つられて、自分の過去を思い出した。
幸せだった頃、幼い頃の写真を売る人と買う少年。 少年は何故か母親から今は見限られているような感じで描かれていて、どうしてなんだろうと思いつつ、読むことになる。 自分が小学校低学年の時、いつの時代に戻りたいか考えたときがあって、日によって違ったけど、3-4歳のころを思うことがあった。 今に対する不安はあれど未来に対する心配はなく(未来が見えているような気がしていた)、まわりも優しくて。 思い出していたら、つらつらととりとめのないことを思い出してきて、今の自分が宙に浮いたような不思議な気持ちになった。 閑話休題。 本作はひときしり過去を懐かしんだあとで、前に進んで頑張っていこうという気持ちになる読み切りだと思う。 自分も停滞せず、がんばろう。
高野雀先生がXで紹介されていたので何気なく読んでみた。あっという間に引き込まれて、読み終えた後も余韻から抜け出せない。
主人公の男子高校生・潤平が、フリマアプリで幼い男の子の写真を購入する場面から物語がはじまる。
小児性愛者?何か事件が起こる?と勘繰ってしまうけれど、そういうわけではない。
見ず知らずの少年(今は大人で潤平よりも年上だが)を眺めながら、自分の過去・現在・未来に思いを巡らす潤平。
幸せな子ども時代の記憶と、鬱屈とした今。自分もいつか路頭に迷い、幼い頃の写真を売って生活するのだろうか…。
幼い頃の写真を売る男と、幼い頃に思いを馳せる少年の今がふとしたきっかけで重なり、少しずつ物語の先が見えてくる。
ずっしりと重い余韻が残る作品ではあるけれど、希望の物語でもある。
前を向くきっかけはどこに転がっているかわからない。後ろばかり見ていたから出会えるものもある。
何気なく読み始めてしまったけど、腰を据えてじっくり読んでほしい作品。