5.0
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「魔女」と烙印を押されたら、拷問で死ぬか、処刑されて死ぬかのほぼ二択だった時代における、史実をもとにした西洋ファンタジー。
魔女裁判の最盛期前後、そして精神医学が発達しはじめた時代。
魔女とされてしまった人たちは本当は魔女ではなく、精神的な病に冒されているだけだと訴えた医師ヨーハン・ヴァイヤーの物語。
ヨーハン・ヴァイヤーは「精神医学の祖」とも呼ばれているらしい。
作中では、「魔女」とされてしまったら最後、様々な行動が「あれは魔女の○○という行いだ」といわれ、本当は魔女でなくても人々の認識で、魔女にされてしまう恐ろしさが何度も何度も描かれている。
無知と恐怖が存在しないものを生む。
私には、どこまでがファンタジーで、どこからが史実かはわからない。
だが読んでいて、一番怖いのは人なのかもしれないという気持ちにさせられる。
ホラーとサスペンスが混じる歴史ファンタジーが好きな方はぜひ。