実家の居酒屋で働いている赤城京子はお店の常連客である鈴村みどりに**恋をしていました。** みどりは飲みながらよく浮気性の彼氏の愚痴をこぼしていて、その愚痴を聞くたびにモヤモヤした気持ちを抱えていた京子でしたが、ある日その彼氏が浮気相手の女性と一緒に京子のお店にやってきます。 そこにみどりが偶然居合わせたことをきっかけにみどりは彼氏に別れを告げ、さらに、話の流れで京子はみどりの連絡先をゲットすることに成功しました。 しかし、別れたはずのみどりは**元彼との友人関係を続けていたり**、なぜか**京子の弟・都がその元彼と仲良くなっていたり**、挙句、京子と都、みどりと元彼の**4人で遊びに行くことになったり**と、なんだかよくわからない不思議な関係に発展していきます。 この作品はそんな4人のドタバタな日常を描いていく作品です! 1巻まで読了
えつことアラメという幼なじみ2人はお互いが唯一無二のかけがえのない存在だと感じていて、周囲からも恋人同士だと思われているような関係なのですが、 本人たちは相手に対して恋愛感情を持っておらず、 事実として、アラメに**彼女がいた**時期も2人の関係性は**全く変わる事がありませんでした。** そんな2人は、えつこの家族が事故で亡くなったことをきっかけに同居を始めます。 この作品は家族とも恋人とも異なる**“名前のない関係”**を築いている2人の同居生活を通して、互いが相手に対して抱いている思いと僅かに生じた**関係性の歪み**を丁寧な心情描写で描いていく作品です。 1巻まで読了
トキワ荘にもじって、漫画家を目指す若者達を集めて格安シェアハウスを提供する「カスミ荘」 そこに集まった4人の男女+管理人の現役漫画家が住んでいる。 管理人以外は、最大3年か、漫画の連載が決まれば退去しなければならない仕組み。 個人的に期待を裏切るような展開が多々あって、そこが面白かった。 例えば、冒頭でゲームばかりしている2人の男。 漫画家になるのがいかに困難で継続していくことはもっとシンドいかを吐露していたので、いわゆる、夢はあるけど努力はしない自堕落な若者を描くかなと思いきや、実際はそうではない。 同シェアハウスに住む、19歳にしてメジャー雑誌で賞をとるなど夢にむかって着実にすすむ女の子への嫉妬とか、こじらせた恋愛模様かと思いきや、そこもちょっと違う。 何にせよ、少しずつキャラクター達がこちらの先入観を裏切ってくるような動きをするので、妙な魅力がありました。 主人公を軸に、漫画家の卵である他のメンバーとどう関わっていくのか?興味深いです。 また、男:女で2:2なのでラブコメ的な展開も今後あるのかな?などいろいろ幅が出てきそうで面白い。 自分も漫画好きなので、全員漫画に情熱をもっているのも、読んでいて共感したり、グッとくる部分があります。 やっぱ漫画っていいよなぁと素直に思わされます。 今後の展開に期待大な作品です。
美しい空と海の光景の中で、あまりにも不穏な序章が幕を開けた。 小1の頃の恋を引きずったまま、男性と結婚した女性。彼女が再会を願う歳上の女性は、離婚してふるさとに帰って来る。 再会する二人。しかし歳上の彼女は、想いを知ってか知らずか主人公を翻弄する。 酷い仕打ちに萎れる女性を、見つめる夫。感情を隠そうともしない妻と、何も知らないが妻が何かを抱えているのを気づいていそうな夫。二人が普通に生活する様子が既に破局を孕んでいる感覚に、心が落ち着かない。 そして翻弄する女。彼女は人の気持ちを弄ぶことしか頭にないのでは?と感じられる。驚くほどの「悪女」に、やはり心がざわつく。 広い田舎の光景に人物を配する作画は、主人公が持つ一眼レフで切り取ったような空気感がある。その美しさと、主人公夫婦の恋の切なさが私の読書を支える。 全く先の予想がつかない。これが百合エンドになるかどうかも。そもそもこの「ひとでなし」と、幸せな恋愛になるとは思えない。それでも主人公の、執着のような恋をかつての私の恋に重ねて、切実さを共有しながら追い続けたい。
超能力が使える特殊なヤクザ「獄導」に父親を殺され、妹を石化された主人公が犯人探しをするストーリー。獄導の体には刺青のようなアザがあり、それが能力者であることの証明になるのだが、それを消して相手を真人間に構成させる能力の持ち主もいて、そいつが一応主人公の仲間になる。だからタイトルが「カタギモドシ」。その味方の奴がショタっぽい見た目なのに能力発動時には豹変するのが面白い。主人公は今のところカタギだけど獄導の超能力は盃を交わすことで分け与えることも可能らしい(ただし与えた側の寿命が10年縮まる)ので、この先どうなるかは分からんな…。能力については色んな設定が眠ってそう。 ヤンジャンでの連載開始時は設定がイマイチ飲み込めなかったんだが、単行本が出たので読み直してみたらなるほど面白い。しかも担当がゴールデンカムイと同じ人なのか。なおさら納得だ。今度から連載ちゃんと追うぞー!
