誰にでも心当たりがある話
真似したら死ぬかも
最高の連載がはじまりました!!! おっとりもちもちしたOLのもちづきさんが、とんでもない量の飯を食べるだけ。 大食いの女の子が登場する漫画は珍しくないですが、もちづきさんは大食い(でもあるが)ではなくドカ食いをします。 脂質・糖質の高いものを一気にかきこんで、血糖値を爆上げして失神するみたいに眠る。もちづきさんは“これ”をやっています。 昼間は中田翔みたいなクソデカ弁当を食べ、夜も夜で同じかそれ以上の食事をしているので、食トレか?って思ってしまいます。OLさんて強豪ラグビー部くらい体力使うんだろうね……。 漫画の食事シーンって魅力的で同じものを食べたくなることが多いですが、ならなかったです!真似したら死ぬ!
戦後の金塊争奪サスペンス #1巻応援
『がんばれ元気』、『お〜い!竜馬』、『あずみ』などでお馴染みの、小山ゆうさん最新作。『颯汰の国』を挟んで、『雄飛』と同じ昭和の物語が新たに紡がれています。 本作は1953年の戦後間もない時代が舞台。大衆演劇の花形役を務める主人公の春子が、日本軍の大佐であった父が隠した日本再建のための金塊を巡る争奪戦に巻き込まれていくサスペンスです。 男剣士を凛々しく演じる美しく強い春子は、恩義のある座長のもとで何も知らず暮らしていましたが、ある日を境にその日常が崩れていってしまいます。ただ、戦後という時代もあり、ただやられるばかりではなく暴力に対し時に立ち向かって反撃していく姿もあり痛快です。 鴻鵠の志で金塊を隠した春子の父に対して、本当に存在するのかどうかも解らない「女神」(作中で金塊の隠語と語られる)を巡って、多くの人々が醜悪な争いを起こしていくさまは何とも言えません。 そしてまた、もし金塊が時の総理の下に首尾よく回っていったとしてもそれが正しく使われるかどうかは別の問題として存在するのもまた無常感を覚えさせられます。仮に総理が高潔な志で差配を行おうとしても、さまざまな思惑や柵が絡んだ政界でどこまで理想通りに事を運べるのか。栓なきことと解りながらも、考えてしまいます。 ともあれ、さまざまな勢力が互いに画策し合い息もつかせぬ展開で、誰を信用できて誰が信用できないのかも解らない春子の緊迫感がそのまま伝わってくるようです。 小山ゆうさんももう76歳ですが、筆に翳りは見えません。池上遼一さんも今月で80歳を迎えますが、皆さんお元気でい続けて欲しいです。
考えさせられる
考えさせられる漫画です
凄い漫画
銀河英雄伝説より良い
失った音と生きる意味を取り戻していく物語 #1巻応援
新鋭・草原うみさんの初商業連載作品です。 路草で公開されていた珠玉の短編をまとめた『mothers 草原うみ短編集』も6月に発売となるようで、併せて推したいです。 本作の主人公は、5歳からコンサートに出演し10代前半からプロとして活躍しながらも局所性ジストニアという脳の病が発症したことをきっかけにピアノを弾けなくなってしまった越智奏(かなで)。 かつての仲間たちが華々しい活躍をしているのを尻目に、印刷工場のバイトをして日々を凌ぎながら誰とも話さず下を向いて耳を塞いで過ごす日々。 そんな彼を変えるきっかけになったのは、隣の部屋に引っ越してきた33歳のライターの横野絵里と、その6歳のピアノに憧れを持つ息子の陽向多の親子。7年ぶりに向き合ったピアノの音色と人との触れ合いが、奏の失ったものの大きさと大切さを気付かせていきます。 音楽という軸がまずあり、その上で人生で最も大切なものを失くしてしまった青年の再起の物語という軸も並存しています。夢も未来もすべてを無くしてしまい、無気力になり周囲に呪詛を撒き散らすことしかできなくなってしまっていた奏の姿は痛々しいですが、理解もできます。 草原うみさんは、短編からも本作からも痛みや悲しみを掬い取り、そうしたものを描いた上で前に進む普遍的で大事な人間の営みを描くのに長けている方であるという印象を受けます。どうしようもなく人生に訪れる不条理や不遇、他者からの心ない扱いを受ける瞬間。そういったものもありながら、勇気を出して前へ進んでいく人間の気高さや尊さを描ける方です。 この物語のもうひとりのキーパーソンは、かつて奏の音に心酔していて、今は「ネオピアニスト」として動画配信サイト経由で大きな人気を博すようになった真琴。彼との再会によって物語は動きを見せ始め、互いの存在が互いに大きな影響を与えていきます。 個人的には、横野親子との日々の交流シーンが好きです。現代では希薄になりがちな隣近所との関係ですが、そうした赤の他人との繋がりが大きな支えになることもあるというのも良いなと思います。 単行本の表紙絵も非常に良く、回収されるであろうタイトルを表すシーンへと辿り着く瞬間がとても楽しみです。
