純猥談なんていうから

「純然たる猥褻な談義」

だと思った私ですが、実際は

「純文学+猥談」

のようで、なんでもプロジェクト?のようなもので、映画(動画)だったりSNSだったりと展開しているもののコミック版な位置づけが、本作。

大元は存じ上げてなかったのですが、端的に言って、すっごく良かった。

特に、ちょっと切ない、ちょっと物悲しいリアリティのある恋愛が好きな私にとって、必ずしもハッピーエンドにならないかつ体験談をベースにした本作はドンズバでした。

特に1話目。
甘酸っぱい青春時代の思い出をとても美しく描き、大人になって再会してもヨリを戻すことなく本当の別れを演出した様は、グッときました。

過去の良い思い出は、添付のコマ画像にあるように

「たまに思い出すぐらいで ちょうどいい」

というセリフは真理そのものですね。
思い出は思い出のままで、現実にもってこない、もってこさせない感じが大人だと思います。
たえる、こらえる、人生の苦味ともいえるこの感覚が最高です。

1話完結の短編形式ですが、どのエピソードも素晴らしく、
過去の恋愛に未練や煮え切らないものがあっても、前にすすめなければならない人生と折り合いをつけていくキャラクター達には共感せざるをえません。

甘いだけではない、ハッピーエンドにならない、リアルな恋愛を読みたい方はぜひ本作をおすすめします。

純猥談なんていうから

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「...
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だれでも抱けるキミが好き

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六文銭
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ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ

嘘か真実か陰謀論

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六文銭
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自分が何かと恵まれていないのは、何か大きな陰謀によるものではないか?という、ネットではびこる「陰謀論」がテーマの本作。 主人公は、いわゆる社会的に弱者の部類で、それでも自分にも特別な何か(人生大逆転できるようなものが)あるんじゃないかと日夜怪しいセミナーに通いながら過ごす。 そんな中、偶然出会った大学生の女性に恋してしまう。 関係を深めていくなかで、彼女につきまとうFACTという謎の組織の存在を知り、彼女を守るために接触。 そこは、陰謀論に染まった集団で、自分の境遇の悪さも、彼女と出会ったのも全てが大きな陰謀だったと諭され、気づくと彼もまたその思想に染まりはじめてしまう・・。という展開。 社会的な問題を扱う重そうな感じもあれば、コミカルなヌケ感もある。 現実を描いた漫画だから明らかに嘘っぽくも感じつつも、これ実はファンタジー漫画なのでは?と思うと真実のように感じてしまう。 ついつい、陰謀も本当のように感じてしまう。(ちょっと調べればわかるんですけどね) そんな感じで嘘か真実かわからないながら、自分なんかは読んでいたのでめちゃくちゃ楽しめた。 特に2巻。 主人公が上述した恋心を抱いている女性に、付け焼き刃的な稚拙な持論を展開し、一瞬で論破される様は読んでいてホント痛々しく、ゾクゾクした。 共感性羞恥をこれほど感じたシーンはないと思う。 4巻で最終巻らしいけど、どうオチをつけるか気になる。

珍遊記2~夢の印税生活編~

奇跡の続編

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六文銭
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小さい頃、色んな意味でトラウマを植え付けられた珍遊記。 当時、絵を見るのも怖くて、だけどドラゴンボールは読みたいから、珍遊記のページにはいかないよう恐る恐るめくっていたのも、今となっては良い思い出です。 本作というか、著者を語る上でもはや絵柄に触れないのは無理なのですが、とにかく子供がみたら泣き出すような絵の濃さ。 特に婆さんキャラのシワがえぐい。 下品な下ネタも満載で絵柄と相まって、初見の方は気分悪くなると思うんですが、、、 著者が、現在、子供向けの絵本作家としても活躍しているというから驚きしかない。 謎に時代を感じる。 さて、本作の内容だか、前作珍遊記の続編という立ち位置だが、前作をなぞりながら、その裏で起きていたことを描きながら始まる。 もう一つの怪作、漫遊記とも繋がっているので両方知っているとより面白いのだが、正直、何も知らなくても大丈夫だと思う。 著者の作品を知ってる人ならわかると思うが、ストーリーはあってないようなもので、とにかく勢いが魅力。 そこは本作も健在で十二分にある。 映画化もした作品だが、玄人受けとか言うつもりもないが、毒にも薬にもならない作品と異なり、モノづくりに携わる人間に、何らかのインパクトを残す作品なんだろうってことは理解できる一作です。

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「ひとりの人間がなにもない空間を歩いて横切る、もうひとりの人間がそれを見つめる」 演劇とはなんだろう? 演じるって? 自分のことすらよくわかってないのに、他の誰かの生を演じることなんてできるの? わからないから、演じる。わかりたいから、演じる。 演劇に情熱を注いできた作家と編集がタッグを組み描く、青春舞台。

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そして、バトンは渡された

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