D.ダイバー

裁けぬ悪を裁く闇焔のヒーロー #1巻応援

D.ダイバー
兎来栄寿
兎来栄寿
10ヶ月前

『ホーリーランド』『自殺島』『創世のタイガ』の森恒二さんが送る最新作。 世の中、法律では裁けない悪人というのがいます。人間の作るルールは完璧ではありませんし、それを遵守させることもまた難しい。従ってどうしてもその網目から抜け出す者はいます。ルールに従い、真面目に生活している大多数の人間にとってはたまったものではないのですが。 そうした理不尽が現実に存在するからこそ、フィクションの世界では社会のシステムだけでは裁けない悪を懲らしめるヒーローを描いた作品が古から人気を博してきています。 本作は、大学で法律を学ぶ青年・カグラが、他人の夢に入ってゆける能力を使って悪人たちを懲らしめていく物語です。 家事で家族を亡くしてしまったが故に炎を憎みながら、なぜか炎を愛おしく思うカグラ。彼がなぜそんな能力を身につけるに至ったのか、その理由も興味深いです。一見すると普通の好青年に見えるカグラの底にある危うい部分が物語を引き締めるスパイスになっており、森恒二さんらしい味わいも生み出しています。 夢の世界での出来事が現実にも影響していくことを利用して、カグラは夢の中でさまざまな犯罪者とやり合っていきます。犯罪者たちの思考や行動など、非人間的なディティールも流石です。 そして、他人の夢に潜るというファンタジー設定がありながらも、やり合う方法が物理的な格闘というのもまた森恒二さんらしいです。カグラが空手の経験者であるのも、どこか安心します。 『ホーリーランド』を読みながら回し蹴りなどの練習をした私は、本作も応援しています。

くちづけのあとも敬語を続ければ

ちょっと難しかったかな?

くちづけのあとも敬語を続ければ
名無し
6ヶ月前

難しいというのは漫画の内容ではなく、短歌の意味とストーリーの関係性。 短歌は「くちづけのあとも敬語を続ければ あなたの森で迷わずに済む」というものなんだけど、この短歌の意味そのものがこの漫画の内容だと思って良いんだろうか?そこがあまりピンと来ずでした。漫画は普通に好きだった。

ヘレナとオオカミさん

台湾コミック応援

ヘレナとオオカミさん
名無し
10ヶ月前

台湾のマンガ家さんだけど日本っぽさ全開の絵柄で上手。 話の内容も最終的にこうなるといいし、そうなるんだろうなーと思って安心しながら読める。 レベルの高い描画力と雰囲気のある頁。 でもソレしか無いなぁと辛口評価をせざるを得なかった。 日本の漫画好きとして斜に構えてしまってる前提だけど、 展開やコマの結びつきの不自然さが目立つし、台詞回しの不自然さ(これはもしかしたら翻訳?の問題かもしれないけど)物語の流れの作り方に対する納得度など、ツッコミを入れながら見てしまうところが多かったし、致命的なのは物語に意外性がなすぎるところかな(狼作家の見た目で意外性持たせたり、キャラクターの強さに完全に負けている) 読んでいて改めて日本の漫画編集者のナレッジ的なものが如何に強くて重要かを感じた。本作も日本のマンガ編集がついてるんだとは思うけど、もっと磨けるんじゃないかって偉そうに思ってしまった。 ただ、これは大抵の海外のマンガ作品に同じように感じるので(コマとコマの間の空気などがなく、アメコミ的にフキダシに詰め込む+見せたい画角で描いた上に台詞を載せているだけでは?と)そもそもの造りたい形が違うのかもしれない。 結論として、私がやっぱり斜に構えてしまっているのだとは思う。

メガロザリア

美しい女たちが素晴らしいテンポで描く誇大妄想狂物語

メガロザリア
さいろく
さいろく
10ヶ月前

すごいスピード感、美しい女性キャラたち、下劣な貴族の描写 そして魔女。 中世のイメージそのままに、メガロマニア(誇大妄想狂)と主人公ロザリアの名前をかけたものと思われるタイトルに相応しい内容。 あと、なんとなく本作の造りが面白いなと思った。 魔女の魔法発動の"条件"であったり、進撃の巨人の登場人物のようなキャラ設定だったりがうまく噛み合っていて、スリルというか不気味な爽快感と疾走感がある。 最近流行りのほんわかオマケ漫画が数ページついていたりして、和ませようとしてくる裏面も見せつつ表舞台ではロザリアを筆頭とした殺戮が繰り返されている。(なんとなくここはギアスっぽさを感じた) 他にも絵柄が少し鈴木央センセイっぽいのでディアンヌっぽく見えたりして、色々とオマージュというか親しみのある作品ばかりで形成されたコラージュ作品を見ている時のような感覚がある。 もちろん、読んでいる時にずっとそうなわけではなくて、あくまでその瞬間瞬間でフラッシュバックされるだけなんだけど。 いずれにしても、続きを早くくれと思う作品。

ヤニねこ

ジュンク堂書店池袋本店にデカい壁面ポップが

ヤニねこ
さいろく
さいろく
10ヶ月前

次にくるマンガ大賞2023、1位!? すごいなヤニねこ! と思ったらちっちゃく2が挟まってました、12位です。 全てがゆるい。 そしてコンプラ的にはR16+ぐらいでいいと思う。 下品である。でもこれが面白いよねっていう歳の人向けである。 読みもしない叩くだけの人に潰されたりしないといいなぁ。。。と心配してしまうぐらい。

