マイペース、人の気持ちがくめない、会話がうまく噛み合わない、マルチタスクが苦手・・・程度の差はあれど、誰しもあるような問題。

それが重度になっても「障害」と判断されず、かといって「正常」とは言い難いほど生活に影響を与えてしまう。
このような人をグレーゾーンというらしいです。

主人公の夫・優斗はこの層に属しており、生活や職場で諸々迷惑をかけてしまっている状況。

同じようなことが、「ケーキを切れない非行少年たち」でもありました。
判断基準が昔と異なることで知的障害と診断されず、まともに治療されなかった人たちが、社会に出て悩み、苦しみ、結果少年院や刑務所に入ってしまうと。
ともに現代社会の闇ですね。

みんなが普通にできることが自分にはできない

その悩みは当人しかわからないもので、上述のように空気が読めないから周囲の人もドンドン離れてしまい孤立していく様は読んでいてシンドかったです。

さらに追い打ちをかけるように、一見優しそうにみえる、主人公の友人が不幸を楽しむクズということ。
もう、救いはないのかと。

結局、誰も助けてくれない様が、世間なんてそんなもんだよな~と
そのリアリティさに納得してしまいました。
漫画的に優しくて頼りになるお助けキャラなんて都合よくあらわれないもんです。
みんな面倒な人とは関わりたくないんです。

だからこそ、夫婦で支え合い、助け合っていく感じが際立って良かったです。
奥様にこれだけ大事にされているのは、地獄に仏といった感じでしょうか。
この困難を二人で克服し、強く生きて欲しいです。

この社会に、得も言われぬ生きづらさ抱えている人がいることを知るよいきっかけになりました。

読みたい
珍遊記2~夢の印税生活編~

奇跡の続編

珍遊記2~夢の印税生活編~
六文銭
六文銭
小さい頃、色んな意味でトラウマを植え付けられた珍遊記。 当時、絵を見るのも怖くて、だけどドラゴンボールは読みたいから、珍遊記のページにはいかないよう恐る恐るめくっていたのも、今となっては良い思い出です。 本作というか、著者を語る上でもはや絵柄に触れないのは無理なのですが、とにかく子供がみたら泣き出すような絵の濃さ。 特に婆さんキャラのシワがえぐい。 下品な下ネタも満載で絵柄と相まって、初見の方は気分悪くなると思うんですが、、、 著者が、現在、子供向けの絵本作家としても活躍しているというから驚きしかない。 謎に時代を感じる。 さて、本作の内容だか、前作珍遊記の続編という立ち位置だが、前作をなぞりながら、その裏で起きていたことを描きながら始まる。 もう一つの怪作、漫遊記とも繋がっているので両方知っているとより面白いのだが、正直、何も知らなくても大丈夫だと思う。 著者の作品を知ってる人ならわかると思うが、ストーリーはあってないようなもので、とにかく勢いが魅力。 そこは本作も健在で十二分にある。 映画化もした作品だが、玄人受けとか言うつもりもないが、毒にも薬にもならない作品と異なり、モノづくりに携わる人間に、何らかのインパクトを残す作品なんだろうってことは理解できる一作です。
ザシス

ザシスの意味とは

ザシス
六文銭
六文銭
「ろくでなしBLUES」から「べしゃり暮らし」まで、一通り読んでいる作家さんだけに本作も当然手に取りました。 1話読んで、サスペンスであること、その世界観にひきこまれ これは完結してからイッキに読もう と思い、完結を楽しみにしてましたが(変な話ではありますが)まさか3巻でおわってしまうとは。 一気読みした最初の感想としては、ギャク色の強い作風の作家さんなのに、この手のストーリーもイケるのかと唸った。 誰が犯人なのかはもちろん、主要な登場人物の誰もが、実は後ろ暗い過去をもっているびっくり展開は、良い意味で緊張感があって、最後どう転ぶのか気になり読んでてあっという間だった。 ミステリでありがちな、くどい説明とかもなく、絵だけで魅せてくるのも読みやすかったし、不気味なタイトルが結局何なのか気になりながら最後につながるのも良かった。 総じて、面白かったという月並の感想なんだけど、3巻でキレイにまとまっている作品だと思います。 この手の作品で、個人的に重要だと思っている、読者に結論を委ねる部分もしっかりあって、そういう意味でも読後感は良かったてす。 3巻完結なので、イッキに読んでザシスの意味を噛み締めて欲しい。
おっとはぐれーぞーんたんこうぼんばん
夫はグレーゾーン 単行本版 1巻
夫はグレーゾーン 単行本版 2巻
夫はグレーゾーン 単行本版 3巻
夫はグレーゾーン 単行本版 4巻
夫はグレーゾーン 単行本版 5巻
夫はグレーゾーン 単行本版 6巻
夫はグレーゾーン 単行本版 7巻
夫はグレーゾーン 単行本版 8巻
夫はグレーゾーン 単行本版 9巻
夫はグレーゾーン 単行本版 10巻
07/15(月)に11巻が発売!
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秋野さと過去作品集

秋野さと過去作品集

漫画アプリcomicoで声優専門学校の青春をさわやかに描いた「娘は声優になるそうです」の作者の過去作です。レディコミ雑誌のドロドロした話の中での「箸休め的な役割」を求められ描いた作品たち。20作品を10回に分割してお届けします。第1回目は水虫に悩むOLの話と孫の鯉のぼりをめぐって頑張っちゃう2人のおばあちゃんのお話です!
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