読了!読んでなんか懐かしさを感じたんですけど、懐かしくないですかこれ! ハゲ、格闘派の便利屋に女たらしの刑事。そこの謎の女子高生が入りトリオのコンビに。 リバースエッジ然りまほろ駅前多田便利軒然り…こう性格の違う二人の探偵ものはなんでこう懐かしい気持ちになるんでしょうか…。 早く巻数出てドラマ化化映画化してほしいです。 何気に作中でマツコデラックスにしか見えないバーのママが出てくるのが良いです笑
「シシファック」の堀北カモメさんが初の連載を始める。 それは、2022年のマンガ界において明らかに大きなトピックのひとつでした。 「シシファック」をご存知ない方は、検索またはマンバのリンクを辿って読んでみてください。 野生の獣のような剥き出しの荒々しさは、技術云々を超えたところにある圧倒的な熱量を体内を駆け巡る血液に与えてくれ、興奮を呼び覚ましてくれます。 この『ゲモノが通す』も、「シシファック」の持つ類稀なる熱量を見事に引き継いでいます。その上で、秀でた現代的なキャラクターたちの魅力、抜群なセリフのセンス、エンターテインメント性たっぷりの設定やストーリー展開など更なる進化を遂げた境地を見せてくれます。 作者の実体験からくる「補修職人」のディティールも素晴らしく、あまり知らない、しかし誰しもの身近に存在する世界を見せてくれる仕事マンガとしての魅力も携わっています。 それでも、やはり一番の魅力はこの作品に込められた魂の超常的な熱量。『ゲモノが通す』という怪作が放つ咆哮を、言葉では伝えきれない原石というにはあまりに巨大な聳え立つ巌の魅力を、その身で体感してみてください。 明らかに人を選ぶ作品ですが、『忍者と極道』などが好きな方には特にお薦めです。 #マンバ読書会
「かってにシロクマ」「コージ苑」「サルまん」「真・異種格闘大戦」「ムジナ」などの名作・怪作を作り続けてきた相原コージ先生による実録エッセイ漫画です。 タイトルのとおり、自身がうつ病にかかった様子を描きます。 アイデアが出なくなり、マンガが描けなくなったので、あったことをそのままマンガに描いている…らしいのですが、その結果生まれた本作は、相原先生の最高傑作になりそうな予感のする作品です。 これまでの相原先生の作品は、良くも悪くもクセが強くて、フィクション感も強いものでした。 しかし本作は違います。 ものすごく、リアルなのです。 何しろ事実をそのまま描いてるのだから。 しかも相原先生は、うつ病のときの思考や感情を、おそらく本当にそのまま描いているようで、読者はそれをそのまま追体験できてしまいます。その破壊力たるや。 また、これは、キャリアの長い現役漫画家である相原先生だからこそ生み出せた作品でもあります。 うつ病を扱ったエッセイ漫画作品は数多く存在します。 しかし本作は、その中でも、漫画としての完成度が圧倒的に高い。ストーリーがあって、起伏があって、感情がこもっている。 こういう表現が適切かはわかりませんが、「面白い」のです! 実験漫画ばかり描いているイメージの強い相原先生ですが、こんなにも漫画力が高かったのかと、改めて実感させられます。 オマケにクセが弱くて読みやすい! これも、これまでの相原作品とは異なる点です。 つまり本作は、相原先生の漫画力が存分に発揮されながらも、読みやすくリアルなうつ病エッセイ漫画でして、これは…きっかけがあれば大いに売れますよ! 未読の方はとりあえず無料公開分だけでも読んでみることをオススメします。 https://comic-action.com/episode/3269632237294896715 #マンバ読書会
