呪われた村
1959年に刊行された単行本の復刻です。平家の落人伝説を舞台に、人里離れた深山の集落に隠された謎と恐怖が交錯する幻想奇譚。劇画調の手法をとりいれ、岬探偵の冒険と伝説をミステリアスに描いた著者の初期代表作。
無情の世で、のがれられない宿命に生きる者たちの姿を描いた異色作品集 ▼第1話/やませ(一)▼第2話/やませ(二)▼第3話/ガロの復活▼第4話/ギバチ▼第5話/他心通▼第6話/言霊▼第7話/ガロの宿▼第8話/因童▼第9話/遠当▼第10話/妙活▼第11話/陽忍 ●登場人物/ガロまたは枯木兵庫(ひとのこころを読み、陽炎の術を使う無敵の忍者) ●あらすじ/大摩のガロは、不死身の妖忍として恐れられている。攻撃をしかけた伊賀者たちは、ことごとく殺られていた。残された仲間たちは頭領の命により、結界を張りガロの動きをふうじこめようとするが…(第1話)。▼結界の網はひとつづつくずされていたが、やがて枯木兵庫という浪人者がガロとして浮かび上がってきた。孤児の小助と暮らす兵庫のところに、サネという男がいつきはじめる。それは「やませの法」を行う伊賀の忍者だった(第2話)。●本巻の特徴/第3話で奇跡的に生き残ってから、ガロは攻撃をうけたときのみ戦うという殺し方にかわり、領民のために知恵を貸し力をつくす。不死身といわれたガロだが、皮肉にも催眠の暗示によって、かわいがっていた子どもたちに全身を刺され、死亡する。ガロを主人公とした一連の作品(第1~8話)と催眠術や変装にまつわる短編4作を収録。●その他の登場キャラクター/四貫目(第1、2、3、7、8話)、小助(第1、2話)、サネまたは天心(第1、2話)、ハンザキ・兄(第4話)、ハンザキ・弟(第4、5話)、水鬼(第5話)、露木道人(第6話)、根来のワラワ(第6、7話)、五十里百方斎(第9話)、加当段蔵(第10話)、妙庵(第11話) ●その他のデータ/登場する忍術~陽炎の術(第1話)、穏形の法(第1、2話)、やませの法(第1、2話)、ギバチの術(第4話)、他心通の法(第5話)、言霊の術(第6話)、察相の術(第7話)、くぐつの法(第8話)、合気遠当の術(第9話)、桂男の法(第11話) エッセイ~小松和彦(大阪大学文学部助教授)
赤目
▼第1部▼第2部●登場人物/松造(力も才能もない農夫。妻を信平に殺され復讐心に燃える)。妙(松造の妻)。伊予守信平(横暴な領主。農民のことは人とも思っていない)。●あらすじ/永禄年間、領主の伊予守信平は横暴と搾取の限りをつくしていた。松造の身重の妻・妙は、「腹の中の赤子の様子を見てみたい」という理由で信平に殺される。追いつめられた農民たちが起こした一揆も悲惨な終末を遂げ、松造もけがを負い、倒れていたところを忍者に拾われる……(第1部)。▼信平の圧政は続いていた。食糧不足で騒動が起こることを見越した信平は、罪のない娘たちを虐殺して農民たちを怒らせ、農民たちが一揆の相談に集まったところを一網打尽にしてしまう。怒り嘆く農民たち。そこに、「この悲劇は、罪もない兎を殺した呪いだ」と説く僧が現れる(第2部)。
▼第1章/猿山(カミナリ/孤猿/伏兵/旅立ち/恋鳴き/逃げ水/帰還)▼第2章/谷地湯(道づれ/下剋上) ●主な登場人物/カミナリ(第一位のボス猿。メスたちからの信頼も厚く、確固とした地位を保つ)、ダルマ(第二位のボス。おっとりした性格)、キズ(第三位のボス。気性の激しい性格)、歯ッカケ(第四位のボス。四匹の中で一番若い) ●あらすじ/領地没収になった日置藩領内に、廃城をねぐらにする猿の群れがあった。第一位のボス・カミナリを筆頭に四匹のボス猿たちが群れを統括していたが、ある日、テリトリー内に一匹のよそ者が現われる事件が発生。さっそく第二位以下のボス猿が撃退に向かうが、あっけなく敗北し、ついにカミナリとの睨み合いとなる。よそ者は何を思ったか、その場は戦わずに森へと帰っていくが、その後も群れの付近につかず離れずで居座り続け…(第1章)。
