合格のための! やさしい三角関係入門

誰か一人を選べぬ苦しみを知る #1巻応援

合格のための! やさしい三角関係入門
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

タイトルはコメディ調なのに、読み進めるごとに切なくなる物語。登場人物皆が心の奥底に何かを隠し、その感情が昂る瞬間に、胸が苦しくなる。 登場人物は ●憧れの先輩を追って難関校受験を目指す中3女子・真幸 ●真幸の家庭教師になる高1の凛 ●真幸の憧れの先輩で、凛の親友でもあるあきら 主人公は真幸のように描かれるが、物語のキーマンは、家庭教師の凛。 彼女は実は「複数の人を愛する女」。そのことは誰にも理解されず、ずっと仲良しだと思ってきた大切な仲間も、傷つけ失ってしまう。その過去話も、辛い話だ。 〈倫理にもとる〉本能を持つ人の、絶望的な感情……傷つけたい訳ではないのに、存在するだけで誰かを傷つける、という凛の苦しみは、とてつもなく切ない。救われて欲しいと思うが、そのために越えるべき〈倫理〉の壁は高い。 そんな過去故に、もう友人は作るまいと思って来た凛だが、思いがけずあきらという親友を得て、さらに生徒の真幸に自分を肯定される。 意図せず新たに生まれた、大切な「三人の」関係。1巻にしてもう、波乱の予感しかない。凛と真幸の危なすぎる距離、親友としての凛とあきらの関係のおぼつかなさ、そして凛の生徒が後輩の真幸である事を、あきらが知る時は来るのか……この困難、この複雑さと切なさ、2、3巻程度で「やさしく」完結する筈がない……のか?

魔少年ビーティー

荒木飛呂彦 格闘の歴史①

魔少年ビーティー
TKD@マンガの虫
TKD@マンガの虫
1年以上前

『ジョジョ』の荒木先生の初連載作品 作品の雰囲気はロマン・サイコホラーと言った感じです。 正義漢でもなければ悪役でもない ダークヒーロー的な造形の主人公のビーティは当時のジャンプでは相当新しかった のではないでしょうか? 荒木先生が同じ歳で『キン肉マン』を描いたゆでたまご先生に負けないために自分の個性を探っている時の作品で、当時ではあまりなかった『バビル2世』風の知力を使っての戦いと高橋葉介先生風のロマン・サイコホラー に影響を受けて作った大クセ漫画です! 『ジョジョ』に至るまでの荒木先生の格闘が窺える荒木ファン必見の作品でだと思います! この格闘は次回作の『バオー来訪者』に引き継がれていきます!

青い空を,白い雲がかけてった

この題名、読後に心にしみてくる

青い空を,白い雲がかけてった
名無し
1年以上前

主人公の日常生活を中心にした一話完結的話の連載形式で、 古い漫画だけれど当時としては斬新なギャグも出てきたり、 ちょっともの悲しい話も交えたりしながらの、 読後には心が温まる、そんな漫画でした。 いまでも何かをキッカケに思い出すことがあります。 抜き打ちテストを連発する先生とか、 飼い猫についての話とか。 最初はギャグが面白くて読み始めたけれど、 ギャグ話で日常生活感が壊れることもなく、 話のシリアスな部分を壊すこともなく、 各話ごとに面白くて考えさせられる話で、 何度も読み返しました。

鴨居まさねコレクション

鴨居まさねの歩みを振り返るコレクション

鴨居まさねコレクション
かしこ
かしこ
1年以上前

描いた順番でいうと「お願いだから」「緑茶子ちゃんのこと」「秘書・恵純18歳」になる。連載デビュー作の「秘書・恵純18歳」は最初の構想では恵純が20歳で結婚するまでを全3巻で描く予定だったらしい。だけど途中から同じヤングユーで『SWEETデリバリー』『雲の上のキスケさん』を並行連載し始めたので続かなかったとか。他の2作品はしっかり完結してるのでちょっと勿体無い気がしますね。「緑茶子ちゃんのこと」には高橋由佳利先生が「トルコで私も読んでいた」を特別寄稿されていてテンション上がりました。お二方とも大好きな作家さんなので嬉しかったです。出来ることならタイムスリップしてヤングユー読者になりたい…。