ごくせん・アシガール・デカワンコ・高台家の人々 etc. 割とメガヒットな森本梢子センセーの最新作はなんと妖怪バトルもの。 意外だけどこの人は何でもありなイメージもある。そしてゆるいテンポがすごく読みやすくて、バトルの臨場感とかそういう少年マンガ的なのはないけど、逆にそこがいいなって思えてくる。これはもうベテランの技だと思うのよね。。 それでいて今回はストーリーがグイグイ入ってくるし、展開もグイグイで、担当編集の手腕なのかわからないけど「なんか面白いぞこれ」って感じで気づくと1冊はあっという間に読み終わっていた。 続きも気になるし、いい感じに流行りそう(流行ってほしい)
月9ドラマになった「イチケイのカラス」の作者さんの最新作は、犯人が誰なのか語り合いたくなる本格的なサスペンスでした。 主人公は21歳の大学生・心麦。元警察官の父親と二人暮らしをしていましたが、父親が自宅を放火されて亡くなってしまいます。捕まった放火犯は父親が警察官時代に担当していた殺人事件の容疑者の息子でしたが、父親が残した遺言書に「もし自分が殺されたとしてもここに名前が書かれた人物は冤罪です」とあり、そこに彼の名前もあったのです…。冤罪になった場合の費用300万も同封されていたこともあり、心麦は亡き父の意志を継いで弁護士を雇います。そして真犯人は誰なのか、なぜ父親は殺されなければならなかったのかを調べ始めます。 真犯人が別にいることが分かった上で読むと、主人公の親戚や父親の元同僚など全員が怪しく見えてくる作りになってるのが上手い!!昔馴染みのラーメン屋のスープの味が変わったのすら怪しく思えてくる。1巻ラストも引きが強くて早く続きが読みたいです!
莉恵子と芽依、二人がどう進んで行くのか気になります。 失礼ながら想像していた以上に面白かった! ひながた通りの幸せ、、自分の幸せ、、これ本当分からなくなる時がある。 本当幸せの形って人それぞれなんだよな。 1巻ではここが特に印象に残っている。 にしても、芽依の旦那にイライラしたー。笑 女子が団結した時もすごいパワーを生み出すものだな。 二人には真っ直ぐかっこよく、前進してほしい。
主人公のサラリーマン・幸田の勤める会社では、喫煙者は彼1人。そのため、タバコ休憩やらタバコのにおいやらの文句を言われる度にオフィスで肩身の狭い思いをしていました。 しかし、実は会社には彼しか知らない愛煙家がもう1人。それが、仕事中も常にマスクをしている敷島という女性。 マスクを外した姿を誰も見たことがないというくらい近寄りがたい雰囲気をまとっている彼女ですが、幸田が喫煙所で遭遇する時の彼女はとてもフランクに幸田に話しかけてくれます。もちろんマスクは外した状態で。 この作品はそんな敷島と、彼女の二重の意味での“素顔”を知っている幸田が、喫煙所という2人だけしか立ち寄らない秘密の場所で関係性を深めていく、ピュアだけどオトナな雰囲気のラブコメ作品です 1巻まで読了
舞台はとある田舎町。両親の離婚により普段は東京に住んでいる女子高生の澪は、夏休みになると毎年1人で祖父母の家があるこの町に戻ってきていました。 ある日、幼馴染たちと川遊びをしているときに彼女は、川底に謎の光る石を見つけるのですが、それをきっかけに澪は幼馴染の1人・航平のある秘密を知ってしまいます。 実は航平は過去に1年間行方不明になり、ある日突然戻ってくるという不思議な体験をしていたのですが、澪はその彼の“神隠し”の秘密、そして彼がこれから起こそうとしている“あること”について知ってしまったのです。 美しい自然の中で揺れ動く少年少女たちの感情の機微を丁寧に捉えながら、航平が抱える秘密と澪が巻き込まれた世界を揺るがす事件を描いていくジュブナイルサスペンスです。 1巻まで読了
