗り越えた部員達の頬を伝った涙の名前とは……。コミックランキング続々イン!!期待と話題の一番星!!“なぎなたガールズ”青春スポコン漫画!!単行本第4弾!!

あさひなぐ 5巻

旭達一年生にとって初の公式戦である新人戦がやってきた。自分も団体戦に出られると知った旭が稽古に励む中、団体戦を巡って意見が対立する。卑怯でもチームのために引き分けを狙うという部長の野上とそれを否定する将子。どちらが正しいのか、答えの出せない旭は将子に居残り稽古を申し出る!旭の熱き剣が将子に向き合わせた悔恨の過去とは!?勝つ、負ける、引き分ける――旭が出した答えとは!?「宝島社このマンガがすごい2012」書店員ランキング・オトコ編第3位ほかマンガ賞続々BEST10入りの話題作!単行本第5弾!!

あさひなぐ 6巻

ついに新人戦開幕!「今日の主人公は、私」――その言葉を胸に、二年チームと一年チームに分かれて団体戦トーナメントに挑む二ツ坂高校。超体育会系軍団や屈強男子チームを相手に団体戦を競り進む中で旭達一年に試練が…!勝ち進むには卑怯でも引き分けを狙って一点突破にかけなければならない。対戦相手から「恥ずかしくないの?」と聞かれた将子は「ちょっとな」と言いながら、大将・旭にすべてを託すが……。背負った重荷、押し殺した自分。旭、真剣の一振りをみよ。

あさひなぐ 7巻

新人戦はいよいよ準決勝へ!揃ってベスト4進出を果たした二ツ坂の旭達一年チームと、エース・真春率いる二年チーム。「決勝で会いましょう」――この約束を胸に、彼女達はそれぞれの戦場へ向かう。

あさひなぐ 8巻

エース・真春の新人戦での敗北。絶対的な信頼があったからこそ、その事実はチームに陰を落とし続けていた。真春への依存から脱却するべく、部長の野上が編み出した新たな練習法は…防具なしでの稽古だった!!「私は、強い人になる」――切なる決意を胸に、旭が踏み込む右足は、この暗雲を振り払えるか――!?

あさひなぐ(9)

インターハイを目指す旭たち二ツ坂薙刀部。無数のピンポン球の中での地稽古に続き、謎の新監督・やす子が命じたのは「来週までに一人ずつ男をオトしてきなさい」――一見無関係な指令の連続に戸惑う旭たち。淡い恋心と、強くなりたいという願い。眩しいほどの懸命さは、どんな実を結ぶのか!?そして年は明け、恐怖の和歌山合宿開幕!!待ち受けるは強豪・國陵高校の面々だった――!!

あさひなぐ(10)

夏に勝つのは、冬に地獄を見た人間だけ―――――その言葉を信じ、強豪集う和歌山合宿で過酷な稽古に打ちこむ二ツ坂高校。その中で、新監督・やす子の正体(?)が、ついに判明!なんと、元大学日本一の凄腕だった!一方、合宿は終盤戦。仕上げの交流戦に現れたのは、インターハイ毎年優勝の熊本東高校。二ツ坂は、そして旭は合宿の成果を見せることができるか!?

あさひなぐ(11)

「私、勝ちます。」強豪・愛山高校との代表選に臨む、旭。自分が負ければ、チームが負ける――――かつてない重圧の中、ついに旭の積み重ねてきたものが、花開く!!!!!!!!!

あさひなぐ(12)

日本一を目指すべく、激しい練習に励む二ツ坂。だが、突如さくらが部を辞めると言い出して……旭はさくらを止められるのか!?

あさひなぐ(13)

「私は旭ちゃんみたいに、強くないから」部活を辞めると言い出したさくらの残した言葉。誰より強くなりたいという願いと、たどり着けない葛藤…やりきれない思いを抱えた旭が、さくらと同じく薙刀を辞めた真春の弟・夏之と出かけたのは……!?そして、季節は巡り、春――旭達は二年生となり、新入部員の勧誘に動き出す!!青春武道コミックの決定版、待望の第13集!!

