イムリ

頭おかしくなるくらい圧倒的に壮大なSFファンタジー

イムリ
ピサ朗
ピサ朗
7ヶ月前

地球とは異なる惑星で暮らす、奴隷民族であるイコル、支配民族であるカーマ、そして先住民にしてタイトルのイムリ、これらの戦争が描かれていくのだが、 三民族それぞれの文化、いわゆる魔法に相当する技術、支配種族の権力闘争、逆転に次ぐ逆転が続く展開、とにかく徹底して「世界」のディテールが細かく濃い。 ハッキリ言ってこのディテールの細かさは間違いなく人を選ぶ。 巻末で登場人物紹介や用語解説が掲載されているが、独自用語で耳慣れない単語が多いもんだから、別ウインドウ表示か小冊子にして読みながら確認させてくれと言いたくなるし、世界設定の説明や大まかな登場人物紹介と序章に当たるストーリーに3巻を費やしていので、ストーリーが動き出すまでも遅く、正直序盤はじれったい。 しかしほとんど説明なのにめちゃくちゃ中身が濃いし、後から見るとこれでも足りないくらいで、スケールのデカさに戦慄する。 最低3巻読まないと殆どストーリーが動かないという展開の遅さなのに、一度物語が動き始めてからは息をもつかせぬ急展開の連続で、疲労感すら漂う重い展開の嵐だが、ある種の絶叫マシンに乗ったような気持ちよさもあり、それぞれの戦いの方法も見応えがあり、胸を打つ場面も多い。 序盤の展開の遅さとオリジナリティの高さ故の入りにくさはあるが、描かれていく世界史と陰謀、英雄譚に和平は非常に読みごたえがあり、間違いなくハマれる人はハマれるタイプの作品。

果ての星通信

雷に打たれても生きていたのに、宇宙人に連れ去られた恋人

果ての星通信
ゆゆゆ
ゆゆゆ
7ヶ月前

ただひたすらに、彼女のことを思うマルコをみていて、任期を終えたら10年前に戻っているのかなと思った。 むしろ、そう願った。 だって、細胞から入れ替わるかのように転移させられて、モスリにたどり着いたから、また元の世界に戻してくれるんじゃないかと思った。 それは閉じた星に住む生き物だからこその願いだと途中で気付かされた。 開かれた星では時が進んでいて、運が良ければ知り合いにだって任期中に再び会える。(最初は失踪するように消えるのは同じだけど) そして、10年間帰れないというどうにもならない事実がメインに描かれたのは最初だけ。上の人が決めたことは、どうにもならない。 描かれなくなった分、星をつくる仕事と合わせて様々な異星人の暮らしと歴史が描かれる。 『ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~』のモンスターたちのように設定はとても細かい。 設定だけで読切が作れそうなほど細かい。 次にくるマンガ賞にノミネートされるだけあって、深くて異星人とのやりとりがおもしろい。 所長の10年目はだれがそばにいるんだろう。

みなみけ

頭空っぽで寝る前に読む

みなみけ
六文銭
六文銭
7ヶ月前

これがおすすめ。 こういう日常系って雰囲気が重要だと思うんですけど、『よつばと!』もそうですが、本作も最高なんです。 タイトルのとおり南家の3姉妹、高校生の長女・ハルカ、中学生の次女・カナ、小学生の三女・チアキの日常を描いた作品。 ホントにそれだけ。ざわつくようなことは一切ない。 なんてことない、ゆる~い展開と、あまりごちゃごちゃしていない絵柄も相まって、寝る前に読むとアルファ波でまくって、リラックスできます。 ちょっと前にアニメなどあって、そこそこ有名になりましたが、まだまだ続いているので、忘れないで欲しい。 1年に1~2冊程度の刊行速度だけど。 あと、この3姉妹の両親問題(出てこないし、話にも出てこない)については考えると闇が深くなるから、考えないほうがいいです。 現実逃避したい人におすすめの作品です。

火ノ丸相撲

相撲でも王道ど真ん中

火ノ丸相撲
六文銭
六文銭
7ヶ月前

スポーツ、特にスポ根系の漫画って食指が動かなかったのですが、これは面白かった~。 なんとなく噂には聞いていた作品でしたが、予想以上に良かった。 低身長でも、横綱を目指す高校生・潮火ノ丸が主人公の話。 特に階級がない相撲の世界では体格がものをいうのだから、その道はどれだけ無謀で険しいかがわかります。 また最初は弱小高校から部員をあつめ仲間とともに優勝を目指す・・・といった、これもジャンプ三原則「努力」「友情」「勝利」に完全にのっとった王道ど真ん中。 でも、既視感が薄く、それ以上に相撲という競技そのものに興味がわいてくるから作者の底力に感服します。 国技であり、スポーツというよりも武芸的な意味合いもあるのでしょうが、主人公の相撲という競技に対する姿勢が美しいのも特徴。 可愛いヒロインがいるとかもないし、ふんどし一枚の純然たる男臭い漫画で、とにかく格好良くて熱くなります。 燃える漫画を読みたい方はぜひ、これをおすすめします。

