『このマンガがすごい!2022』オンナ編14位にランクインした16世紀に実在した医師を描いた歴史漫画『魔女をまもる。』の番外編が登場!医師アグリッパの元で修業する少年ヨーハン・ヴァイヤーは、子供の頃に魔女の疑いをかけられ、斬首された友人のトラウマから抜け出せずにいた。ある日、アグリッパとともに港町を訪れたヴァイヤーはある少年と出会う。彼は病身を押して、どこかへ急いでいた。「方舟に乗る」という言葉を呟きながら……。番外編の他、『魔女をまもる。』全3巻のキャラクター設定からプロット、背景作画、装丁デザインの詳細に至るまでを公開!さらにすべてのカラー原稿を余すところなく収録した超豪華エディション!!
「魔女」と烙印を押されたら、拷問で死ぬか、処刑されて死ぬかのほぼ二択だった時代における、史実をもとにした西洋ファンタジー。 魔女裁判の最盛期前後、そして精神医学が発達しはじめた時代。 魔女とされてしまった人たちは本当は魔女ではなく、精神的な病に冒されているだけだと訴えた医師ヨーハン・ヴァイヤーの物語。 ヨーハン・ヴァイヤーは「精神医学の祖」とも呼ばれているらしい。 作中では、「魔女」とされてしまったら最後、様々な行動が「あれは魔女の○○という行いだ」といわれ、本当は魔女でなくても人々の認識で、魔女にされてしまう恐ろしさが何度も何度も描かれている。 無知と恐怖が存在しないものを生む。 私には、どこまでがファンタジーで、どこからが史実かはわからない。 だが読んでいて、一番怖いのは人なのかもしれないという気持ちにさせられる。 ホラーとサスペンスが混じる歴史ファンタジーが好きな方はぜひ。