読後に「日本の月はまるく見える」で感じた怖さは少なく、漫画が描けるようになってよかったね、母親ともチエンとも仲良く過ごせるといいね、というハッピーエンド感がいっぱい。
ただ連載版では良き理解者であったチエンが、すごく嫌味な奴で初登場してびっくりした。
それから、日本で毎日寿司を食べないように、四川でも毎日は火鍋を食べないしパンダにも乗らないでしょう、という言い返しがとても興味深かった。
火鍋はわかるけど、パンダ?と思い出せば、空港での一コマに「ぱんだいるよ〜」と駆け出す男の子の存在が。
どうやら、四川省にはジャイアントパンダ保護区というのがあるらしい。
さらに序盤にさらっと書かれた「私の伯楽、山田さん」「私という千里の馬を見つけてくれて」という表現は、「千里の馬は常に有れども伯楽は常には有らず」という漢文がもとらしい。
「春はあけぼの」のようなかんじなんだろうか。
自分の知識のなさを実感してしまった。
3000kmの往復距離。
いつかはなくなるといいね。
【モーニング&イブニング月例賞2021年12月期】佳作受賞作品