good!アフタヌーンやハルタに読み切りを掲載していた五十嵐純さんの初商業連載作品です。 何と言ってもまず絵が良いですね。透明感のある表紙のカラー絵も良いですが、フリーハンド多めで描き込まれた線が生み出す人物や背景が特に魅力的に感じられます。 内部生が多くいる高校で新生活のスタートを上手く決められず、孤立してしまった外部生の少女が主人公。彼女が彷徨った末に辿り着いた謎の屋敷の謎の青年からギターを教わっていくところから物語がスタートします。 全くの未経験者がギターを始めるにあたって、持ち方や指の使い方など基本の基本から学んでいく様子がかなり本格的で、これを読んでギターを弾いてみたいと思う方もいるかもしれません。 ギターを始めたことでクラスの中でも友達ができていき、「ああ、ギターを題材にした青春ストーリーなのかな」と思っていたら……何やら違う気配が漂ってきます。個人的にはそこに非常に惹かれる作品です。色々な意味で目が離せません。 説明しようとするとネタバレになるので、とにかく読んでみてくださいと言う他ないのですが……。タイトルの「ドミナント」は音楽用語であり、不安定性を暗示させる言葉でもありますが、それに加えて本来の言葉の意味合いも強いタイトルなのかなと思います。 幕間のオマケマンガや、筆者がちょくちょくTwitterにアップする落書きも面白いです。
中年女性主人公の名作がまたひとつ。 40歳にして4,5年の結婚生活に終止符を打って東京から何もない地元に戻ってくるも、新しい職はなかなか見付からず自身の調子や周囲の人間模様などさまざまなところで加齢の影響を感じずにはいられない主人公の朝子。昔すごく好きで楽しく吹いていたトロンボーンも、今では全然吹けなくなってしまっていました。 高校生までずっと委員長を続けてきて、部活も勉強も仕事もとにかく真面目にやり抜いてきた朝子。自分の存在を軽んじられても思わず作り笑いで濁してしまったり、無思慮な言葉に傷つけられる朝子に共感を覚える方も多いでしょう(田舎の悪い部分のリアルさも巧み)。 そんな朝子が「それでも本当に好きなもの」を支えに前に歩んでいく姿には、ポジティブなエネルギーを貰えます。人生の選択で迷った際は心が踊る方にすべきだし、本当に大切にすべきは自分の「好き」という気持ちであるなど大事なことを物語で示してくれます。 朝子に厳しく当たる青年の過去のエピソードに起因する関係性や、朝子との立ち位置のコントラストも秀逸です。すんなりと生きていない人だからこそ、誰かを勇気付けられることもあるんですよね。 令和3年のデータによると男の平均寿命は 81.47 年、女の平均寿命は87.57年。つまり、40歳というのは平均してまだまだ人生の半分にも満たないわけで、ここからまだまだ長い旅路が続いていくわけです。 丁度10月は『あした死ぬには、』の最終巻も出ましたが、この年代が主役の面白い作品はこれからますます需要が増していくと思いますし、これからの時代にますます価値を放つ一作だと思います。実写化にも向いていそうですね。
久々に興奮しました。 SFっぽくもあるのですが、ミステリっぽくもある本作。 その内容ですが、、 謎の研究施設・箱庭(ファミリエ)で暮らす少女たち。 彼女たちは10歳になると成績にならって「組み分け」という将来の進路がきまってしまう。 それぞれ「芸術」「学術」「生産」「労働」の4つ。 芸術・学術はまだわかりますが、「生産」は子供を数年おきに産まされる、「労働」は何らかの実験の被検体となる可能性もあるという、なかなかエグい設定。 主人公は、そのファミリエで暮らし、幼なじみで憧れの存在・光里(ひかり)と同じく「芸術」への組み分けを目指す少女・くるみ。 