不幸くんはキスするしかない!【電子限定かきおろし付】

幸運くんと不幸くんのカップル

不幸くんはキスするしかない!【電子限定かきおろし付】
るる
るる
3ヶ月前

最初は直哉の幸運体質で自分の不幸体質が軽減されることを目的に付き合い始めた幸多だけど、直哉の人の良さに段々と惹かれていく。 (そこに至るまでがちょっと自己中だとは思ったけど) 自分をただ利用してそこから悪用するような人ばかりだったけど、そのことを真剣に怒ってくれた幸多が特別になる。 個人的に直哉母がイケメンーーー😻😻😻 母と息子、似てて眼福。

冒険者絶対殺すダンジョン

ダンジョンが熱い今だからこそ #1巻応援

冒険者絶対殺すダンジョン
兎来栄寿
兎来栄寿
7ヶ月前

『ダンジョン飯』や『葬送のフリーレン』や『俺だけレベルアップな件』といった大人気作品のアニメ版でダンジョン攻略が現在絶賛放映中で、先日は弐瓶勉さんの最新作『タワーダンジョン』も1巻が発売し、いまだにTLでは『シレン6』が盛り上がっている世間がダンジョンに湧く今、最高のタイミングで満を持して発売されたこの『冒険者絶対殺すダンジョン』。 昔テクモの『刻命館』というゲームのシリーズが好きでした。普通のゲームは冒険者としていろいろな場所を旅するのですが、『刻命館』シリーズはそうした冒険者のような者たちを含めて侵入者を罠に嵌めて殺していくゲームです。罠によるコンボを作るのが非常に楽しかったですね(第1作はメモリーカードを9ブロックも使うので大変でしたが)。 本作は、まさにそんな『刻命館』シリーズのような楽しみを味わえる道満晴明さんの最新作です。 トラック事故で死ぬと冒険所に、落ちてきた飛行機のエンジンに潰されるとダンジョンのフロアスタッフに転生するという世界で、見事に飛行機のエンジンに潰されてしまったナハトとアイネのふたりが主役となり、毎回さまざまな方法で冒険者を待ち受けたり逆に自分たちが死んで復活(リスポン)したりする物語です。 道満晴明さんらしい、あっけらかんとした下ネタ(サキュバスに前立腺の位置を教えてもらったり、MM号が出てきたり)やメタさ(冒険者がエリクサー症候群で使わなかったエリクサーを回収して保管していたり、「ここだけSNSに拡散されたらやべえ奴〜〜」というセリフだったり)が随所に出てくるのも流石で好きです。マンドラゴラの描き方や設定ひとつとっても、これぞ道満晴明さんと膝を打ちます。 また、特に6話や14話などは短編で設定を活かしながら巧く落とすのが得意な美点もよく出ています。最後にブレイバーンのような最新のネタまで放り込んでくる辺りも流石です。 かわいい絵柄でありながらそこそこエロスとバイオレンスが盛られていますが、その辺り込みで美味しく食べられる方にはお薦めです。

鯛代くん、君ってやつは。

コミュ障の鯛代くんと可愛い蛯原先輩と愉快な漫研の仲間たち

鯛代くん、君ってやつは。
るる
るる
3ヶ月前

4巻まで既読。 ピュアーーー😻 憧れの蛯原先輩と近づけて喜ぶ鯛代くんだけど、 瀬賀くんの登場で自分の気持ちに気づいてしまった。 そして蛯原先輩が冷たいこと言いながらチョロくて実は世話焼きで優しい。 瀬賀くんはねー言葉発する前に一旦考えよう、うん。 肝心の意図が無言でそこに行き着くまでのネガティブな言葉の方を出しちゃうから誤解されるわ、あれは。 蛯原くん推しのはずがマネさんと? 伴内くんを始めとした漫研の仲間もモブの割になんか良いよねー。 人間的に「善」で好き。 伴内くんなんて画的にはカッコ良くないのにやたらと男前に見えるんだけどw 鯛代くん姉は最初はなんて強引なんだろうと思ったけど、キッズモデル辞める時にその場にいれなかった、もっとしてあげられることはなかったのか、の後悔含めた弟愛故だったのか。