あさひなぐ(14)

新入部員も増え、9名となった二ツ坂高校薙刀部は、新年度初の公式戦・関東大会東京都予選会へ。日本一を目標に掲げる二ツ坂メンバーは、それぞれ個人戦へ挑むが、抽選の結果、旭VS.将子の直接対決が行われることに――!! 勝つことは、相手を負かすこと。勝つことは、ひとつ孤独に近づくこと。見たことにない風景が待つ、強者たちの領域へ… ――この勝負は、苦いものになる。

あさひなぐ(15)

祝! 第60回小学館漫画賞一般向け部門受賞! 関東大会東京都予選会、個人戦。同じ二ツ坂高校でともに切磋琢磨してきた将子を破り、遂にベスト8へ進出した旭。強き者しか踏み込めない未知の領域で、いよいよライバル・國陵高校の寧々と対決することに――!! 「まだ、もう少し長く、あなたとここにいたい――」コートの上には、二人きり。誰も邪魔できないその聖域で、旭と寧々が見る風景とは!? 関東大会予選個人戦・団体戦完全収録、少女たちの熱が最高潮に達する第15集!!

あさひなぐ(16)

関東大会団体戦本戦出場を逃した二ツ坂高校薙刀部。ふがいない先輩達に憤った一年生・薙の提案により、インターハイ予選団体戦出場の5枠を賭けた、部内戦が決行されることに…! 徐々に白日の下に晒されていく、部内の実力差。土曜の体育館は、かつてない緊張感に包まれる。傷つき、傷つけあいながら、その先にある風景を見るために、それでも進んで行く彼女たち。実力以外に序列の存在しないコートの中で、旭と真春が、野上と薙が…… そして、旭と将子が、対決する――!!!!!! この一日が、彼女たちの、すべてを変える。

あさひなぐ(17)

二ツ坂高校部内戦、最終試合。旭vs将子戦がいよいよ決着!! インターハイ予選団体戦出場の上位5名が確定し、一致団結したかに見えた二ツ坂だが…!? 問題児の一年生・薙、ライバル高校・國陵。旭を見守る夏之。人知れぬドラマを抱える彼らは、今、何を思うのか。そしてその時、旭は――!? 真春たち三年生と挑む最後の夏… インターハイ予選が、遂に始まる!!

あさひなぐ(18)

インターハイ東京都予選会、白熱! 一枚岩になったかに見えた二ツ坂の部員たちは、それぞれ個人戦へ。関東大会予選での國陵・寧々への惜敗のリベンジに燃える旭。母親への想いから、幼なじみの藤ヶ丘高校・桂香を意識する薙。一選手として、最後の夏に挑む元部長・えり。見守る一年生、ライバル高の部員たち、先生、父兄… 積み重ねてきた日々と、暖めてきた想い。それぞれがドラマを抱え、その四角いコートに入る時、全員が主役となる―― 感涙必死の18集!!

あさひなぐ(19)

インターハイ東京都予選、団体戦開幕!! 団体戦でのインターハイ出場を狙う二ツ坂高校。一人は皆のため… 想いを一つに戦うメンバーたち。だが、試合中のあるアクシデントが二ツ坂の 運命を大きく変えてしまう…! そして… 決勝へとコマを進めた旭たちを待つのは一堂寧々を擁するライバル・國陵高校。様々な想いを内に秘め、少女たちは戦う!

あさひなぐ(20)

インターハイ東京都予選会、団体戦決勝。二ツ坂高校VS.國陵高校。先鋒、大倉文乃VS.三須英子。次鋒、八十村将子VS.的林つぐみ。中堅、野上えりVS.寒河江純。副将、愛知薙VS.安藤真琴。大将、東島旭VS.一堂寧々。勝者だけが立つことの許される そのフィールドで、10人の少女たちが雌雄を決する時がきた。絶対的エース・真春を欠く中、想いをつなげていく二ツ坂。孤独なエース・寧々を擁する國陵に打ち勝つことができるのか―― 全話号泣必至。少女たちの“全力”が瞬く 第20集!!

あさひなぐ(21)

二ツ坂VS.國陵―― インターハイ本選出場をかけた、団体決勝戦が遂に決着!! 大将戦までで引き分け、代表者戦へ突入。國陵サイドは満場一致で寧々の出場が決まった一方、大もめの二ツ坂はじゃんけんで代表者を決めることに!! 果たして運命の一戦の行方は!? 負傷棄権し、病院から戻ったエース・真春が見た光景とは!? そして物語は新章へ突入―― 少女たちの想いが最高潮に達する、感涙必至の21集!!

あさひなぐ(22)

インターハイ団体、本選出場を決めた二ツ坂高校薙刀部。チームは来たるべき本選へ向け一直線…! の前に、旭は関東大会本選個人戦出場へ。真春がケガで不在の中、初めて「ひとり」闘いへと出向いた旭。そこで出会った茨城の少女・摂もまた、ひとりぼっちで大会に出場していた。意気投合した二人だったが、個人戦が開幕した途端、予想外の展開が待ち受ける―― 一方、旭と微妙な関係が続いていた夏之もまた、この大会に「勝負」を懸けていた。恋と薙刀、ひとり臨んだこの場所で、旭は一体、何を掴むのか――!? 新たなる飛躍へ。最注目の第22集!!