ラーメン発見伝

読み返しても最高だった

ラーメン発見伝
さいろく
さいろく
10ヶ月前

再遊記が出るたびにイチから読み返したいなと思っていたので満を持して読み返してます。 やっぱり根っこはコレぐらいのニュアンスだったよなーとホッとしちゃう。 発見伝→才遊記→再遊記 と繋がっていて、再遊記で主人公になった芹沢の方が有名なキャラになってしまったけど、藤本は藤本で爽快なキャラで好き。 時事ネタや流行を率先して取り入れているため、描かれていた時代を感じられるのも読み返すメリットですね。

黒田・三十六計

未完

黒田・三十六計
名無し
10ヶ月前

多分、黒田官兵衛の生涯をたどりつ、中国の兵法三十六計を、物語にする予定だったんでしょうが、雑誌の廃刊で中断してそのままに。 兵法がえげつないってのもありますが、主役の黒田官兵衛がすごく嫌なやつである。目的のためには人命なんか無視してるのに、命が大事だと涙したり、二重基準が平気な人。 物語的には、信長が死んで、秀吉が天下を取るってところに、差し掛かったばかり。史実では官兵衛は生き残って、福岡に領地を得ることになります。 もしかしたら、官兵衛の人間的成長が、秀吉ー家康時代のどこかで起きるはずだったのかもしれませんが、全ては途中で終わってしまう。

鴻池剛の4コマ漫画 黒歴史

ぽんた好きをこじらせて鴻池剛作品は全部好きだと思ってた

鴻池剛の4コマ漫画 黒歴史
さいろく
さいろく
10ヶ月前

思い込みはよくない。 本作は、鴻池剛センセイがどんな作品を産んできたかを理由も含めてしっかり振り返る主題があるんだが、過去作もちゃんと見せてくれる。 そしてその過去作・・・マジでコレはアレです。仕方ないね。 なんでマンガ描いてるかっていう理由の部分の根っこはこのメガネの友人に面白いと思わせる・笑わせることなのだそうだけど、正直マジでツラい。特に前半〜中盤。オモコロすごいな、よく続けさせたな。 が、それらの過去があって今の鴻池センセイがあるのだ。 よかった、ありがとうオモコロ。

アンミックス 当麻ゆいこよみきり集

新進気鋭のセンス溢れる短編集 #1巻応援

アンミックス 当麻ゆいこよみきり集
兎来栄寿
兎来栄寿
6ヶ月前

当麻ゆいこさん、新連載の「超局地的つぶ!」が始まると共に待望の作品集が発売となりました! 待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。 表題作である「アンミックス」と、その次の「雨上がりのピィちゃん」だけは続き物で、 ″双子の近くには異星人がいる″ という独特の設定を描いた日常系SFです。 擬態して地球人に紛れ込んでいる異星人もおり、友好的な種から敵対的な種までさまざま存在しているという世界を舞台に、一卵性双生児の新と朔が異星人と関わったり影響を受けたりして暮らす様子が描かれます。 暖かさと不穏さが同居するこの2話からして独特のセンスが溢れていることがうかがえます。 そして、その次の「アルパカおばけ」でそれは更に加速します。アルパカのストラップに3年前に死んだ元恋人が宿るストーリー。見た目は滑稽でかわいらしいですが、宿る感情は切実そのもの。溢れる想いに感じ入ってしまいます。当麻ゆいこさんはモノローグに味があり、読後感が非常に良いです。 浮遊体質がある女の子とその幼馴染の絆が描かれる「祝福」は、メインの二人の個性と関係性だけでご飯が食べられます。大変美味しくいただきました。 最後の「フラワーシャワー」も独特の設定とヴィジュアルで楽しませてくれる作品です。そして、最後のモノローグがまた良いです。 Unmixはmixの逆で分離させること。この1冊の中で繰り広げられている物語たちにとって意味深いタイトルとなっています。分離はしても、隣り合ったままのものもあるこの世の中のさまざまなものに想いを馳せます。 フレッシュな才能が生み出す少し奇妙だけど優しい世界、覗いてみてはいかがでしょうか。

忍者と極道

主人公は忍者側

忍者と極道
ゆゆゆ
ゆゆゆ
10ヶ月前

なんでだろう。 どっちが正義でどっちが悪か、わからなくなる。 忍び側が正義かと思いきや。極道を潰すための人材の出し方が、よくある悪役的。 そして極道を半端なく殺ってる。生首だらけだある。 極道側は語られた歴史からみても、どうみても悪役なのに、信頼した上の人たちを忍者に殺された恨みを持つうえに、上に対する信頼が半端なく、仁義貫いて死ねるなら本望!という人たちがズラズラ。 なんだろう、どういうことだろう、何だこの展開はと読み続けて今4巻目。 感想はこれから変わるんだろうか。 それから、あらすじの殺伐感と、本編の緩急のギャップがまた良い。 情に流されたら負けるという、なかなかわかりやすい布石も相まって、戸惑いつつもこれからの展開にワクワクしてしまう。 ちなみに感想を書こうとして、マンバランキングのプリキュア漫画1位に笑ってしまった。 要所要所で、プリキュアてきな「プリンセス」シリーズが出てくるので、間違えてはいない気がする。 それに、プリキュアも戦うし、この漫画も戦っている。

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