繭、纏う

その伝統は「絆」か「呪い」か

繭、纏う
六文銭
六文銭
8ヶ月前

百合といわれれば、そうなのかもだけど、その言葉でくくってしまっては表現しきれないものが沢山ある。 本作は、そんな作品。 舞台は、代々卒業生の「髪」で縫い上げた制服を着るという伝統がある、女子校。そこで過ごす女学生の群像劇。 卒業生の「髪」で制服をつくる…若干ホラー臭がしますが、そんなことはありません。 むしろ、その女学生の髪の毛、女性の命ともいえる髪が1本1本美しく、それこそ生きているかのような描写に息を呑みます。 恐怖よりも、そっちが強いです。 そして全体的に漂う、どこか儚い雰囲気が、この伝統とよくマッチしてて、物語に惹き込まれてしまいます。 随所に散りばめられた繊細で詩的な表現が、また良いのです。 百合か~と避けていた人、百合は少し苦手~という人にこそ、おすすめしたい作品です。 美しさの中に、少しの狂気を孕んだ展開にゾクゾクして続刊が気になりますよ。

常世幽世 GHOST EATER

ギャルと事故物件

常世幽世 GHOST EATER
名無し
1年以上前

続編と知らずここから読んでしまったので、最初の方はなんか説明不足だなぁと思いながら読んでしまった。あと主人公の鈴にあんまりギャル感がないのも期待と違った。 けど最後の鈴の姉の祀が出てきた話はかなり面白かった。滅びた山奥の山村を支配するミイラっぽい神さま…リアルに居そうな土着の神さま感がすごく良い。 途中、福助でおなじみの溶けた肌の表現があって、福助ファンとしては「おおっ」と嬉しくなった。前作のとこよかくりよの方も読んでみたい。

いまかこ

気になる・・・。

いまかこ
干し芋
干し芋
1年以上前

今ちゃんみたいに、聞こうと思わないのに聞こえてくる音って精神的にかなり辛いよね。 理解者も少ないだろうし。 そういう意味では、鶴見先生と出会って共有できてよかった。 一巻で完結かしら? 渦子と今ちゃんのお母さんが似ているってところ話が広がるかと思った。 あと、渦子・・・。 渦の子と書いて『カコ』。 渦に消えて、元居た場所に戻ったのかな?

江戸城再建

これはワクワクする…!

江戸城再建
さいろく
さいろく
1年以上前

この漫画はベンチャー企業に務めた経験がある人には刺さるんじゃないだろうか。 もちろん、それ以外の人にも普通に面白いし、ザーッと流し読みするだけでもどうなっていくんだろうと展開が気になってくると思う。 物語の大半は主人公である堀川が「自社役員会」や「取引先」ひいては「国民」「皇室」を相手取って立ち振る舞う大活劇。 (皇室を相手取るというと不敬に聞こえるかもしれないけど他意はないです) 実際にハードルとなるのはどういうところなのか?現代に江戸城再建したい、しかも皇居内に、となると「そういう問題もあるのか」と全く知りもしなかった障壁がどんどん出てくる。 もちろん日本という国のもとに生まれ育った日本人ならではの感性であったり、東京で暮らしている人たちは肌で感じているであろう皇居という存在と尊厳の重要さ、さらには現代におけるジャパニーズエンペラーが世界中にとってどういった可能性を持つ存在なのかをしっかりと描いてくれている。 モニュメントがない!と言われる東京。東京タワーやスカイツリーなんかはあくまで高い塔で、心で支えられていない。これも他意はないんだけど、日本という国の象徴にはならないであろう。 何故なら日本の象徴は皇居内にあるもので、目に見えているものではなかったりするから。この曖昧さが逆に日本人の自由さかもしれないけれど。 色々と考えさせられるし、堀川の背景も深いものを感じる。 適当に取って付けたような設定ではなく、本当にやろうとしたらこうなるだろう、こういうのが必要だろう、というのがしっかり描かれていてとてもとても興味深い(本当に足りてるかはわからないけど) あとテンポもいい、すごくサクサク進むし、面白い。 これを学生時代に読んだ若者の誰かが偉業を成してくれると日本の未来は明るいだろうな。 追記:1巻のあとがきにある「誕生秘話」がちょっと良い。こういう感じならここまで真剣なのも納得できるなと思った。

