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火の鳥

「未来編」の感想です!!!

火の鳥 手塚治虫
酒チャビン
酒チャビン

火の鳥を時系列に読んでいくシリーズも、この未来編でラストです!!刊行順でいうと、2作目なのですが、その後の編につながる伏線の多いこと!!! 正直、刊行順に読んでいるときは、サラッと流してしまっていたのですが、かなり後半の編にリンクする要素が盛りだくさんで、この時点から連載が20年以上にわたるこの壮大な物語を構想していたのでしょうか・・・??だとするとまじマンガの神なんですけど・・・ 本当に自分がマンガ家でなくてよかったと心底思える瞬間です。 時代設定は3404年〜。人類は滅亡の危機に瀕しています。そこから超壮大な物語が展開され、最終的には、刊行順で前作であり、時系列的に一番最初である「黎明編」の場面に接続されます。。。 このラストの展開は、時系列順に読んでいた時も、一定の大円団感があり、充実した読後感を感じたものですが、時系列順でこの編をラストに読むと、さらにさらにさらに大・大・大・大円団感が感じられます!!!もう結構10回近くは再読してますが、いまだに新しい感動を味わえるとは・・・ 時系列順に読んでみようと、ひょんなことから思いましたが、やってみて本当に良かったと思えるので、火の鳥をまだ読んでいないと言う方はもちろん、読んだことあるよっていうお友達も、ぜひやってみてください! なお他の編との繋がりですが、ムーピーやロビタや猿田博士が登場します。ムーピーは過去に登場した特定の個体との繋がりはないように思いますが、ロビタと猿田博士は望郷編ラストで出てきた個体と同一と思われます。 ロビタが優しいんだよな・・・

火の鳥

「復活編」の感想です!

火の鳥 手塚治虫
酒チャビン
酒チャビン

火の鳥の中でトップクラスに好きな話です!!!火の鳥って、好きな編がそれこそ十人十色で、かなり票が割れる傾向にあると思うのですが、それだけ全てのエピソードが粒ぞろいということではないかと思います。 復活編はいくつかの時代を行き来しながらエピソードが進行します。 火の鳥はシリーズ全体からしてそういう構成をとっているのですが、復活編は一つの編の中でそれをしています。 2482年→2483年→3030年→2484年→3009年→2484年→2917年→3344年 主人公がある事故をきっかけに体の6割ほどを人工物に入れ替えられてしまうのですが、それにより、人間が無機物に、ロボットが人間に見えるようになってしまいます。 ・身体の60パーセント人工物に変えられた人間である主人公 ・主人公には人間に見えるロボット(主人公にやさしい) ・主人公には無機物に見える人間(主人公を殺そうとする) ・人間らしさとは人間と形が似ていることだと言い、人間に似せて作られたアンドロイドと愛し合う人間 ・人間とはかけ離れた容姿だが自分はかつて人間であったと信じるこけし型ロボット などが登場し、これまでの編でも何回か出てきた「何が人間を人間たらしめるのか」というテーマを考えさせられます。 他の編との繋がりですが、望郷編でちょろっと登場したチヒロがメインキャラの一人として登場します。あとラストで猿田博士が登場し、ロビタも未来編で登場します!

火の鳥

「望郷編」の感想です!