霧尾ファンクラブ

一方通行ラブコメディー

霧尾ファンクラブ
Nano
Nano
7ヶ月前

裏表紙のこの言葉だけでもう心惹かれてしまった。めっちゃよくない? そして本編もよい~~!霧尾くんのことが好きな藍美ちゃんと波ちゃん。好きな人被るってつらい!?ばちばちにバトルをするというより、猫パンチみたいな感じで可愛く殴り合ってる感じがとてもいい。(ひとつひとつ可愛いけど、ちゃんとしっかり重い感じ…愛が) 「ふたりだからできることもある」ってのがまたエモくて最高で一生懸命な女の子可愛い好き~~~ってなります。この二人ずっといい関係性でいてほしい。霧尾くんも気になるけど。「藍美ちゃん」「波」この!呼び方の違い!!最高!!! 1巻ラスト(7話)で「はわ…」となってたら描き下ろしでめちゃくちゃ笑って情緒おかしくなっちゃった……。

来陽と青梅

来陽と青梅

来陽と青梅
寸々
寸々
7ヶ月前

友達だと思っていた子からのアウティング描写が辛く、読んでいてもメンタルをやられてしまうので気分が安定している時に読むべき。デビュー作で「自分から言葉にして伝えること」を描いていたのに対して、今作では他人からのアウティングを正面から描いている。 同性愛者当人である淳と同性愛者に人生を壊されてしまった心とのダブル主人公でやりたかったのかな…?と思うが、描き切れていない感じも。 現役大学生作家としてデビューした深山はな先生、まだ別の作品も読んでみたかったが、これを最後に筆を折ってしまったようで残念。

これから俺は、後輩に抱かれます

1冊で1晩の出来事とか斬新💦

これから俺は、後輩に抱かれます
るる
るる
3ヶ月前

3巻まで既読。 読んでみたら本当に1晩が1冊になってた。 そこに上手く過去の回想が入り込む感じで。 何年も両片思いしてた2人が濃い一晩を過ごしたら尚更忘れられないよね、って話。 そして驚くほどほぼ致してる😂 ほとんど二晩の出来事なのに時間は経っているから3巻では同棲。 (ただ会社内ではちょっとマズいと思うのです。)

恋する猫はなでられたい

クロネコが人間になったら

恋する猫はなでられたい
るる
るる
3ヶ月前

可愛い! こんな可愛い話にケモミミ、ハピエンとか最高過ぎた😻 クロネコのコテツはペットショップ店員の岡崎さんに片想いしてたら人間になれちゃったけど、耳と尻尾は残った状態。 中途半端なままだから告白もできずにいたけど、元々猫好きの岡崎さんだから真実を知っても受け入れてくれた。 それどころかモフモフと可愛がってくれる。 幸せそうなコテツもコテツにドキドキしちゃう岡崎さんも本当に可愛くて読了感も良き。(語彙力😓)

ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~

ゾンビだらけの世界でやりたいことをやる

ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~
六文銭
六文銭
7ヶ月前

ブラック企業で死んだような生活をしていた主人公。 ある日謎の感染によってゾンビだらけの世界になってしまい、そこで絶望するどころか、会社にいかなくてよくなった解放感で、これまでできなかったことをやっていこうという話。 荒廃した世界の中で、なんとも前向きな話。 ただ、自分もいつ死ぬかわからない状況になったら、将来とか老後とか考えずに今何をしたいかを優先するんだろうなと思うと納得できる。   ゾンビに襲われる描写もあるが、そういったパニックホラー的な話よりも、それ以上に「生きること」にフォーカスしている感じが良い。 主人公のブラック企業から解放だけでなく、友人のケンチョは本当はお笑い芸人になりたかったとか、 ヒロイン・三日月閑も、厳しい父親の教えから、やりたいことよりもやるべきことを優先されて生きてきたことからの解放も描かれたり、登場人物何かしら縛られていた環境や過去から脱却は、読んでいて気持ちが良い。 人間何かしら不自由だったり、制約があるなかで生きてますからね。 こんな世界にならないと、やりたいことを思いっきりできないのは弱冠悲しいが、だからそ登場人物たちが生き生きしている様がイイ。 読んでいて元気になる作品です。 アニメや実写化などメディア展開も華々しい作品なので、そちらもチェックしたくなりました。

