つげ義春の作品をまとめてちゃんと読んだことなかったので面白かった。有名な「紅い花」とか「ねじ式」はもちろん読んだことあったけど、旅ものはほとんど読んだことがなかったので、ようやくつげ義春を知った気分になれた。特に「長八の宿」がすごく好きでした!!ジッちゃんが温泉から富士山が見えることを説明するシーンが好きすぎるんですけど!!

あとこの作品集は雑誌掲載時と同じサイズで読めるので、つげ義春の描く背景がいかに味があってよいものかしみじみと分かります。それから年表が付いてるのでつげ義春がめっちゃ引っ越し&湯治してるって本当なんだ!って思いました。息子に買い与えたファミコンでスーパーマリオをクリアしたこともちゃんと書いてあったし、ラストが2018年、81歳「一刻も早くこの世から消え去りたい気持ちが日々たかまるばかり」だったのがシビれたね…。

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改訂版 ねじ式 つげ義春作品集

かいていばんねじしきつげよしはるさくひんしゅう
著者:つげ義春
最新刊:
2018/01/25
かいていばんねじしきつげよしはるさくひんしゅう
改訂版 ねじ式 つげ義春作品集
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蟻地獄・枯野の宿(新潮文庫)

蟻地獄・枯野の宿(新潮文庫)

ひどい砂嵐だった。観光客は砂漠の大きな穴にはまり、炎天下、水も食糧も尽きてしまう。そんな極限状況下の人間の本性を暴く「蟻地獄」……。遅筆の漫画家が一計を案じた。郊外に安い土地を買い、せめてのんびりくらしたい、と。だが、現実は彼の夢を許さない。逼迫した漫画家、その小さな挫折を描く「枯野の宿」……。貸本時代の作品を中心に17編収録。懐かしさ溢れるつげ漫画集第三弾!

義男の青春・別離(新潮文庫)

義男の青春・別離(新潮文庫)

真綿で首を締められるような毎日だった。一家七人の経済的支柱として、駄菓子にひとしい貸本漫画を描き続ける責苦。芸術的な漫画を志し焦燥する「義男の青春」。浮気した恋人を恨み、ブロバリンを発作的に飲むが死に切れず、我が身のやりきれなさから滂沱の涙を零す、売れない漫画家の自己憐憫「別離」など14編収録。現実と夢、日常と狂気の領域を融通無碍に往還する、つげ漫画集第二弾。

無能の人・日の戯れ(新潮文庫)

無能の人・日の戯れ(新潮文庫)

漫画家として行き詰まった〈私〉は、他人の目にはろくでなしに映るかもしれない。ろくに働かず稼ぎもなく、妻子にさえ罵られ、奇天烈な空想に耽りながら、無為な日々を過ごしているのだから……。甲斐性のない漫画家の悶々とした日常を描く「無能の人」、競輪場の車券売り場窓口越しに仄かに通い合う夫婦の愛「日の戯れ」など、滑稽かつ哀切な人間存在に迫る〈私〉漫画の代表作12編集成。

ねじ式

ねじ式

超現実を描く『ねじ式』など衝撃の名作集! 不安、緊張、そして心地よい無力感を生む、まさしく「夢」の増殖としか呼びようのない衝撃作『ねじ式』の他、『ゲンセンカン主人』『オンドル小屋』等、つげ世界の精髄を結集した必読の一冊。

紅い花

紅い花

しみじみ変で懐しい、つげ世界に導く1冊! 現実と非日常の間を自在に往き来する融通無碍の「つげ世界」は、読む者のそこはかとない憧憬を誘って止むことがない。永遠の詩情を湛える名品『紅い花』をはじめ『もっきり屋の少女』『二岐渓谷』等を収めた短編集。

