本当の話かと思うくらいリアルだった
生まれた時から父子家庭で育ったものの、高校卒業後に上京してからはアルコール依存症になってしまった父親と会わないようにしていた主人公。しかし父親が危篤だという連絡があったので久しぶりに故郷に帰ることになった。病院でほとんど意識がない父親と再会したことで、今まで考えないようにしていた自分と父親の過去に向き合っていくことになる物語。 上巻のあとがきを読むまで実話かと思ってたくらいリアルでした。お父さんがアルコール中毒になってしまったのも彼自身が家族に恵まれなかった子供時代があったからということが分かったり、バックボーンの汲み取り方がすごく丁寧で読み応えがありました。お父さんの最後のセリフがすごくよかった。この人が描いてるなら「ペリリュー ─楽園のゲルニカ─」も読まなきゃダメだなって思わされた。
とても良い話だった。
切るに切れない親子の縁。とでも言うのでしょうか。。
父が危篤になって電話がかかってくるのは息子だったり、初めて会った叔母に息子さんって呼ばれたり、何かと現実味があった。
憎んでいても嫌っていても、時間はかかるけどまた近づくことのできる2人の関係。
また家族になれる。
親子って家族って不思議だなと感じ、考えさせられる作品だと思う。