王太子様、私今度こそあなたに殺されたくないんです! ~聖女に嵌められた貧乏令嬢、二度目は串刺し回避します!~

どうして田舎で平穏に暮らさせてくれないの

王太子様、私今度こそあなたに殺されたくないんです! ~聖女に嵌められた貧乏令嬢、二度目は串刺し回避します!~
ゆゆゆ
ゆゆゆ
7ヶ月前

聖女を害した罪で処刑となり、処刑前に相思相愛と思っていた王太子様に胸を刺されて死んだはずが、子供時代に戻っていた主人公。 生々しい記憶から、王太子とも聖女とも関わりのない生活を故郷の田舎でしようと思っていたのに、なぜかそうはうまくいかないようで。 二度目の人生、王太子の態度が悪すぎる。 聖女はなんだかやっぱり嫌な人。かわいらしいんだけど。 大どんでん返しで、ザマァで、ハッピーエンドになるんだろうなとわかっていても、不遇さがいたたまれない。 原作のほうも読んでみて、狂気の愛だなあと思ってしまった。

やれたかも委員会

題材はゲスいが謎にエモい

やれたかも委員会
六文銭
六文銭
7ヶ月前

およそ、男が集まって酒飲みながら話すようなシモい内容なんだけど、どこかエモいから不思議な作品。 やれたかも ということで 実際やっていない(やれなかった) という点が、ピュアに感じる点なのかもしれない。 大人の関係にならず、少年時代の初恋に近しい印象をうける。 また、ただのエピソードの紹介だけでなく、「やれた」か「やれたとは言えない」の評価をしてくれるのも面白い。 3人の審査員で、「やれた」と全肯定する人もいれば、「やれたとは言えない」を出して全否定する女性もいる。 そして、この女性が的確すぎて現実に戻されるのも一興です。 なにはともわれ、 やれなくても、その妄想だけで楽しめるのが男なんすよね。 その妄想がつまった1冊です。 まったくもって追体験できるようなものが、私の過去にはありませんが。

放蕩王子と囚われの獣 【電子限定特典付き】

囚われの戦士と王子の亡命

放蕩王子と囚われの獣 【電子限定特典付き】
るる
るる
3ヶ月前

アランの母親が違うのにも関わらず兄弟3人仲良かったのに、アラン母が息子を王にしようと画策したせいでアランは地下牢に収容されていたマタラの戦士サロウに頼んで一緒に亡命する。 マタラの土地に異分子は入れないからアランはサロウの婚約者として行動するけど、その内2人の間に友情以上の気持ちが芽生える。 アランはマタラのみんなに素性を話せたのかな。 アランの事情を知ってるからより一層ランベールは異教徒への対応を緩くしようとしてくれてるのかな。

はだしの天使

羽を捥がれた天使が地上に降りてきた

はだしの天使
るる
るる
3ヶ月前

靴職人ターナーが公園で拾ったイケメンは元天使のベニーだった。 人間界での常識や生活をターナーが教えていく中で2人の気持ちに変化が。 ベニーが長期旅行から無事に戻ってきたのに今度は天使としての記憶を消すためにミカエルが来て、ターナーとは関係が面倒なルシファーまでやってきた。 この辺りから誰が本当は誰で、みたいなのが理解できなくなった。 ベニーとミカエルは本当に兄弟なの? ルシファーはベニーのこと「自分自身」て言ってたけどどういうこと? 全く理解できなくて話の本筋に感情を持っていけなかった。

テトテトテ

読み進めるほどはまっていくと思う。

テトテトテ
Pom
Pom
7ヶ月前

トラックにはねられたと思ったら、拡声器が3人の目の前に。 毎日3人握手すれば、生きられる。簡単そうで初めて会ったばかりの人達。それは難しい。0時間際になると、拡声器が目の前に近付いてくるし、恐ろしや。 しかし控えめに言っても、読み応えあるし面白かった。 人付き合い苦手な子、社交的(に見える?)子、高校生の男の子。現実ではあり得ない出来事なのに読むほど引き込まれる〜どんな結末になるの〜 今のところ毎日握手出来てるけど、ここから話がもっと複雑化してくるとしたら、、人生、山あり谷あり。 どうなっていくのでしょう。

玉

通り過ぎてはいるけど

野愛
野愛
7ヶ月前

こんなことを言ったら主人公にぶん殴られそうだけど、非常に女の子だなあと思いました。 女の子であることを面倒くさく思ったり諦めたりうざったく思いながらも、自分の中にそういう部分があると気づいている感じ。自分の中にあるものも外にあるものもうざくて邪魔くさくて全部刺しちゃう感じ。自意識。 かわいらしくもあり恥ずかしくもあり痛々しくもあり、身に覚えがあるようなないような気持ちになります。 通り過ぎてしまった人もしくは理解できない人じゃないと、この作品をサラッと読み流すことはできないかもしれません。 通り過ぎてしまったつもりだけど、まだちょっとウワーってなる感じがあります。自意識。

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