火の鳥 手塚治虫
酒チャビン
酒チャビン

スケールが壮大すぎる物語です。時代設定は明言されていませんが、増え過ぎた人類が宇宙の他の星に移住する時代となっています。 「望郷」というのは、宇宙移民した主要登場人物「ロミ」(女性)が地球に帰りたくなるストーリーからきています。 ロミは恋人と一緒にエデン17という無人惑星に移住してきますが、その直後に恋人が死んでしまいます。当時すでに二人の子供を孕っており、その子供がしばらくして生まれますが、このままではすぐに絶滅してしまうので、その子供との間に子孫を儲けようとします。 あまり詳しくかくとネタバレになってしまうのですが、すったもんだあった結果、星は一定程度の繁栄をみます。そこまでの話も十分充実感ある面白さなのですが、その後ロミが地球へ帰るべく旅をする話が続くのですが、こちらはサン=テグジュペリの星の王子さまオマージュな感じで進行します。これだけ盛りだくさんで単行本2冊程度なので、密度が濃過ぎます!! 自らの子供と子孫を残すとかもそうですが、星の王子さまパートでの各種不条理エピソードや、異星人の性質(不定形生物や雌雄単体)など、常識からはかなり外れた出来事が普通に起きます。そしてそれらは必ずしもネガティブな書き方はされてない一方で、今や我々の常識となっている酒・ギャンブル・麻薬・兵器などが生まれたことによってエデン17が滅亡に向かい始めると、結構考えさせられる内容でした。 他の編との繋がりですが、牧村飛行士(宇宙編に登場)とチヒロ(復活編に登場)が出てきます。刊行順だと宇宙編→復活編→望郷編なので、サービス出演的な感じでしょうか。

不揃いの連理

タイトルから見る"伴侶"の形

不揃いの連理
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

ここではタイトル『不揃いの連理』の語義と内容をリンクさせながら、(6巻までで)四組の女性ペアの関係を追う本作の魅力を書いてみたいと思います。 「連理木(れんりぼく・れんりぎ)」というのは、隣りあった木々の接触した枝や幹が一つにくっつき、木目まで混ざり合った状態のこと。そこから「連理」という言葉は二人の深い契りを表すのだそうです。 幸せな予感のある「連理」という言葉。では「不揃いの」という言葉はどうでしょう? 登場するペアは、いずれも全然タイプの違う二人。そしてどちらか片方、もしくは両方とも「ダメな人」だったりもします。 まっとうな会社員×元不良は見た目に反して、ダメなのは会社員の方。いかにも悪そうな人と優等生のJKコンビは、優等生が意外と暴力的etc……。でもそんな二人が何故か寄り添う。 ではそこにどんな心があるのか。 ある人に惹かれる理由を、言葉で言い表すのは難しい。でも、なぜある人の側にいるかは、理由を言える場合もある。 この作品でそれが分かりやすいのは、ダメな漫画家に接する生真面目な編集者。彼女は恋愛的惹かれの他に、ダメな漫画家を支える動機としての「ある気持ち」を持っている。そして同じようなものは、他の三組にも見て取れる。「ある気持ち」はおそらく頼りない人に対する普遍的な心情なので、納得する人は多いと思います。 「ある気持ち」で支え合い、接するうち、彼女たちはいつのまにか離れ難くなっていく。そこには理屈ではなく、もはや必然として一つになった連理木が生まれている。 伴侶って、こういうことだよな……大きな安心感とエモーションが同居する感じ。実はかなり暴力描写・しんどい内容も多いのにそれはとても不思議な感覚で、いつまでもこの物語を追う動機となってゆくのです。 ダメな人に対する、共通する「ある気持ち」......どんなものか、ぜひ本作から探してみてください。 さあ、まだ不穏な堅物教師×生徒の物語はどうなるかな? (6巻までの感想) (追記:実はマンバ読書会でリアルタイムで書いたものから、細かく改稿しています。どんなふうに変化しているか、ぜひ配信と比較してみてください! https://www.youtube.com/watch?v=FgBPuVvUHFI) #マンバ読書会 #クチコミを書く回

ひのとりてづかおさむぶんこぜんしゅう
火の鳥 【手塚治虫文庫全集】(1)
火の鳥 【手塚治虫文庫全集】(2)
火の鳥 【手塚治虫文庫全集】(3)
火の鳥 【手塚治虫文庫全集】(4)
火の鳥 【手塚治虫文庫全集】(5)
火の鳥 【手塚治虫文庫全集】(6)
火の鳥 【手塚治虫文庫全集】(7)
火の鳥 【手塚治虫文庫全集】(8)
火の鳥 【手塚治虫文庫全集】(9)
火の鳥 【手塚治虫文庫全集】(10)
火の鳥 【手塚治虫文庫全集】(11)
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