光里と同じ進路にいけるように日夜努力していたが、10歳になる直前、目を覚ますと14年の月日が流れてしまっていた。 傍らにいたのは、ファミリエでくるみに対していつも嫌味を言ってきた成績優秀の清香(さやか)。 なんでも10歳の誕生日直前にファミリエで事故が起き、その衝撃でくるみは眠るたびに記憶がリセットされてしまうのだという。 つまり1日しか記憶がもたない状態。 清香が言うには、上記のファミリエの事故のせいで行われるはずだった「組み分け」が免除されて、ファミリエから出て外の世界で暮らすことが許されたのだという。 戸惑うくるみに、清香が寄り添う。 かつて何かと突っかかってきた姿はそこにはなく、1日で記憶がなくなるわけですから、14年もの間毎日毎日、同じ質問に同じ回答で献身的にくるみに接してきたという。 そこに何か違和感を感じたくるみ。 夜に、飲まされそうになったクスリを飲むフリで飲まなかったら、記憶がなくならなかったことに気づく。 そこから徐々に清香に不信感をいだき、過去の自分が書いたであろうメモ 「清香を信じるな」 と、庭の木の下にあった謎の白骨死体。 清香の真意が何かわからず恐怖し、その家から出ていこうとする、くるみ。 しかし、「組み分け」が免除されたと言われていたはずだが、くるみは、外の世界ではおたずねもので、一般市民から狙われることに・・・という怒涛の展開。(長い) こんな感じで、最初は、ファミリエという強制子育て施設みたいなSFっぽい話かなとおもったら、一気に年数が過ぎて、そこから清香の謎の言動からミステリっぽくなり・・・次から次へと驚く展開に、読む手がとまらなかったです。 今後の展開が全く予想つかない、1巻の終わりもいい。 記憶が都度なくなるループをやっていくのかな? また、タイトルや最初の女性だけの世界に百合っぽさを期待しましたが、その点は現状あまりなかったので、ご留意ください。 何にせよ、SFミステリが好きな人にはおすすめしたい作品です。
最近5期の最終回が放送された『兄付』。2017年にジャンプラで連載されたのがきっかけで読んで好きになった作品で、久々に読んでもう5年も前になるのか…と驚いてしまいました(アニメは当時1〜2期を観ました)。 親が離婚し、基本的に2人だけで暮らしている高校生の兄・時分(シーフン)と時秒(シーミョ)のドタバタした日常を描いたお話。絵のタッチ・デフォルメ・色使いが柔らかくてすごく可愛いし、食事や行事(労働節・新年のお祝い・軍事教練など)に現れる中国文化がすごく面白い! 異文化を感じるところと同じくらい、それ以上に学生の日常マンガだけあって国を超え共感できるところがたくさんあって読んでてただただ楽しい。兄が妹にボコボコにされるのってどこもそうなんだなぁ。 そしてドタバタギャグっていうだけでなく、家庭環境のシリアスさも垣間見えて作品全体の緩急のバランスもすごくいい。 そして翻訳がすごく自然で読んでて全く引っかかりがないのも個人的に超推せます。 (原文を尊重しすぎて日本語でしない表現をしてしまい訳がぎこちなくなることってよくあると思いますが、そういうのが全くと言っていいほどなくて100%作品に集中できます。最高) ずっと続刊を待っていたのですが結局出ず本当に悲しい……。 2巻以降に相当する30話より先のお話は全部無料で公開されており読めるには読めますが、本になってほしかったです。 (中文では3巻まで出てるみたいです→幽·灵 『快把我哥带走』) 今回読み返すまでずっと、どうして著者の幽・霊先生は名前に中黒が入ってるんだろうと思っていたのですが双子の姉妹でらしたんですね。 他にも『我的表哥去留学』『头条都是他』など作品を書かれているそうで、こちらもぜひ読んでみたいです。
