一部の生徒だけに都合のいいように形を変える学校。
中心人物になれないものにとっては、ドアも階段も廊下も歪んで居心地が悪い。
この作品内では比喩ではなく実際に歪んでいるけど、実際の学校もこんなもんだった気がする。

ちょっとひねくれた視点でクラスを眺めている主人公・石井。
いつでも一緒にいた友達・結月が、クラスの中心人物・サカキと付き合いだしたのが気に入らない。
結月だけじゃない、仲良しの楓も幼なじみの竹林も口を開けばサカキの話ばっかりで吐き気がする……というお話。

石井のモヤモヤを丁寧に描きながらも、石井だけに感情移入してしまう描き方じゃないのがいい。
結月の視点がよく効いているし、サカキも別に悪人ではない。好きではないけれど。
大人になればちっぽけな世界だったと気づくけど、あの頃って学校が世界のすべてだったなあ。

学校の歪みを可視化してるのが表現として面白かった。

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くちのなか

くちのなか

私の学校は、私の口の中にある。 私の学校は、私の口の中にある。 学校で口を閉じて過ごしている片桐は、ある日同級生に執拗に声をかけられ—— 心ゆさぶる風吹く奇想短編16p

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