いい意味で重い
最初からパンチが効いているヘビーな内容です。 一巻はまだ救いがある内容でしたが、2巻は救いがない。 それがまた重く感じる要素なのかなと…鬱ですね。 不気味さがある中でも、なぜか絵とストーリー性に引き込まれていく、 そんな感覚になります。 絵も個性的で魅力を感じます。とてもおすすめです!
失意と疑惑と苦痛と迷い… 一体僕達は何によって救われるのか? 珠玉のオムニバスシリーズ第一集。49日間の監禁から解放された少女のその後を描く『海の夜明けから真昼まで 』。硫酸を持ち歩く小人のヤクザ「ピンキー」が夜の街を舞台に活躍する『 オーバードーズ』。その他『 ポップロンド』『 ガッコーの巣の上で』『 How To Go』(前後編)を含む6話を収録。魂を揺さぶる異端者たちの叙事詩ここに開幕!
『一匹と九十九匹と』というタイトルは聖書の一節が元になっているようだが、直接のインスピレーションは福田恆存という人が書いた同名の批評ではないかと思う。政治がどれだけ細やかになっても必ず一匹の迷える羊は出てくる。それを救うのが文学であると。これは単に文学が政治より偉大とかそういうことを言ってるんじゃなくて、原理的な話。命の選別だとか、自己責任だとか、あるいは「政治的正しさ」みたいな話を耳にする度に、迷える羊が頭をよぎる。