あさひなぐ(23)

2017年、乃木坂46により映画&舞台化が決定した最注目作『あさひなぐ』、最新刊が早くも登場! チームメイトたちと離れ、関東大会へひとり乗り込んだ旭は、そこで出会ったぜん息の少女・摂と、遂に個人戦で対決することに! 「とぎ澄まして、とぎ澄まして、一瞬を捉える」。彼女の生きる世界は、これまで出会ったどんな選手とも、次元の違う「薙刀との関わり方」で成り立っていた。その片鱗に触れる時、旭は何を想い、何を掴むのか。そして―― 國陵高校・現体制最後の団体戦。旭への告白をかけた、夏之の試合。そして、辞任した監督・やす子の進退は…!? 確かに進んできた道のり、その先に、それぞれが見た景色とは――!?

あさひなぐ(24)

最旬アイドル・乃木坂46メンバー出演で映画・舞台化が決定した『あさひなぐ』。劇場記録を打ち立てるほどの満員御礼で幕を閉じた舞台に続き、9月22日に映画公開が決定!! 話題が尽きない「今最も読むべき」本作、最新刊が登場! インターハイ本選目前! 日本一を目標に掲げる旭たち二ツ坂高校の前に立ちはだかるは、戸井田奈歩率いる鉄壁の絶対王者・熊本東。誇りと伝統と美しさ。太陽のような圧倒的存在感を放つ奈歩だったが、その光が強いほど、影は濃く浮き上がり… 知られざる熊本東の内情が、今明かされる―― そして、旭たち二ツ坂は、夏恒例の合宿へ。そこで待ち受けていたのは、もちろん――!? 薙刀にかける少女たちの青春ストーリー。いよいよ、世界で一番長くて熱い、夏が始まる――!!

あさひなぐ(25)

闘うために、ここにいる。波乱の夏合宿!! インターハイ本選直前・恒例の夏合宿。寺を訪れた二ツ坂メンバー+國陵の寧々・的林は、「心を鍛える」べく、寿慶から四日間 口を利かない“無言の行”という課題を言い渡される。心をひとつにすべき時期に、確かめ合う術を失った旭たち。溜まるストレス・募る焦燥… あまりの異質な稽古に、すれ違いは次第に大きな亀裂を生み!? 一方、別メニューを課せられた大工原・等々力の一年生コンビもまた、それぞれの壁に突きあたっていた! 合宿を制する者は夏を制す。「私たちは、闘うために、ここにいる――」うつむいた顔を再び上げるとき、彼女たちはまた新たな高みを見据える―― 羽ばたき大人になる、その寸前。瞬間きらめく25集!!

あさひなぐ(26)

夏合宿終了&IHへのカウントダウン開始! インターハイ本選目前・夏合宿。尼僧・寿慶に「インターハイは諦めなさい」と告げられた手負いのエース・真春のもとに、辞任していた二ツ坂薙刀部監督・やす子が帰還――!! 長期を見据える大人たちの想いと、「今」にかける少女たちの熱… 正道などない中で、彼女たちが選んだ“道”とは――!? そして合宿は終わりを迎え、遂に、インターハイ本選へのカウントダウンが始まる。ハンデを抱えたエース・真春、競技者として最後の大会に挑むえり、将来を見据えながら走り続ける文乃、部長業との兼任に励むさくら、勝つことへ執念を燃やす将子、新たな課題に挑みながら確実に変化していく旭、一年生同士の絆を深め自立しつつある薙。それぞれの課題を抱えながら―― いざ、一度きりの夏へ!

あさひなぐ(27)

すべては、ここで闘うために。IH開幕!! 「好き」 旭から、思わずこぼれた言葉の行方は――… 夏の暑い日、少女たちは懸命に“今”を生きる。そして、遂に降り立った山口… そこはインターハイ本選開催の地!! 熊本、和歌山、出雲、香川、そして東京。全国からこの場所を目指して皆、集まってきた。積み重ねてきたすべては、ここで闘うため―― 高揚と緊張を胸に、いざ、開幕の時を迎えた二ツ坂一行。しかし真春抜きで挑む団体戦は、予選リーグから早くも波乱の兆しが――!? 旭たちのいちばん熱い夏が、遂に始まる!!