ヤンデレすぎてサスペンス
男からも女からも執着する勢いで愛される主人公。 ゲーム内では悪役令嬢だったらしいけど、今はヤンデレ製造機。 事件が起こるたびにヤンデレ愛に目覚めていく人々をみていると、これはもうサスペンス。 主人公が周囲の異常な愛に気づかないおかげで、「勘違いラブコメディー」という、爽やかなネーミングでおさまっている気がする。 謎が謎を呼ぶ謎はさっぱり解決しないけど、また謎がやってくる。 そして事件が起きて、またヤンデレ信者が増える… 気づかないほうが幸せなこともあるよね。
【月スピ】新連載が3話で連載終了【林檎の国のジョナ】
※ネタバレを含むクチコミです。
豊かなファンタジーの極致 #1巻応援
『ベルリンうわの空』の香山哲さんの新作です。 前作の『香山哲のプロジェクト発酵記』では「新しい連載プロジェクトの立ち上げ方」自体をマンガで描くという珍しい試みにも取り組んでおられましたが、まさにそこで考え捏ねられ発酵させられていた新作がこの『レタイトナイト』です。 『香山哲のプロジェクト発酵記』自体も、自分の寿命の使い方や物事の進め方を考え、見つめ直すという点でとても面白い本ですし、何より本作と併せて読むことで濃密なメイキングとして両方をより楽しみるのでぜひ読んでみて欲しいです。 香山哲さんは、その在り方が真の意味で「豊か」であるということを感じます。 わかりやすい流行や、かくあらねばならないといった縛りから解き放たれた自由にところで、読み手のこともある程度考えながらも自分が好きなもの・味わいたいものを全開にして描いている。こういう作品が、こういうマンガが世にある、出版されるという状況の何と素晴らしいことかと思います。 一口で言えばファンタジーですが、もう開始数ページの絵だけで魅せられる世界の様子、そして「レタイトナイト」と書かれた扉絵まででも香山哲さんの生み出す圧倒的な世界観に気持ちよく呑み込まれます。 地図や各地のスポットが描かれているところや、いろいろな小道具、その描き方も含めて幼いころに『エルマーのぼうけん』を読んでワクワクしたときのような感覚を呼び起こしてくれます。 ファンタジー世界を描く際に大切なのはそこで生きる者の日々の暮らしのディティールですが、『レタイトナイト』はそこの解像度の高さが素晴らしいです。そこがどんな世界で、どんなルールがあり、どんなことをして、何を思いながら、何を食べて暮らしているのか。そういった部分はつぶさに描かれていき、世界の匂いや温度を感じられます。 この世界独自の生き物や概念などもありながら、光を照らす角度によっては現実と繋がり考えさせられる部分があるのも良きファンタジーとしての性質を満たしています。 個人的には、食堂「フメンカダ」で出されるバラエティ豊富な「マリム(定食)」の数々に心惹かれます。野菜や穀物や豆など、素材としてはシンプルなものが多いのですが、その美味しそうなこと。巻きクブなども、絶対好きです。 これだけの世界観を作り込みながら、比較的ミニマムなお話を展開しているところもまた独特で良いです。普通であれば大国同士の戦争のような大きい話になりそうなものですが、そうではなくこの世界で生きているひとりひとりの地に足のついた生活をじっくり描いているところが、ある種の贅沢ですらあります。 読んでいる間はここではないどこかへ飛んで、豊かな時間を過ごせる作品です。
思い出とか突っ込みどころ
※ネタバレを含むクチコミです。
あらゆる"癖"に刺さりそうな、とてもいい読切
続きが読みたくもあるけど、このスカッとして爽やかな終わりかたがベストな気もする。大きくなってからの体格差がめっちゃいいなあ。ところで「レタス太郎」さんと「ましゅ太郎」さんて、何者ですか?
