「金なんざどうだっていい。心意気の話さ。わかるだろ?」 ただひたすらに、ひたむきに…… 桶職人、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官。伝統の手仕事を圧倒的ディテールと珠玉のドラマとともに描く歴史的傑作。■桶職人 覚えときな。木ってのは生きてんだ──木を見つめ木と生きる桶職人の一日。■刀鍛冶 自分が打った刀で子どもが殺された。灼熱の鍛冶場ーー多くを語らぬ刀匠の胸中は… ■紺屋 友禅染が大流行する中、藍染の意匠に悩む一人の職人。先の見えない仕事に心は沈むが… ■畳刺し 明け渡った吉原が男達の仕事の場。暮れの畳の張り替えに遊女達の冷やかしは付き物で… ■左官(一、二、三) 土蔵の普請場に奇妙な男が現れる。甚三郎と名乗るこの男、上方から流れてきたようだが…
精子と卵子を受精させ命を導く人の医療漫画 顕微鏡を用い、自らの手で精子と卵子を受精させ、小さな命を導く人・胚培養士(はいばいようし)。現在14人にひとりが体外受精で生まれている日本。治療件数が世界で最も多いにも関わらず最も妊娠率の低いこの国で、彼らは子供を欲する夫婦たちの強い想いに応えていく―― 「男性不妊」「高齢出産」編、収録!! 不妊治療の現場で働くスペシャリストたちの、新しい医療ドラマ開幕!! 『阿・吽』『サプリ』のおかざき真里が描く、最新作!
岩倉美津未、今日から東京の高校生! 入学を機に地方から上京した彼女は、勉強こそできるものの、過疎地育ちゆえに同世代コミュ経験がとぼしい。そのうえちょっと天然で、慣れない都会の高校はなかなかムズカシイ! だけど、そんな「みつみちゃん」のまっすぐでまっしろな存在感が、本人も気づかないうちにクラスメイトたちをハッピーにしていくのです!
俵 万智 「小蟹さんの澄んだ心の目。そのまなざしを借りて私たちは、忘れそうなほど小さくて、でもとても大切な何かを見つめなおす。たしかに降ってきたけれど、とっておけない雪のように。」 雪のように静か。冬の朝のように新鮮。自分の気持ちに触れることができるのは、こんな時かもしれない。[収録作品] ●「うみべのストーブ」 運命のように出会ったえっちゃんとスミオにも、ある日訪れた別れ。傷心のスミオを海に連れ出したのは、隣で彼を見守り続けていたストーブだった…。「ふたりが…お互いに、好きだったこと 私はちゃんと覚えてる 何度だって思い出すよ」 連載時のカラーを再現し、2色刷で収録。●「雪子の夏」 トラックドライバーの千夏が雪の日に出会った、雪女の雪子。夏のあいだは消えてしまうという雪子に夏を見せてあげたい。忘れられない夏の物語。「誰もあたしのことを 思い出してくれなくなったら こんなぼんやりしたまま 永遠に消えちゃうの?」 ●「きみが透明になる前に」 ある日事故で透明になってしまった夫。彼の姿が見えないことにほっとしている自分はもう、彼を愛していないのだろうか…。見えないものに触れる、夫婦の絆のかたち。「ねえ泉 ありがとう 僕を見つけてくれて」 ●「雪を抱く」 パートナーとの間の妊娠を知り、複雑な気持ちの若葉。大雪で家に帰れなくなったある日、偶然出会ったコウコと朝までの時間を過ごす。女性の身体をめぐる物語。「わたしの身体が わたしひとりだけのものだったことなど 一度でもあっただろうか」 ●「海の底から」 仕事で忙しい毎日を送る深谷桃は、かつてのように小説を書くことができない。いまの自分はまるで海の底から上を見上げているようで…。創作に向き合うことができないでいる生活者の苦悩の物語。「悔しい 書かなくても幸せでいられるのが」 ●「雪の街」 はなれていた親友の突然の死をきっかけに訪れた、昔住んでいた町。思い出のファミレスで出会った森田という男と、死んでしまったスーちゃんのことを思い出しながら、雪道を歩いていく。夜の黒さと雪の白さは、彼らの弔いを静かに描き出す。「鈴木さんがどこかで 元気でいてくれるといいなって ずっと思ってました」 ●「たいせつなしごと」 単調な仕事に明け暮れる毎日のなかで、いつのまにか自分の心は動かなくなっていた。いつかどこかのゲートが開いて、別の世界へ行けたなら…。暮らしのなかにある光を見つける小さな物語。
CDショップで働いているミステリアスな「おにーさん」が気になってしょうがない女子高生・あや。しかし「おにーさん」の正体は、話したこともない、クラスメイトの目立たない女子・みつきだった――。Twitterで最高に注目を集める女同士の「愛情」を巡る物語、待望の書籍化。みつきの過去をめぐる、描き下ろしストーリーを収録。【電子特典:描き下ろしイラスト付き】
雪がちらつくクリスマスイブの夜に起きた元警察官殺害事件。容疑者は逮捕され、事件は終わったかのようにみえた。しかし、殺された元警察官が娘に遺した一通の手紙で事件は再び動き出す。そこには「以下に挙げる人物が逮捕、起訴されたら…その人は冤罪です」そう書かれていた。そして、そのリストには父を殺したとして逮捕された容疑者の名前も書かれていた……。映像化もされた『イチケイのカラス』の浅見理都が手がける、衝撃のクライム・サスペンス。
【電子限定!雑誌掲載時のカラー原画を特別収録!】35歳、少女小説家。(亡き母の妹) 15歳、女子中学生。(姉の遺児) 女王と子犬は2人暮らし。少女小説家の高代槙生(こうだいまきお)(35)は姉夫婦の葬式で遺児の・朝(あさ)(15)が親戚間をたらい回しにされているのを見過ごせず、勢いで引き取ることにした。しかし姪を連れ帰ったものの、翌日には我に返り、持ち前の人見知りが発動。槙生は、誰かと暮らすのには不向きな自分の性格を忘れていた……。対する朝は、人見知りもなく、“大人らしくない大人”・槙生との暮らしをもの珍しくも素直に受け止めていく。不器用人間と子犬のような姪がおくる年の差同居譚、手さぐり暮らしの第1巻!