ダシマスター

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美味しい話と悲しい結末にコメントする
ダシマスター
料理漫画としての「科学」と「謎解き」の融合がいい
ダシマスター 早川光 松枝尚嗣
名無し
この漫画は作品中に登場した絵にネットで流通している画像からの 「トレース使用疑惑」が生じ、疑惑解明まで休載という形での 実質的な打ち切りになっています。 著作権問題に関してはどこかで線を引かざるを得ませんし、 打切りも止む無しかとは思いますが、 私的には、謝罪の上で改めてタイアップなどの解決策を模索し、 連載を継続してほしかったですね。 包丁人味平から始まり、美味しんぼや ザ・シェフなどの登場で 「グルメ漫画」は漫画として確立したように感じます。 いまでは百花繚乱というか、多士済々というか 色々なグルメ漫画が存在します。 それだけにただ「美味かった!」「美味しいよ!」では グルメ漫画もなんのインパクトも与えられなくなっている 感じもします。なので、 「う、美味い!」「だが、どうやってこんな味が!」「実は・・」 みたいな流れに沿った、謎解き系の流れというか、 そこに人情とか絡めたドラマチックな展開というか、 そういう構成になっているグルメ漫画が多い気がします。 「ダシマスター」も基本的にはその流れなんですが、 美味さの解説というか科学的な論証と、 謎解きのそれぞれが秀逸で説得力があります。 それはダシという一見するならばただの液体、 しかも完成形としての料理が出来た時点では見る影もない、 そういう存在は、まさに漫画で謎解き展開を描くのには 適した素材だからかも、と思ったりします。 そこに加えて、当初はなんだかキャラ設定が定まっていないのでは、 とも思った主人公が、実は深い過去を秘めたキャラであることが 徐々に明らかになっていき、 まさに「あ、ダシが効いていたんだ」と思わせる展開になりました。 かえすがえすも連載打切りが残念です。 未完で終わった故にこそのラストの余韻が 皮肉にもミステリアスな終わり方になって、 何とも言えない味わいになっている感じもしますが。
回胴創世記 パチスロを創った男達
バジ絆はいかにして作られたか #1巻応援
回胴創世記 パチスロを創った男達
兎来栄寿
兎来栄寿
『ロックンリール』や『《魔力無限》のマナポーター ~パーティの魔力を全て供給していたのに、勇者に追放されました。魔力不足で聖剣が使えないと焦っても、メンバー全員が勇者を見限ったのでもう遅い~(コミック)』の伊藤ひずみさんによる、パチスロ版『プロジェクトX』や『ガイアの夜明け』的なドキュメンタリーです。 私はパチンコ・パチスロは付き合いで多少嗜んだくらいですが、元々『バジリスク』の原作もアニメも山田風太郎さんも好きだったので、『バジリスク』シリーズは多少触りました。 当時はカラオケでの十八番が陰陽座の「蛟龍の巫女」だったので、『バジリスク2』で激アツの際に流れる曲として採用されたのは望外でした。 1/16000の白バジが揃ってエンディングまで到達し、弦之助と朧の悲痛な最期を見て泣きながら打ったのは良い思い出です。 そんな『バジリスク』シリーズの中でも人気の高い『バジリスク絆』がいかに誕生したのかというエピソードからこの本は始まります。 『バジリスク2』から絵やアニメーションの素材はそこまで増やせない中で、どうやって新鮮味を生み初心者から玄人までを楽しませる台を作るのか? その苦心惨憺ぶりが描かれていきます。他の分野と何ら遜色のない、モノ創りへの熱情がそこにはあります。 他にも『アナザーゴッドハーデス』、『ディスクアップ』、『ハナビ』など長年ホールで愛された名器たちの誕生秘話が記されています。この辺の台に思い出や愛着がある方であればとても楽しめるのではないでしょうか。 伊藤ひずみさんの絵はスタイリッシュで読みやすいですし、パチスロを打たない方でも「こういう世界があるんだなぁ」とビジネスマンガとして楽しめる作品であると思います。
しれっとすげぇこと言ってるギャル。―私立パラの丸高校の日常―
トロッコ問題すらしれっと解決するギャル #1巻応援
しれっとすげぇこと言ってるギャル。―私立パラの丸高校の日常―
兎来栄寿
兎来栄寿
https://youtu.be/JfvbpGcwyc8?si=87H35GAwt33QJS70 ここから始まった『私立パラの丸高校の日常』。YoutubeやTikTokで人気でしたが、コミカライズもされその1巻が本日発売となりました。 本作は全員何かしらの特殊能力を持っている世界における、私立パラの丸高校を舞台にした、ゆるい群像コメディです。 元々は、ぴかるんことただ体が発光するだけの能力を持った多々光(ただひかる)が主人公でしたが、元の動画版の方でも別格の再生数を誇り大人気のギャルズがこちらのコミカライズ版では主人公のようになっています。 未来視(ヴィジョン)の能力を持つ見里未来(みさとみらい)さんと、平行世界移動(バタフライエフェクター)の能力を持つ黒髪ロングストレートギャルの「へー子」こと平翔子さん。 共に超絶チート級の能力を持ちながら、ギャル特有の異常に軽いノリが合わさって化学反応がものすごいことになっています。 2話の平行世界移動を繰り返す話での 「ここ有機生物が酸素を必要としなかった世界だ」 「えーじゃこっちのうちらなにで代謝してるん?」 「ベリリウム」 「やば 緑柱石かよ」 「まあ酸素と同じ第二周期だしね」 という会話など大好きです。「あーね」とか「が?」「が」くらいのテンションで気軽に物理法則が捻じ曲がっていくのえぐちです。 皆大好き、オタクに優しいギャル回では、マンガを描いていたクラスメイトに 「てかこれワンチャン『転スラ』に影響受け過ぎ?」 「『盾の勇者』もじゃね?」 と、異世界ものへの解像度が高く的確にアドバイスする様も激チルです。 「説ある」が「説あるコアトル」に進化するなどの語彙の無限の羽ばたきも、ギャルらしさが溢れていてエモです。更に、本作には競馬回ありホラー回あり巨女ありと、さまざまな属性の人が引っかかるフックが存在します。 作画を担当しているのが『いびってこない義母と義姉』や『通りがかりにワンポイントアドバイスしていくタイプのヤンキー』のおつじさんということもあり、ヴィジュアル的にもつよつよで、未来とへー子がより魅力的になっています。 時折捩じ込まれる『ハンターハンター』や『エヴァ』ネタも私には効きます。巻末おまけも10Pもあるので、単行本でまたじっくり楽しむのも良きでしょう。
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