名無し

「テイクアウトの夜明け」というサブタイトルが気になったので。
ソーダって何味?というテーマが地味に興味深かった。これには正解はなくて、人によって「サイダーの味」や「ラムネの味」、「ガリガリ君の味」だったりする。青くて爽やかなら大体がソーダだ。ではブルーハワイは…?食べ物の話題は尽きない。
また、数話にわたって牛丼チェーンやサイゼリヤのテイクアウトについて持論の展開合戦が繰り広げられるのは楽しく読んだ。いろいろ言ってるけどやはり自分は牛丼はセパレートがいい。なぜなら家に帰ってからちょい足しをするから…
自転車でテイクアウトしたものを運ぶときの所作の話は笑った。いちばん衝撃を吸収する運び方は「手で持つ」なんだけど、それは道路交通法違反だから、というオチが。
言われてみればそうだけど、Uberとかで背負って運ぶのも衝撃は吸収しないと聞いて少しショックだった。

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めしばな刑事タチバナ

食事にこだわりをもつ素晴らしさ

めしばな刑事タチバナ 坂戸佐兵衛 旅井とり
六文銭
六文銭

いわゆる誰もが一度食べたことがあるB級グルメや、B級食材について、登場人物たちがマイベスト的なものを語り、ときに激論を交わす内容。 本作を読むと、つくづく自分は何も考えずに食べてきたんだと痛感する。 特に、飲食のチェーン店やスーパーで売っているお菓子や食材とか、正直どの店・銘柄もジャンルが同じなら大差ないと思ってたし、 安くて、そこそこ美味しければなんでもいい とさえ思っていた。 本作を読むと、自分のこだわりのなさ、無頓着さに恥ずかしささえ感じます。 この作品に出てくる登場人物は、食べ物や食べ方に何かと一家言あって、1食に命でもかけてんのか?ってくらいアツイ。 身近にあるものだからこそ愛着も強く、読んでいるとその気持ちもわかってしまう。 (時々、わからないものもあるが) 食事にこだわりをもつと人生もっと豊かになるのかな?とさえ思ってしまう。 あと、本作を読むと、特に歴史あるチェーン店や食品は、各社しのぎをけずってより良く改善している様も説明してくれるので、その企業努力にひらすら唸ります。 何気なく食べていたけど、時代にあわせて色々変えたり、飽きさせないつくりをしているのを知ると、今日まで残っている意味がわかります。 変わっていないようで、変わっているんだなと思い知らされます。 といった感じで、グルメマンガの中でも、めちゃくちゃ教養(?)的にうんちくのある部類で、美味しいもの食べて「おいしー」で終わらない凄みがある作品です。 普段食べているものが、より興味深くなったりしますよ。 小生も、かろうじてラーメンが好きなので、ラーメン系の話が特にお気に入りです。

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【マンガ訳】太宰治

【マンガ訳】太宰治

時代を超えて愛され続ける太宰治の傑作短編を、気鋭の漫画家たちが独自の解釈で【マンガ訳】(コミカライズ)。波瀾の生涯を駆け抜けた無頼の天才に捧げるオマージュ。豪華執筆陣が描く、新たな「太宰」の世界。「姥捨」×岡田屋鉄蔵(「ひらひら 国芳一門浮世譚」)、「恥」×マキヒロチ(「いつかティファニーで朝食を」)、「悶悶日記」×うめ(「大東京トイボックス」)、「親友交歓」×羽生生純(「恋の門」)、「皮膚と心」×坂井恵理(「ヒヤマケンタロウの妊娠」)、「ダス・ゲマイネ」×旅井とり(「めしばな刑事タチバナ」)、「誰も知らぬ」×あさのゆきこ(「閃光少女」)、「葉」×サダカネアイコ(「青春デンデケデケデケ」)。さらに、原作となった小説を「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」でおなじみの渋谷直角が解説(渋谷直角「太宰治に高校時代傾倒したけど酔ってただけであんまりよくわかってなかった男による解説」)。原作に忠実に描かれた作品もあり、現代版にアレンジした作品あり、そして…原作をとどめないくらい大胆に意訳した作品ありの読みごたえある一冊。太宰治にハマった、ハマっている人も、一度も読んだことがないという人も楽しめます。そう、太宰治……「かれは、人を喜ばせるのが、何よりも好きであった!」(「正義と微笑」より)。

デルタ ヨコとフミとクドウのこと

デルタ ヨコとフミとクドウのこと

大ヒット作「めしばな刑事タチバナ」の著者・旅井とりが現代アートの世界と男女の激しい三角関係を描いた意欲作。同棲中の彼氏と、突然現れた元彼。ふたりの優秀なアーチストが、ひとりの女をめぐって愛と嫉妬と自尊心をむき出しにして対立する激しい三角関係――。横井健司(ヨコ)は若くして美大の教授に就いた期待の若手アーチスト。日本のアート界で着実に成功を収めようとしていた。恋人の杉本ふみ(フミ)もそんなヨコを支えていて、何もかもが順調に思えていた。しかし、ヨコの個展初日に工藤道男(クドウ)が現れたことで事態は一変する。クドウはフミの元彼。美大で学ぶこともなく、独学でアートの道に進み、今では海外でも一目置かれるアーチストになっていた。クドウはヨコの作品を「作品じゃ満足にメシ食えないのをガッコのセンセの肩書きでごまかして小銭を稼いではカマのケツ舐めてる美大出のアートごっこ」と挑発。やがてフミをめぐって、ヨコとクドウが火花を散らすことに……。ふたりのアーチストの間で揺れるフミの心はやがて……!?

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