あさひなぐ(28)

伝統校の誇りVS.挑戦者の野心――!! インターハイ本選、団体予選リーグ。伝統校・弦平相手に敗北した二ツ坂はこのまま予選敗退かに思えたが、二ツ坂が崩した東陽相手に弦平が敗北、三校の勝ち数本数が並び、奇跡の三つ巴の再戦へ!! 一度手放した運命、つながった希望―― これは、ただの“やり直し”じゃない。真価の問われる二度目の闘いは、伝統校の誇りと挑戦者の野心が激突する一進一退の攻防へ!! 一方、同じく団体予選リーグでは、強豪・出雲英豊や熊本東が、そのベールを脱ごうとしていた――

あさひなぐ(29)

真春公式戦復帰へ… IH個人戦開幕!! インターハイ本選初日、辛勝の末団体決勝リーグへ駒を進めた二ツ坂。戸井田奈歩率いる絶対王者・熊本東、やす子のかつての後輩・山吹(天羽)が監督を務める出雲英豊… 目指す日本一の前には、更なる強豪校たちが立ちはだかる!! そして迎えたインターハイ二日目… 左ヒザを負傷し、団体は出場を控えていた真春が、個人戦でついに公式戦復帰へ! 旭たちが見守る中、“右中段”という新たな武器を得た真春は快調な滑り出しを見せるが、熊本東のヒール・島田がそんな彼女を挑発する。勝負とは。武道とは。感情は事情とは、一線を画した場所にあるもの―― 島田に突きつけられた“正論”に、激情の旭は!? 少女たちの正義が激突する、因縁の第29集!!

あさひなぐ(30)

インターハイ最終日、個人戦。二ツ坂・宮路真春、愛山・辻野みゆき、國陵・一堂寧々、出雲・佐来光里、熊本・戸井田奈歩… 全国から集った精鋭たちはトーナメントの中央へ進むに連れ、一人ずつコートから去ってゆく。すべては絶対王者・奈歩と闘うために。左ヒザに故障を抱えながら出場した真春、その激戦の行方は――!? そして、遂に二ツ坂は団体決勝トーナメントへ!! この10人で挑む、最後の夏。目指す頂点、“日本一”まで、あと四つ…… 物語は、いよいよ最終局面へ――!!

あさひなぐ

「何者でもない」人たちのものがたり

あさひなぐ こざき亜衣
酒チャビン
酒チャビン

とあとがきで先生がおっしゃってるとおりのマンガです。 まず主人公がいなか臭いです。絶妙ないなか臭さで、いなか臭すぎるとマンガ臭くなってしまうのですが、本当にいそうで絶妙です。 ですがそれも素晴らしいです。 よく『ちはやふる』が少女マンガの皮をかむった少年マンガと言われていて、私すごく好きなのですが、それに近いスポ根的な部分もかなりあり、すごくこちらの作品も面白いです。つうか、よく高評価されてるのは見かけてはいましたが、こぎゃん面白いマンガとは思ってもみませんでした。ただ、若干こちらの方が少年度が低いというか、女子っぽい部分が多めでしょうか。そこも良かったと思います。 つうか最初の数巻は、わざとなのか描写不足なのか、別にそこまで皆頑張ってる感じがせず、したがって主人公のチームが負けようが特に何の感傷もなかったのですが(どちらかというと敵役の一堂選手の方が言い分もわかるし思い入れがありました。一堂という苗字も、世界的名作である奇面組へのリスペクトが感じられて好感が持てます)、途中からかなりよくなってくるので、5〜6巻くらいまでは諦めないで続けてほしいです! あと、こういう「冴えない主人公が強い人に憧れて頑張って強くなる」っていうのは定番ですが、本作品がレアなのは、憧れだった強い人から何かを受け継いで強くなった主人公が、憧れられる側だった人間に何かを返すところまで描かれている点です。 主に最終巻の話になってしまうのですが、大体前述の定番ものですと、最終巻は緊迫したストーリー運びながらも、どこか「どうせ優勝やろ」みたいなところもあるのですが、本作は最後の最後一捻りが聞いていてすごく心に残る作品となりました。 個人的には紺野選手とやす子が好きですね。すごくいいと思います。というか、このマンガの特徴として、マンガ自体とかストーリーとかが好きっていうよりも、若干脇役っぽい方も含めた登場人物のことがすごく好きになるっていう点があります。あまりそういった経験がなかったので、それも高評価をつけた理由です。 推しってこういうところからスタートするのですかね?? いずれにしても、自分ががんばっている人にはまず間違いなくオススメできる世界レベルの名作ですので、ぜひ読んでみてください!!全34巻と、完全に読者の心を入り口から折りにかかってきますが、がんばれる人なら大丈夫です!!!がんばってない人、頑張れる自信がない人はハンチョウを読みましょう!