漫画〜というよりほぼレシピ本ですけどもいいなぁ〜これ! 疲れた人に夜食を届けるクマたち。 かわいい〜! 疲れてる時こそご飯ですね…実際にこんな美味しそうな夜食届けてくれたらいいのに!明日も頑張れるのに! 疲れてる現代人には労いの漫画が必要なのでは。
再び宗教2世の声を集めた書が出る事を祈って、1巻応援とします。 宗教2世という言い方は最近知りましたが、思えば昔から、そういう子は身近な存在でした。クラスメイトの穏やかな男の子は運動会に出なかった。優しいお姉さんが亡くなった家は一家で信仰を始め、その家のお兄さんは家族と色々あったらしい。毎週のように我が家の前を通る、複数の親子集団……。 そういう方の心の内は、子供ながらに聞いてはいけないもの、と思っていたのですが、この本によってその一端が知れます。彼らが持つ、私と変わらないような愛情や嗜好を知ると、宗教2世の方達が抱える葛藤は、私にも切実に伝わって来るのです。 親への愛着、教義への疑問、自由への憧れ、そして何より辛いのが「信仰を捨てたら親の愛を失う」こと。引き裂かれる思いに同調してしまう……。 そしてそこに、幼い頃から教えられた「教義」が、重みを持って様々に絡みます。 複雑に揺れる心の内を伺えたことで、宗教2世の方達が「よくわからない」存在ではなくなり、さらに慮ることが出来るようになります。この話を始めるに当たって、ただ机上の空論を振りかざして感情的になるのではなく、実在する人に「寄り添う」ための、基本の書になるのではないでしょうか。
「マダム」って言うと「高齢女性」と言うよりは素敵感が増しますよね〜。本作は三人のマダムの同居物語で、とにかく楽しい! 生活を楽しもうとする強い思いと工夫、そして同居する相手への思い遣りにあふれている。その合言葉は…… 「あなた素敵よ」 とにかく相手を褒める。悪い所など見ない。そして何でも楽しそうにする!こんな同居人が待っているお家には、何を差し置いても帰りたいですよね? 四季折々を、そしてつまらない日も楽しむマダム達は、同世代の人達でも若者でも真似したくなる、最良の人生のモデルだなぁ……と思いました。 共にいたい相手に対して、いつでも「あなた素敵」と言えるような人になりたいです。
この物語は『国性爺合戦』の鄭成功が台湾に政権を立てる少し前のお話。日本は江戸時代の初め、まだ鎖国政策を敷く前。 浜田彌兵衛(やひょうえ)の貿易船(御朱印船)の、ライバルはオランダ。彼らは台湾でしのぎを削り、それに巻き込まれたのは台湾原住民でした。 鄭氏台湾以前の台湾の歴史は資料が少ないのだそうで、オランダと日本で語り継がれる彼らの諍い「浜田彌兵衛事件(タイオワン事件)」は、数少ない台湾の歴史的証言とも言えます。 描かれるのは台湾原住民・シラヤ族。物語の主人公はシラヤ族の青年・ダライ。 よそ者を毛嫌いするダライと、何かと対立してしまうオランダ人測量士・フィル。シラヤ族が浜田彌兵衛に連れられて江戸に行ったりオランダ東インド会社に行ったりする中で、二人はいがみ合いながら時に共闘したり。 日・蘭・シラヤ族の三者の思惑が入り乱れ、それぞれの文化も交錯する。全く違う文化の取り合わせが見ていて楽しい! ニンジャ・ショーグン・ハラキーリ!からナンパな西洋人など、類型的な人物表現もお堅い歴史物を華やげてくれて、楽しさいっぱい! 実はこの物語、かなり多くの人物が実在したか、モデルがいる模様。ちょっと誰も知らない歴史に詳しくなれて、漫画としても血湧き肉躍るこの作品、読まない手はないですよ! (そしてシラヤ族の族長の娘・アーシャはカワイさいっぱい!)