下のほうの兄さん

ふたなりだけど百合じゃないなら無問題! #1巻応援

下のほうの兄さん
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

「ふたなり」は百合にとって、最大の禁忌の一つ。それ故にこの作品を試し読みした百合好きは、嫌悪の眼差しを向けるかもしれません。 また、そういう禁忌を超えた、新たな百合(?)が待っているのかも、という期待も、ラストに軽く打ち砕かれます。 そう、この作品は、百合ではありません! ……だとしたら、ふたなりでも問題なしですね!物凄く生々しくお下品な下ネタギャグを、心置きなく堪能していただきたい。 (補足すると、百合的な部分はネタとして笑いに昇華されていくので、百合ギャグ作品として捉えても全然アリだと思います。百合と捉えるかどうかは読む人次第という事で、ひとつ) とてつもなく古い一族の男系継承を守るため、亡き兄のイチモツを移植された女子高生と、彼女の為にあたふたする親友のお話……もうこの時点でどうかしている……。 ふたなりの秘密も命を狙われる危険も、とにかくあっけらかんと描き、イチモツのグロさも「グロい、グロいよ!」とギャアギャア笑いにしてしまいます。これが可笑しいんだ……。 女子高生の言葉と共に動くイチモツが、段々可愛く思えて来ます。横山まさみち先生のオットセイを思わせる、生きているみたいな?イチモツ表現は、意外とBL読者に親和性が高いかもしれません。あとは『寄生獣』が好きな方とか。

愛がなくても喰ってゆけます。

美味しいものへの愛で生きている

愛がなくても喰ってゆけます。
野愛
野愛
1年以上前

読むとお腹が空いてくるけど精神的満腹感を得られる不思議な漫画。 Yなが先生の美味しいものを追求するその姿勢に、マシンガンのように放たれる食レポと蘊蓄に、豪快な食いっぷり呑みっぷりに圧倒されて…いやあ食った食った、みたいな気持ちになります。 でもお腹は空いている。 食に対する姿勢の違いで恋人と別れたお話がありますが、これはなんかわかる気がします。美味しいを同じテンションで共有できるのって大事だよね…だって死ぬまで飯は食うもんね!と思いました。 愛がなくてもなんてタイトルにはなっていますが、ここまで愛して追求したくなるものがあるYなが先生かっこいいです。 うなぎとベーグルめちゃくちゃ美味しそうです。やっぱりお腹は空いている。

愛しのアニマリア

全人類必読~なオラミちゃん

愛しのアニマリア
六文銭
六文銭
1年以上前

同著者の『ワニ男爵』で、その唯一無二な笑いの感性にやられた者です。 その特徴は、大笑いする感じではなく、クスリというか、じわるというか、独特の言語センスが染み込む笑いを提供してくれるのです。 本作『愛しのアニマリア』も、同じ流れを踏襲しつつ、ワニ男爵よりもややテンション高めに設定されて、個人的にはドツボでございます。 握力500キロラブを筆頭に、主人公オラミが最初はネタキャラだと思っていたのですが、なんだか段々可愛く見えてくるから不思議。 ケダモノなのに、もう可憐な乙女です。 思い人の隣に住むオジサマに振り向いてもらうため、一途に、けなげに想いをぶつけていくのです。 (物理的にも。壁に穴とかあけちゃうし。) また、オラウータンだけど、ギャルっぽい言葉遣いなのも一周まわって良いです。 親友フリルとのかけあいが最高です。 恋する乙女は無敵なのだと痛感します。色んな意味で。

ケムリが目にしみる

SE(システムエンジニア)の仕事マンガとして読んでしまった

ケムリが目にしみる
客先SE
1年以上前

あらすじには書かれてないけど、主人公が勤めている会社が中堅のSE会社なんですね。自分もシステムエンジニアかつ喫煙者なので、SEの仕事ぶりの描写に興味津々でした。細かいところで気になる部分はあるにせよ、オフィスラブより職場の人間模様だったり、タバコや恋愛のメインテーマからは少し離れて、主人公が技術者と積極的に関わるようになり、少しずつ成長していく物語として、自分は読みました。SE業界では、なぜ未だに喫煙者がこんなに多いのか?とても客観的に見ることができました。客先常駐の実情、本社開発部門との待遇の差、職場でのエンジニアと非エンジニアの関係性などなど、どうしてもそちらに目が向いてしまいますが、そこに本筋よりも面白さを感じましたね。細かい所だと、顧客との機能追加打合せの場で、「テーブルに2カラム追加すれば対応できます」と安易に答えてしまうシーンには苦笑いしました。全体として、中堅SE会社の雰囲気というものが非常によく現れていると思います。容姿など見た目の部分を除けばですが、SEという仕事の内情を知るのにも良い作品じゃないかと思います。

政宗さまと景綱くん

ゆるくて笑えてためになる

政宗さまと景綱くん
名無し
1年以上前

政宗と景綱といえば「景綱が政宗の目を抉り出した」エピソードは有名で、戦国時代に詳しくない自分ですら知っている。とは言え、筆まめだったとか、やらかしたあと死装束で謝りに行ったとか、美食家だったとか…政宗については断片的に知ってるとのの、景綱との関係やその生涯の歩みはキチンと知らなかったので読んでみた。 13歳で結婚してたとか、奥さんの愛姫が坂上田村麻呂の子孫とか、毛虫を模したかざりを兜に付けてた臣下がいたとは知らなかった。5歳でめっちゃ賢いこと言ったりして片鱗現しまくりだったんだなー。 絵が可愛くてギャグも面白いからゆるく楽しめた。

荒野に煙るは死の香り

お洒落な西部劇×ダークファンタジー!