ヨシボーの犯罪

ヨシボーの犯罪

▼第1話/ある一夜▼第2話/蟻地獄▼第3話/女忍▼第4話/なぜ殺らなかった▼第5話/ねずみ▼第6話/庶民御宿▼第7話/ヨシボーの犯罪▼第8話/魚石▼第9話/窓の手▼第10話/少年▼第11話/近所の景色▼第12話/ある無名作家 ●登場人物/私(語り手。くぼ地の集落に散歩に行く/近所の景色)。李さん(くぼ地にすむ朝鮮人。大きな雷魚を飼っている/近所の景色) ●あらすじ/うまそうな女か、まずそうな女か…、ピンセットで一センチほどさしてみるとほぼわかる。ピンセットの血を洗う。水の中でピンセットを小さく折り曲げ、手中にかくす。五十歳まで拘禁されたら、青春は、とりもどせない。なんとしてもかくし通さなければ…。いつか夢でみたような、どこかなつかしく残酷な超現実の世界(第7話)。▼私の家のそばに、くぼ地にバラック建ての家が並んだ一角があった。今にも朽ち果ててしまいそうだが自然のぬくもりが感じられる、そんな一角に散歩に出向いてぼんやりと過ごすことが好きだった。そうすることで気持ちが安まるのだった。しかし今、集落は立ちのき問題でゆれていた。そこに住む顔見知りの李さんは、一メートルはある大きな雷魚を飼っていて…(第11話)。●本巻の特徴/深層心理に光をあて展開される、印象的な風景を描いた表題作のほか、人間の欲望が関係性をゆがめていく皮肉な結末の作品群や、日常の中の生活の手ざわりを切り取ってみせる一連の作品など、独自の世界観が表現されている。●その他の登場キャラクター/女忍(第3話)、犬丸入道重勝(第3話)、助佐(第3話)、行商人Kさん(第6話)、私(第8話)、T君(第8話)、グロリア(第9話)、義坊(第10話)、カズ子(第10話)、安井(第12話)、奥田伸一(第12話)、木山君(第12話)●その他のデータ/発表された年・月~ある一夜(1958年12月)、蟻地獄(1960年 4月)女忍(1960年5月)、なぜ殺らなかった(1961年4月)、ねずみ(1965年2 月)、庶民御宿(1975年4月)、ヨシボーの犯罪(1979年9月)、魚石(1979年 10月)、窓の手(1980年3月)、少年(1981年7月)、近所の景色(1981年10月)、ある無名作家(1984年9月) 解説 ~川本三郎(評論家)

生きていた幽霊

生きていた幽霊

1956年に貸本出版社の若木書房の「探偵漫画シリーズ」の1冊として刊行された単行本の完全復刻。「に来た男」「生きていた幽霊」「指をたべた男」「罪と罰」「奇人」の5編を収録した短編集です。それぞれは独立した短編となっており、たんなる謎解きにとどまならい人間心理の闇や不可思議さを巧みな語り口で描いている秀作です。子ども向けに描かれたものですが、大人が読んでも十分味わえる「奇妙な味」の作品集といえます。全作がオリジナルフォーマットで復刻されるのは、今回がはじめてです。付録として、著者の4年ぶりの肉声をおさめたインタビューを収録した小冊子付きです。

四つの犯罪

四つの犯罪

1957年に若木書房の「探偵漫画シリーズ」の1冊として刊行された貸本単行本の完全復刻です。「悪人志願」「覗き見奇談」「運地君の不思議な犯罪」「首」の4編を収録した、当時の貸本としては極めて斬新な描きおろしの個人短編集です。前回、復刻された「生きていた幽霊」とともに、不思議な味わいをもつミステリの佳作となっており、当時、白土三平や関西の劇画グループにも注目された作品です。宿場の逗留客がそれぞれ、奇妙な話を披露する形式で物語が語られてゆき、たんなる謎解きに止まらない人間心理の闇や不可思議さを巧みな語り口で描いています。前回の「生きていた幽霊」に続けて、著者の4年ぶりのインタビューを収録した小冊子付き。

恐怖の灯台

恐怖の灯台

劇画台頭期に描かれた、異色スリラーの名作。1958年に若木書房から刊行された貸本単行本の完全復刻です。密航に成功した少年がたどりついた島が物語の舞台で、そこは座礁した船の墓場でした。その島の灯台長である少年の父親の不可解な言動から謎が謎を呼び、灯台をめぐって事件が展開してゆきます。著者が江戸川乱歩に惹かれ、「四つの犯罪」など傑作ミステリを立て続けに描いていた時期の作品で、作者の健全なヒューマニズムやユーモアなどの資質が素直に表現される一方で、ニヒリスティックな面もうかがえる興味深い作品となっています。著者の4年ぶりとなる連続インタビューが付録についています。

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