本音は言い辛い。多分、皆思っていることなんじゃないでしょうか。容姿に関することや、自分の感情に関すること。勿論、相手を気遣って言えないこともありますし、大きなお世話だよと思うこともあるでしょう。 現代に生きていて、人間関係がストレスになることは多々あります。それは、自分が言いたいことを言えないストレスであったり、逆に言ってしまったことで生じる軋轢も原因だったりします。 本作では、亡くなった妻が存在する、思わず本音が漏れてしまう喫茶店が舞台となります。 口下手なマスターは、生前妻にもっと「愛している」と言えば良かったと後悔します。そして、登場人物は皆同様に本音を言えなかった悔やんでいたり、傷になっています。 もしあなたに大切な人がいて、言えずにいることがあれば、少しだけ背中を押してくれるかもしれない。読み終えて、ふとそんなことを考えたりもしました。
男子高校生の宇津井静にはいれずみの彫師になりたいという夢がありましたが、親にも理解されず、学校でもその夢を秘密にしていました。 ある日彼は、クラスメイトの女子・福永幸にその秘密を知られてしまうのですが、秘密を共有する仲となったことで、静と幸は少しずつ親密になっていき、そして、幸の言葉によって静は自分の夢に向かって真っすぐ進む覚悟を決めることになります。 この作品はそんな静と幸、2人の“始まり”から“終わり”までを描く1冊です。 この物語がどういう“終わり”を迎えるのか、この破滅的な愛の結末は刺さる人には深く刺さる作品だと思います! 巻末ではその後を描く続編の制作も予告されていて、そちらも楽しみです!
編集者やアシスタント先の先生からは技術の高さを評価されているものの、マンガ家としてはなかなか芽が出ずくすぶっている西風時生(ならい ときお)。 彼がマンガの持ち込みをした出版社で偶然出会ったのは、類稀なる才能を持ちながら自分を曲げることを知らず、そのせいで表舞台から遠ざかっていた星衛明日馬(ほしえ あすま)という男でした。 マンガは「読者のもの」であると考え、読者に楽しんでもらってこそ作品に価値が生まれると考える時生と、マンガはあくまで「作者のもの」と豪語し、誰が面白いと言っても自分が気に入らなければ原稿を捨てることすら厭わない明日馬。 この作品はそんな2人が創作論を激しくぶつけ合い、原稿を進めるたびに衝突し、お互い妥協など一切しないまま、それでも2人で作品を生み出していく様子を描く、ページの端々からとてつもない熱量をぶちまけながら駆け抜けていくマンガ家マンガです! 1巻まで読了
実家の居酒屋で働いている赤城京子はお店の常連客である鈴村みどりに**恋をしていました。** みどりは飲みながらよく浮気性の彼氏の愚痴をこぼしていて、その愚痴を聞くたびにモヤモヤした気持ちを抱えていた京子でしたが、ある日その彼氏が浮気相手の女性と一緒に京子のお店にやってきます。 そこにみどりが偶然居合わせたことをきっかけにみどりは彼氏に別れを告げ、さらに、話の流れで京子はみどりの連絡先をゲットすることに成功しました。 しかし、別れたはずのみどりは**元彼との友人関係を続けていたり**、なぜか**京子の弟・都がその元彼と仲良くなっていたり**、挙句、京子と都、みどりと元彼の**4人で遊びに行くことになったり**と、なんだかよくわからない不思議な関係に発展していきます。 この作品はそんな4人のドタバタな日常を描いていく作品です! 1巻まで読了