にんにくをたっぷり効かせたステーキ、溢れんばかりのチーズがのったピザのようなジャンクなエ◯さではない。
まず椀の蓋を開けて、匂いを連れた湯気を楽しみ、出汁をつうっと口に含む。
箸をとり、しんじょを持ち上げ、滴るつゆと共に口へ迎える。
そうして旨みをしっかりと余すことなく感じるのだ。
みたいなことを書きたくなるぐらい感情にくる作品。
小説家のおじさんとミステリアスな美女の出会いから始まる愛の物語、あたたかな絵柄と多めの無言のコマも心地よく、ゆったりじんわりふつふつと楽しませてくれる。
ジャンクなものも大好きだけれども、こういうのもいいなぁと思いました。
ある夏の日、偶然引き寄せられた小説家と謎の美女。そしてそこから二人が紡ぎ出す、狂おしい愛の記録。話題沸騰! 『恋風』『夏の前日』の吉田基已の最新作!!