どこかの誰かの、性愛にまつわる恋愛体験談。
純猥談。できれば共感したくなかった、性愛にまつわる誰かの体験談。短編映画1000万回再生超、投稿数20,000件、書籍版12万部の人気コンテンツを“情感漫画家”田川とまたが漫画化。
短編映画や投稿、書籍の人気コンテンツを漫画化、ということらしいのですが、全く知らなかったので申し訳ない気持ちになりつつ、されども漫画はとてもよかったのでそちらも見てみようかしらという気持ちになりました。
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体験談ということで短編としてまとまっていて、どこからでも読めるのも読みやすいです。
フィクションだった場合、読むときにどこかくすぐったいような、少し気恥ずかしい気持ちもあるかもしれませんが、これはどこかの誰かに実際に起こったこと、自分にも起こっていたかもしれない話、みたいな感覚で自分と照らし合わすような重ねて考えるような感じで共感性がかなり高まっているのがいいですね。
1話を読んでみて関係が深くなるシーンでときめき、失恋したシーンでは心が痛み、友人の結婚式で再会するシーンでは、おぉ…とドキドキして、締めに唸り、自分のことのように楽しめました。
感動しました。
そして、心を主人公に重ね感動し、重ねたときに違和感も感じました。
あくまで、投稿者の主観の話ではあるので自らの過去をどう見るか、どう感じたいか、どう肯定するかという投稿者のバイアスは絶対に入っていて、少しでもきれいな思い出にしたいという思いも裏にあるように感じ、とても素敵ではあるのですが客観性は当然ないようにも思いました。
同時に、この話を作る上ではそうするべきだとも思います。
すこし穿った見方をすれば、初めての彼氏だった男性とのキラキラした青春時代の思い出を下敷きに、いまの結婚しそうな素敵な彼氏と幸せになっている「私」、そのすべてを「私」を引き立たせる背景にしている自己愛が強い女性だな、と思いました。
こんな体験してる「私」どう?「私」って素敵でしょ?という雰囲気。
自分語りして自分に酔っているとも。
投稿している、という行動にその考えが透けて見えてくるようにも感じます。
良い話なんだけどな、と引っかかりを感じ一抹のもやっとした感情を抱いた方がいたらもしかしたらそのあたりかもしれません。
でもそれが悪いとは言いませんし、自分の人生を生きるとはそういうことだとも思います。
いまの自分を肯定するにはどんな過去も素敵なものとして演出し肯定すると生きやすいでしょう。
素直に読めばとてもいい話なのですが、自分がどちらかというと陰側のひねくれた性質なのでこんな感想が出てきてしまいました…すいません…。
こういった話がナマっぽくていいなとも思いました。
2話目からどういう話が出てくるのか楽しみです。
また、少女漫画にあるような主観の話を、男性漫画家が漫画として描いて中和できているような感覚も覚えました。
これはすごいことです。
女性漫画家が描く少年漫画に、女性キャラを性的な目線で消費をするシーンがないような良さを感じたときのような良さと発見でした!
個人的には、単純に作画の田川とまた先生の話を漫画として切り取る力量が良くってたまらないですね。
『ひとりぼっちで恋をしてみた』もそうですけど、人物の描写が本当にその人がいるようにリアルで、こういった実体験の話にはぴったりな方なのでさすがです!
他人のリアルな恋愛話が好きな方にオススメしたいです。