荒野に煙るは死の香り
たか
たか
1年以上前

かねてよりファンだったザキコ先生が商業で単行本を出されていることに気付き買った作品。絵は言うまでもなく超美麗…!主人公のドールのような顔立ちと、虹彩の筋が美しいガラス玉のような瞳にはうっとりしてしまう。 舞台はダークという怪異が蔓延る19世紀のアメリカで、「西部劇×ダークファンタジー」という世界観が超スタイリッシュ。スティール・ボール・ランとD.Gray-manを足してゼロサムで割ったという仕上がりで、ハマる人には絶対ハマるお洒落でかっこいい作品になっている。 全2巻と短いけどすごく雰囲気があって、もっとこの世界を見ていたかった。

ジジジイ GGG

怪盗パルクールじいさん

ジジジイ GGG
ひさぴよ
ひさぴよ
1年以上前

やや近未来の怪盗モノ漫画。 70歳の爺さんなのにやたら足が速くて、安いモノしか盗まない泥棒、ハープが主人公です。 都会の中を縦横無尽に駆け回り、随所にパルクールのような動きが取り入れられています。 盗みを働いては刑事に追われつつも、市中の人達を助ける、言うなれば人の心を盗んでいくタイプの怪盗です。 と言っても、1話目の万引きエピソードにはややドン引きでしたが。そこ以外はハートフルな話ばかりなので、安心して読めます。爺さんのとぼけた演出がなければ、もっとスタイリッシュで格好良い漫画になってたと思います。

桜の森の満開の下 清原なつの初期ベスト自選傑作集

りぼん時代の名作集

桜の森の満開の下 清原なつの初期ベスト自選傑作集
名無し
1年以上前

りぼんに描かれた初期作品がまとめられています。最初はりぼん掲載とは思わずに読んでいたので後から知って驚きました。かなり自由ですね!でもこんなにユニークな話を読んで大きくなったりぼんっ子は幸せだなぁと思いました。男の子にフラれて動物園でふてくされてた女の子が30年ぶりに初恋の人と再会してゴジラを観てきたおじいさんと出会う「ゴジラサンド日和」と、朝起きたら男の子の背中に天使みたいな羽が生えていて飛んだり出来るようになったけど実は宇宙人の仕業だったという「飛行少年モッくんの場合」が自分は好きでした。どういう人がこの話を描いたんだろうと気になった方は、自伝的猫コミックエッセイ「じゃあまたね」を読まれるといいと思います。「花岡ちゃんシリーズ」の蓑島くんがなぜハゲ頭なのか理由も分かりますよ。

ハルソラ行進曲

工業高校がカワイイ…だと…?

ハルソラ行進曲
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前

こちらの作品、工業高校が舞台なのだが、男子がほぼ出てこない。汗臭くもなければ、あんまり油臭くもない……工業高校を舞台にした、カワイイ学校生活物。 意外とリアルだな、と思うのは、工業高校に入る人が皆、物作り大好き!とかではないところ。 ●物作りガチ勢の若乃は技術はあるが、物作りが好きすぎて暴走。余計なことをする。 ●強い吹奏楽部に入るために学校を選んだやなぎは、部活以外はポンコツ。 ●就職に有利そうだと学校を選んだ朱莉は実は男子が苦手。どうしてここを選んだ…… ●ふんわりお嬢様のサヤは機械大好き。そして朱莉との距離が近い百合担当。 一年生の四人は、実習からPCまで工業のエッセンスを広く浅く学ぶ。マニアックな事は出てこないが、色々な事が出来そうな夢が広がるのが楽しい。 一方部活については、四人は様々。熱心に吹奏楽部に打ち込むやなぎ。水泳部を作ろうとする朱莉と、彼女を支えるサヤ。部活はいいやと物作りの事ばかり考える若乃。それぞれの方向に頑張りながら、互いを応援し合う四人はとてもいい感じ。 一年生の終わりで、それぞれの進路選択をするまでの全二巻。工業高校らしさもカワイさに変換し、何とな〜く工業高校が楽しげに見えてくる作品として、男女問わずおすすめしたい。

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