韓国を舞台にしたフィクションです
教育系の漫画が好きなので面白い。いじめ系ではなく、先生が生徒に正義の鉄槌を下すという新しいもの、読んですっきりする感じの漫画です。現代の問題に沿った感じが楽しく、スラスラ読めます。なれない言葉とか名前とかあるので、なかなか馴染めないですが、韓流好きな方にはいいかもしれない。ほんとにスカッとします。悪い子を権限を持った者たちが更生させたりという内容ですが、悪い子の書き方が悪い奴でしかない描き方がまた良いです。不良少年達が、やられる姿にスッキリします。ただ、暴力がメインなので、どうしてもグロいというか、血とか怪我をする描写は多いです。苦手な人は要注意です。
お、おもしれ〜〜!!ウェブトゥーンの鉄板といえば「いじめ・復讐・俺TUEEE・スカッと」。そしてそれに「アクション」まで加えた面白さ全部盛りの少年マンガでした。
「未成年という立場を利用して周囲に害を撒き散らす救いようがないクソガキを、圧倒的な戦闘力を持つ大人が合法的に体罰を入れて改心させる」なんて。そんなの見たいに決まってるじゃん…!!
▼舞台設定が韓国のまま
そう!それでいいんだ…!作中で右側通行だったり、夕飯で銀色のお箸使ってるにもかかわらず、無理やり人名や地名だけ日本に変えるような脳筋ガバガバローカライズなんてしなくていいのに、なぜだかウェブトゥーン界隈では多いですよねそういう作品。読んでて違和感にイライラするだけなので本当に無くなって欲しい慣習です。舞台設定が韓国のままというだけで手叩いて喜んじゃいました。
▼キャラがいい
主人公のナ・ファジン先生の安心感しかない強キャラぶりに痺れる!
不遜なくらい余裕があって不適で、でもその態度は伊達じゃなくガチで強いし、悪を挫き弱者を救う義の心がある。
先生の信念と美学には、なんとなく稲垣理一郎作品のキャラと同じものを感じます。
▼作画と塗りがいい
作画がとにかく魅力的かっこいいうえにコマ割りがかっこいい!
塗りも一昔前の少年アニメ風のパキッとした色合いで実家のような安心感。
コマ割りが読みやすく、そしてシーンを際立たせる演出としてもうまく活用されていて迫力が素晴らしかったです。
(チェ・ヨンテク/ハン・ガラム『鉄槌教師』第11話)
(チェ・ヨンテク/ハン・ガラム『鉄槌教師』第14話)
▼漫画として読みやすい
基本的にウェブトゥーンって読みにくくて嫌いなんですけど、こちらの作品はストレスを1mmも感じることなく、続きが気になってあっという間に15話まで読んでしまいました。
1〜6話が「スーパーぼっち編」、7〜15話が「クウンハイテック高等学校(工業高校)編」なのですがどちらも笑えてスカっとできて最高の読み心地です。
スーパーぼっち編では、体罰を罪に問われない権限を与えられた年長の先生たちが久々に教鞭(物理)を手にし、イキイキし始めるところでメチャクチャ笑いました。やってんね〜!
(チェ・ヨンテク/ハン・ガラム『鉄槌教師』第3話)
工業高校編はクローズかWORSTか東リベか、といった大規模な不良の抗争が行われてて最高でした。っぱ不良は大人数で抗争してくれないと。
まず1話を読んで思ったのは、「そりゃこれはウケるわ…」でした。
ナ・ファジン先生が腐りきった学校に着くやいなやイジメっ子をぶっ飛ばして「俺たちの頃は殴られたらお礼を言ったものだ」的なを言うのですが、そう!そこなんですよね。
〜以下、隙自語り(飛ばして大丈夫です)〜
世の中が良くなっていくのは良いことですし、自分が人を殴りたいとは全く思いません。それでも自分は理不尽な仕打ちに耐えたのに、下の世代同じ苦しみを味わっていない…という状況には釈然としない思いがあります。
だから日本にも…というか私の中に「漫画で読めたらうれしい」というニーズはたしかにあると思いました。
マジで誤解しないでください。「漫画で」です。
良くなった世界を後退させず良い方向に進め続けていくために、私達は最後の体罰世代として釈然としないキモチをグッと飲み込んでいかなくてはいけません。
こういうフィクションの意義は、その飲み込んだ後に残るモヤモヤを少しでもスカッとさせてくれるところにあるのだなと、あらためて感じました。