青年少女よ、春を貪れ。
初恋は美しく甘い呪いかもしれない
青年少女よ、春を貪れ。 山田シロ彦
名無し
1話目から良すぎて続きを読むのが怖い。 https://tonarinoyj.jp/episode/13933686331768523247 なんでだろう。 まだ1話目なのにいや、1話目だからか、痛いほど胸が締め付けられた。 現在の自分から、中学校の頃の自分を振り返る形で始まったので、主人公が美少女と出会ったその頃を大切に思い出して語っている感じがあって、甘く切ない。 そして1話目ラストだ・・・。 恋とは何か、自問自答しながらようやく自身で分かるかもしれないところにたどり着き、恋が始まった瞬間にその少女の先が提示されるというのは辛すぎて胸がギュッとなる。 どうりで愛おしくて忘れられない思い出を振り返るように美しく描かれているわけだ。 「男にとって初恋はずっと特別」なものだ。 特別な記憶を宝箱にしまっていたかのように少女の描写がいちいち美しい。 美しいほどに、鼻の奥がツンとしてくる。 初恋には余裕がない。 自分から溢れてくる新しい感情が芽生え続けるのを感じるだけで忙しくて、相手のことなど考えていられない。 初恋はきっと、そのあとのどんな恋よりも盲目になる。 勝手に自分の何かを相手に投影してしまうこともある。 この絶世の美少女に、主人公は何を投影し期待し勝手に心乱され落胆するのだろうか。 それをこの子がどれだけ相手に感じられたくないのだろうか。 おそるおそる連載を読み進めていこうと思います。 出てくる交通標識と方言的に和歌山県の白浜町という海辺の町が舞台っぽい。 土地を想像しながら読むのも楽しそうだ。
ねずみロワイアル
かわいい恐怖の殺し合い #1巻応援
ねずみロワイアル
兎来栄寿
兎来栄寿
『ムムリン』や『オオカミの子』の佐々木順一郎さんのかわいい絵柄で描かれる、残酷なバトルロワイアル。 そう、まさに高見広春さんの『バトル・ロワイアル』と同じようなクラスメイト同士の殺し合いが描かれていきます。1999年に出てリアルタイムで読んだ小説が、四半世紀経った今でもこうして色濃く影響を与え続けてフォロワーを生んでいるのは感慨深いです。 基本的なルールも『バトル・ロワイアル』に準拠しており ・殺し合いは島で行われる ・生徒たちには全員爆発する首輪が付けられている ・島にはランダムで刃物や銃器など武器が配置されている ・1日ごとに禁止エリアが設定され行動エリアが狭まっていく といった具合です。進化しているのは、スマホのような携帯端末でさまざまな情報を得られるということ。ただそれもどこかで充電ができないとずっと使い続けることはできないという制約も面白いです。 殺し合いのゲームが進行する傍らで頻繁にエモーショナルな回想が挟まっていく構成もまた『バトル・ロワイアル』を思い出します。それぞれの同級生たちが、普段の学校生活では見られない陰の姿を持っていたり、非日常だからこそ剥き出しになる感情を表したりといった醍醐味の部分もしっかり描かれていて刺さります。本家も、もちろんゲーム的な部分の面白さもありつつ思春期の少年少女たちが織りなす人間ドラマの模様が名作を名作たらしめた部分ですからね。 同じネズミでありながらそれぞれのキャラクターがしっかり描き分けられているのもすごいです。外見は似ているにも関わらず、それぞれがちゃんと個性的に立てられています。そして、このかわいさがあればこそ本家さながらの酷薄な展開が引き立ちます。 血と裏切りに塗れた島で、彼らの運命はどうなるのか。どのような結末を見せてくれるのか。目が離せません。
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