無敵のギャルでもちゃんと傷つくしちゃんと反省する
友情・愛情、どっちがどうというでもなく、世界がそこしかないあの頃はすべての大きさが大きかった。 私は本作を読んでいて、大人になったら全部が広がってしまって自分の持っていた感情やら価値やらがぜーんぶ小さくなってしまっているタイプだなぁと思った。 それは「全てにおいて希薄になった」と自分自身に言われたような気持ちになって少し寂しいなと思いつつ、全部が同じ比率で大きくなったらツラいのかと初めて考える瞬間だった。 ナカタニエイトさんのクチコミですごく惹かれて読んでみて、読みながらずっと胸が破裂しそうな気持ちになりながらもギャルに癒やされて目頭を熱くしながら読了しました。 本当にとてもよかった。
とんでもない衝撃作だったあの作品
「えっ」って素で声が出ちゃったんですが完結してたんだ…! このタイトルを見たのも何年ぶりだろうか、思い出させてくれてありがとうマンバ。 どこまで読んでいたか思い出せないので全部読みたい。 時間見つけて読もう。 そして商業誌でも同人でもKindleUnlimitedでもない相変わらずの公開状況だけど、お金を落としたい、と思ったら第三部からはKindleUnlimitedでした。読むことでお金になるはずなので皆に読んでほしい。
タイトルどおりのダンジョン✕ファンタジーもの
弐瓶勉先生はBLAME!の印象が強く、本作はダンジョンが謎であることや縦階層なタワーであることなんかからなんとなく似た空間っぽさがあって凄くイイ。 純粋なファンタジー(ってなんだろう。SFとかじゃないって言いたいんだけど)であることや、シドニアの騎士でも好評だったであろうキャラクター重視っぽい展開が良い。 そして弐瓶先生だからきっとすごい鬱展開ありそうヤダなぁ怖いなぁって思いながら読むことになるけど今のところ大丈夫(まだ2巻ですが) 相変わらず女子が可愛いのよ、大事よね ※これはキレて魔法を打つ時に剥けちゃう魔法使いちゃん
至るってなんだよ…
Twitterでびっくりするほどバズってた最新グルメ漫画。と言っていいのか…?※絶対にマネしないでください。※漫画的表現が多分に含まれています。とかガチめの注意書きいるのでは…?と不安になるほどヤバイ飯を食う系漫画(?)です。 カロリーのオーバードーズって煽りが許されるのがすごい。"至っている"状態の望月さんのモノローグが、作者さん手書きの文字なのがクセになる。というか至ってるってなんだよ…怖いよこの漫画…。 キチ…ではなく、ドカ食い好きな望月さんはヤバくて面白くて、しかもちゃんとご飯のイラストは美味しそうです。内容物やカロリーを考えると吐きそうになるけど…。この漫画読んでればカロリーに気を遣うようになって痩せられるかも?知らんけど…。
凄い漫画
面白い
作品が描く「愛」の解釈
※ネタバレを含むクチコミです。
『ベルリンうわの空』香山哲先生の新作! #1巻応援
『ベルリンうわの空』香山哲先生の新作はマイナーRPGを彷彿とさせるファンタジーだった。 ベルリン〜で独特かつ魅力的な絵柄で多くの読者を魅了し、電子先行だった?と思うが紙書籍も欲しくなって久しぶりに紙書籍も購入した。 私のチープな語彙力では「おしゃれ」とかしか表現できないがとにかくオシャレで可愛く、気持ち悪そうなデザインのキャラクターですら作中の柔らかい雰囲気で包んでくれていいデザインだなぁと感じる。何にせよどこを読んでいても心地よいのがすごい。 そんな香山哲作品、常に二色刷り(弘兼憲史作品などでよくある、白黒にプラスもう1色使われているもの。