最近の感想
1巻の時点では、戦争孤児である兼吉と金井田の関係を描いたストーリーだと思ってましたが、最近では金井田を中心に、かつての秘密組織のメンバーが集い、組織の裏切り者との対立、そしてGHQの存在と、さながらスパイ・アクション物のようになってきて、これはこれで面白くて良いのだけど、兼吉が相変わらずひどい目に合っているので、そっちを早く助けてあげてほしいです・・・
昭和20年、上野──。終戦直後の焼け跡で、全てを失った者達の魂が爆ぜる。自分以外の家族を失った戦争孤児・兼吉は、絶望の中でもがき続ける。だが謎の青年・金井田との出会いが、少年の心を解きほぐし…? 「ALL OUT!!」「ここは今から倫理です」で、今最も注目を集める気鋭の作家・雨瀬シオリの最新作、満を持して登場!!
終戦直後の日本の様子、戦争孤児の生活、戦後生まれの私には、想像もできない人々の精神的な苦痛。
それでも、生きていかなければならない状況。
その中で、人の弱みに付け込み商売をするやから、弱いものを相手に横行する暴力、長いものに巻かれないと生活できない生活弱者。
その人たちが、がんばって居てくれたから、私の今があると思うと、生き抜いてくれてありがとうという言葉しか出てこない。
そして、闇市での運命的な出会い。
人と人の縁とは、不思議なものである。
1巻読了。