冒険者に「いってらっしゃーい」と声をかけ、彼らが汚したダンジョンをせっせと掃除し…
飛行機のエンジンがぶつかったばかりに、そんな裏方転生になるなんて。

可愛い絵柄でオブラートに包まれながら、けっこう残酷なことを言ったりやったりしているのだけど、あっけらかんとした笑いがある。
パロディとあるある設定の舞台裏のような小ネタもたまらない。

転生者は死んだらすぐリスポーン地点で復活して、非転生者は亡骸を教会へ持っていって蘇生してもらわなきゃいけないというルールを使った話がいくつもあって、作者さんの発想力はすごいなと思った。
その設定詳細が初出した第8話の読後はなんともいえず、発想力がすごいと思うどころか、恐ろしくなった。ホラーにもできるなんて。

強烈なタイトルと、コミカルなタッチのイラスト、しれっとえげつない描写。
すごく好きです。

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冒険者絶対殺すダンジョン

ダンジョンが熱い今だからこそ #1巻応援

冒険者絶対殺すダンジョン 道満晴明
兎来栄寿
兎来栄寿

『ダンジョン飯』や『葬送のフリーレン』や『俺だけレベルアップな件』といった大人気作品のアニメ版でダンジョン攻略が現在絶賛放映中で、先日は弐瓶勉さんの最新作『タワーダンジョン』も1巻が発売し、いまだにTLでは『シレン6』が盛り上がっている世間がダンジョンに湧く今、最高のタイミングで満を持して発売されたこの『冒険者絶対殺すダンジョン』。 昔テクモの『刻命館』というゲームのシリーズが好きでした。普通のゲームは冒険者としていろいろな場所を旅するのですが、『刻命館』シリーズはそうした冒険者のような者たちを含めて侵入者を罠に嵌めて殺していくゲームです。罠によるコンボを作るのが非常に楽しかったですね(第1作はメモリーカードを9ブロックも使うので大変でしたが)。 本作は、まさにそんな『刻命館』シリーズのような楽しみを味わえる道満晴明さんの最新作です。 トラック事故で死ぬと冒険所に、落ちてきた飛行機のエンジンに潰されるとダンジョンのフロアスタッフに転生するという世界で、見事に飛行機のエンジンに潰されてしまったナハトとアイネのふたりが主役となり、毎回さまざまな方法で冒険者を待ち受けたり逆に自分たちが死んで復活(リスポン)したりする物語です。 道満晴明さんらしい、あっけらかんとした下ネタ(サキュバスに前立腺の位置を教えてもらったり、MM号が出てきたり)やメタさ(冒険者がエリクサー症候群で使わなかったエリクサーを回収して保管していたり、「ここだけSNSに拡散されたらやべえ奴〜〜」というセリフだったり)が随所に出てくるのも流石で好きです。マンドラゴラの描き方や設定ひとつとっても、これぞ道満晴明さんと膝を打ちます。 また、特に6話や14話などは短編で設定を活かしながら巧く落とすのが得意な美点もよく出ています。最後にブレイバーンのような最新のネタまで放り込んでくる辺りも流石です。 かわいい絵柄でありながらそこそこエロスとバイオレンスが盛られていますが、その辺り込みで美味しく食べられる方にはお薦めです。

ヤンキー君と白杖ガール

目からの情報過多な世の中

ヤンキー君と白杖ガール
ゆゆゆ
ゆゆゆ

登場するヤンキーは顔の傷がなくて、服の趣味が良ければ、ものすごく人が良くて純愛している好青年。 弱視の女の子に「ポエマー」と言われるほど、大好きなユキコさんの前では好青年。 一線を越えると黒豹に戻るようだけど、ユキコさん第一なので基本は好青年。 コミュニケーションお化けのようなユキコさんも、見えないからそう変わらざるを得なかったとあって、相当な苦労の上であの人となりができていて、結果が一話冒頭の白杖ケツアタックなんだなぁと思った。 コメディになる部分は、NHKの番組バリバラでみた、障害者コントを思い出させた。 障害は触れるのを避けるべきことでもなく、彼女たちには当たり前なことで、その中でのからかいや日常の楽しみ、苦労が興味深く描かれている。 もちろんコメディ要素だけでなく、しれっとヤングケアラーとなっているきょうだい児の話や、人は年を取ればいずれ見えなくなることが描かれていて、でも重たい話のはずがドロドロしておらず、あっという間に読み終えてしまった。 視力がオレサマはなるほどなと思ってしまった。 かき氷シロップはオレサマを感じさせてくれる食べ物。食品に絞ると、嗅覚が2番手のオレサマ。 ちなみに登場キャラクターのなかでは、高校生男子らしくムラムラ大好きな青野くんがとても好きだ。