多いのは黒+朱色かな?)なのだが、ベルリン〜ではオレンジを基調にしていたところ本作では少し氷っぽい水色のようなアイスブルー(ブルーグレー?)みたいな、とにかく雰囲気がオシャンティでまた良い。 色々と前提となる設定が今回も多く(ベルリン〜と比べてばかりでアレだけど、あちらはドイツで生活する上で日本人には馴染みがないところの紹介があって面白かったがやはり前提がいくつかある)昨今の漫画の中でも珍しくじっくり理解しながら文字も読み込むのが楽しい作品になっている。 早く2巻が読みたいものだ。編集長頑張れー
王子が一途に溺愛
海外出張した先で事件に巻き込まれた八尋を助けてくれた王子様が実はずっと昔から八尋に一途だった話。 あれ?似た設定を最近読んだ気がするけどこちらは異世界では無い。 この2人も幼少期に出会ってる。 王子様は一途なスパダリだけど、八尋はとにかく流されやすい。最終的に自分の気持ちを自覚したけどそれまでは不安定な気持ちのまま流されて王子様が可哀想になった。
好きなセリフを書く
「いざ技を出すってときには勇気がいる そんなときには毎日牌を触ってるんだっていう自信が支えになる」房州さん
人外に愛される、孤独だった女の子
異世界ではなくちょっと違う次元で、転生でもない。 知らぬ世界で保護され、歌乞いと呼ばれる職につくことになった主人公ネア。 以前の孤独で慎ましい生活より豊かな生活に、いつかは出て行って…という気持ちものびのびに。 歌乞いは魔物(見た目は美しい人間)と契約し、その能力を行使してもらう職能だが、対価として命が削られる。 様々なことが考えられる状況下、先手を打って適当に呼び出した魔物・ディノがどう見ても教わった高位で、削られる命も多そうな、一騒動置きそうな見外見。 数が多くて無難な自称・薬の魔物ということにすることにした。 と、まあ、設定は複雑なのだけど。 ストーリーは端的に言うと、孤独だった女の子が、ぞんざいに扱われると喜ぶ美麗な人外と、彼女を保護する人たちと過ごす日常譚。 ひょんなことから、元王子を男色と勘違いして、ゴリ押ししたり、クッキーモンスターと名付けた美少年姿の魔物を餌付けしたり。 トラブルは起こるけど、幸せそうな日々が描かれている。 モノローグが多いので、淡々とした雰囲気もあるが、ネアとディノの掛け合いを見ていると、賑やかにも感じてくる。
金髪ピアスだけど腕は確かな小児外科医
自分の状況をちゃんと理解できない分、暴れたり騒いだりすることが多い小児科、大変そうだな…とマンガなどを読んで思います。とくに医者として優秀であることに加え「子供を診る」能力が問われる仕事ですね。主人公は、大人からすると一瞬心配になる風貌をしている女性小児外科医・星乃。金髪ピアスにちょい粗雑な態度。しかし子どもと同じ、もしくは子ども以上に子どもの目線を持っている、腕は確かな医師です。彼女のもとに訪れる、様々な症状を持った子どもたちととの親。彼女の活躍が楽しみになる1話でした。
すごい話だ
※ネタバレを含むクチコミです。
氷室蓮司と田村悠人の出会いを描くスピンオフ
※ネタバレを含むクチコミです。
子供の時は毎日のように遊んでいた友達が、歳を重ねるごとに少しづつ距離ができてきて疎遠になるけど、大人になって再会してみると案外変わらずに話せた。みたいなことって多くの人に心当たりがある話なんじゃないかと思います。特別にドラマティックな出来事もないけど、忘れることもない思い出、というような。自分にとってのこういう思い出が蘇るし、人のこういう話をちょっと聞いてみたいと思った。