あらすじ

熊野は、腫瘍ができて入院した妻・静子が心配でならない。熊野には、もう一つの心配事があった。それは、現在一浪して受験勉強に励んでいる娘・恵美のことだった。妻の入院準備をしていたある夜、恵美の頼みで熊野が久し振りに茶わんむしを作る。父が作る茶わんむしは、恵美にとって風邪で寝込んだ小学生の時以来、十数年振りに味わう温かな「父の味」であった。