ワタシってサバサバしてるから

広告で見たことがあるやつだ

ワタシってサバサバしてるから
ゆゆゆ
ゆゆゆ

主人公が「私ってサバサバしてるから〜」っていうタイプの人間でした。 「みんな私のこと「かわいい」って言ってくれるけど本命にはしてくれないね?」で知ったのですが、主人公を「うわー何こいつ」って言いたくなるキャラクター(悪役)にして、当人が落ちていくさまを眺めるジャンルっていうのがあるんですね。 身近にいたら、さりげなくフェードアウトしたくなるタイプの性格ですが、「女の敵は女」というあたりはリアルです。 そして、男の中で生きようとしているわけでなく、同性と仲良くするわけでなく、人がいっぱいいるところに飛び込んでいるのに、孤高です。 読んでいて、どうしてそういう考えに?と思ってしまい、主人公なのについていけません。 本編を悪役サイドで見ている気持ちです。 とはいえ、ライバル視されている本田さんが主人公だと、「私ってメンタル強めだから〜」と、メンタルの強さを過剰に見せつけてくるキャラクターに改変されてしまいそうで、そんな本田さんは見たくないなと思ってしまいます。 よくよく考えれば、周囲がこれほどひいた反応を取っていてもへこたれず、ゴーイングマイウェイでいられる主人公の網浜奈美は非常にメンタルが強いです。 ビジュアルが本田さんと主人公が入れ替わっていたら、どんな感想になっていたんでしょう。

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか

殴るためのお肉

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか
ゆゆゆ
ゆゆゆ

このタイトルで、この絵柄で、いわば北斗の拳。 いや、くにおくんかもしれません。 陰湿なイジメが繰り広げられる恋愛モノかと思えば、メリケンサックが出てくるタイプの恋愛モノでした。 メリケンサックと恋愛モノって、同時に存在しうるんですね。 「パワー・アントワネット」と違い、ムキムキでもなく、筋肉でもなく。 公爵令嬢として腐った世の中を正すため、いや殴りたいから主人公は暴力をふるいます。 ストッパーが無くなった彼女は強いです。 ターゲットの名前がいつの間にか「肉」呼ばわりになっていて、こうやって人でないから殴ってよしと正当化するのかなとチラと思えば、その肉がことごとく、言い訳できないレベルの悪役たちで、世直しのためには、殴っとこうかという気持ちを読者に湧き立てさせます。 そして、時の女神の力を借りて、倍速やらなんやらブーストさせて、「ボンボコボンボコ」殴って蹴って。 暴力シーン(連続)もこのきれいな絵柄のママ繰り広げられ、「創竜伝」の龍堂兄弟のようなめちゃくちゃな振る舞いも、このきれいな絵柄のママ繰り広げられます。 とりあえず公爵令嬢なので、一線は越えていないそうです。不殺です。 すべて峰打ちなので大丈夫らしいです。さすがです。 暴力で解決はよくないけれど、早いんだということはよくわかります。

ぼうけんしゃぜったいころすだんじょん
冒険者絶対殺すダンジョン 1
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それぞれに「特性」を持つオッドマンが、11人もいる学園があった。伊丹(弟)「被虐」をめぐり、少女たちの熾烈な闘いが始まる…?セツは伊丹(弟)「被虐」のカノジョになるべく、彼の元カノ達(同じくオッドマン)に勝負を挑んでいく。初戦の不条「不潔」にあえなく敗退したが、その後はセツの快進撃が続き、それに伴い、セツはみんなと友達になっていく──。 不思議なオッドマンの世界にようこそ

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たった8ページの短編に、愛と勇気とちょっとの毒を。(あとは、BLとかロリとかヤンデレとかフリークスとかヒーローとか邪神とかとか…)。ショートの妙手・道満晴明がおくる、不思議な味わいの短編集。深夜の動物園で女子高生は虎と出会う…「HeartFood」命がけのしりとりはいかが…「ファニーゲーム」乙女心と恋占い。赤い糸の先には…「フェイスハガー」双子の姉妹、ずっと一緒、ぜんぜん正反対…「ヒールとスニーカー」…etc.ささやかで、愛おしくて、バカバカしくって、すこし切ない…色とりどりの13編。あなたの大好きなお話が、きっとあるはず。

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大ヒット映画『花とアリス』の前日譚を、『ニッケルオデオン』道満晴明氏がコミカライズ! 転校生のアリスは、クラスの不穏な雰囲気にとまどっていた。このクラスでは去年、殺人事件があったという。殺されたのはユダ。事件の真相を調べるアリスは、当時を知る引きこもりのハナと出会う。そして、“ユダの4人の妻”ひとりひとりのもとを訪れ、謎につつまれた殺人事件の核心へと近づいていく…… 岩井俊二監督による初の長編アニメ映画『花とアリス殺人事件』を、『ニッケルオデオン』の道満晴明がわりと自由にコミカライズした異色作。謎と友情の物語、そのマンガだけの結末をどうぞ見届けてください。

ぱらいぞ

ぱらいぞ

『COMIC快楽天』の描く兵器・道満晴明の初4コマ単行本! 『COMIC快楽天』のリーサルウェポンにして不朽の問題作『ぱら☆いぞ』が遂に単行本化。どこかで見たことのある青い髪の少女をはじめ、ょぅじょ好き好きイケメンや○ンコぎっちり菓子パンなど、世界を敵に回す業の者たちを緊急招集。弊社法務部曰く、すっとぼけるしかない1冊です。

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