守護らねば
戦国時代を舞台にした、主君に仕える鬼の一族と人間たちの主従の絆を描いた漫画。全3巻完結で、それぞれ主人公が異なるオムニバス形式となっている。話全体はどちらかというと悲劇的で、歴史に消えていった者たちの哀しきストーリーが中心。だが美しい作画で描かれる戦国時代の動乱だったり、華のあるアクションシーンや登場人物たちの巧みな心理描写が相まって、とても心を揺さぶられる場面が多い。それにしても著者の琥狗ハヤテさん、こんなに恰好良い活劇も描けるお人なのか!というのが個人的には良い驚きだった。
裁判官と記憶喪失少女、異質のバディ誕生! 浦口徹は試験最下位合格で任官した裁判官。“裏口合格の裏口裁判官”と揶揄されて、さらにオカルト好きの変わり者。記憶を失った少女“アカリ”と共に、不可思議な難事件に挑む!
「ピアノのムシ」の荒川三喜夫先生の新連載。主人公は地方裁判所に務める裁判官で、ガチのオカルトマニア。アカリと呼ばれる少女と共に、事件の裏に潜むオカルト現象を暴いてゆく…。
真実だけを見つめる裁判官という仕事と、その正反対に位置する不確実なオカルト現象。現実には絶対に交わることのない要素が合わさった結果、エンタメとして非常に面白い作品になってるように思います。タイトルもキャッチーかつお洒落で良いですね。ファンタズマ(Fantasma)とは、イタリア語で「亡霊」の意味で、主人公と共に少女アカリの記憶の謎を追うのが、メインストーリーとなるでしょうか。
法律や裁判は現実的に描きつつも、オカルトの小ネタを沢山ブッ込んでくるので、何とも不思議な読み味かつ面白い漫画です。