ちびっこ天使
『魔法使いサリー』(作品発表時は『魔法使いサニー』)発表の2年前に『りぼん』(集英社刊)に連載された『ちびっこ天使』が、待望の電子書籍化!! 世の中の善悪を知らない二人の天使、チルルとマルルが事の善悪を知るため、天帝から地上に遣わされます。はじめての人間社会で、二人が体験する出来事とは……。雑誌掲載時のカラー44ページを復刻し、掲載当時の各話扉も完全収録!! 巻末エッセイ:関 弘美(『おジャ魔女どれみ』『ふたりはプリキュア』『明日のナージャ』プロデューサー、東映アニメーション企画製作本部企画開発スーパーバイザー)
勇者ダン
両親をなくしたアイヌの少年コタンは、トラのダンに助けられた。アイヌの老人のもとで修行をつんだコタンは、アイヌの秘宝のカギのひとつを譲り受けた。秘宝をめぐって、コタンとダンの冒険が始まる。傑作冒険漫画!!
漫画映画の製作に情熱をもやす宮本武蔵と佐々木小次郎!武蔵の努力か、小次郎の天才か……ふたりは、どちらがよい作品を作るか競争をはじめた!手塚先生が、アニメーションに対する愛情をこめて描く青春感動編!!
エンゼルの丘
人魚のすむエンゼル島。島の王女ルーナは、掟にふれ、海に、流されてしまった!日本青年英二に救われたものの、ルーナの記憶は失われていた。何もわからぬ王女に、陰謀の魔手がせまる!!傑作長編ロマン、第1弾!!
まぼろし探偵
富士進は少画新聞の少年記者である。しかし、その正体はひとたび事件が起きれば赤い帽子、黒いマスクに黄色いマフラー姿に早変わりし、悪人を超人的な力でやっつける「まぼろし探偵」。その秘密は誰も知らない…。今日もまぼろし探偵は難事件に立ち向かう!釣りをしていた富士進はけが人を釣ってしまう。そのけが人は丸の外警察署長に瓜二つだったが、丸の外警察署にはちゃんと署長本人がいた。まぼろし探偵は事件の真相を探り始める…
ジュードーくんと呼ばれる少年・若草十郎六段は、世界柔道選手権大会で優勝。その祝賀会の帰り、謎の男たちに襲われるが、それはインドに柔道の先生として来てほしいインド高官の企みだった。後日、妹のエミと共にインドに到着した十郎は、インドの高官であるポーダの命を狙う秘密結社に、ポーダ共々狙われる。異国での危機に十郎たちは!?
邪剣破れたり
平田弘史の貸本期作品。1959(昭和34)年に発表された『邪剣破れたり』と『肉剣』を収録。若虎城松千代君の剣道指南役をめぐり、兄弟子そして師を斬った戸川源四郎。一方、二人の兄弟子に代わり指南役となった播間龍之進。居合抜刀術の源四郎と無想動殺流の龍之進。対峙する二人の勝負の行方は…(『邪剣破れたり』)。剣に生きる男たちの壮絶な生き様を描いた2作品。
ブラック団
世界一まぬけなギャング、それが「ブラック団」。親分の可藤骨臓、通称カポネ。でぶでぶおへそがハートのタロー。顔に向こう傷のあるジロー。いまだかつて一度も作戦が成功したことのないおまぬけギャング三人組だけど、なぜか鬼刑事ヒゲトラには執拗に追われてしまう。クソー、みてろよ、今日こそ作戦を成功させてやる!
良かった点 ・向いていない奴は早めに諦めてもらい違う道に行くが良いというのがよくわかる ・作中にある作者の文が面白い ・忍者の修行のスピード感が最高 総評 第1部の最後でどうなるかと思ったら第2部でちゃんと回収して終わるし全1巻なので短い時間で読めるので良い。 タイトルの赤目とは忍犬ではなく兎のことだった