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とある島の民宿「かがや」は女性だけの一家で切り盛りする小さな宿。そこには様々な女性二人組がやって来る。
女性二人組の来客に対応する度、従業員の姉妹達はそれぞれに「萌え上がる」。長女は二人を百合方面にからかい、次女は横目で二人を伺い、三女は二人を盗撮・盗聴しようとし(コラっ)、五女は自分が何とかしなきゃ!とソワソワする。
そんな百合民宿では次々百合カップルが生まれる一方、姉妹達はそれぞれの「姉妹百合」に身を焦がす。さらには彼女達の母の、民宿の女将も、板前の姉(姉妹の叔母)といい感じ……。
何だこれ、百合成分が濃すぎる!
2ページに一回は悶えてる……。
しかし決して、甘く楽しい恋愛がストレートに描かれはしない。
描かれるのは、プライドのために相手の弱みを突き、優位に立って安心を得ようとする者と、それを受け止める者の様々な在り方。そして相手を安心させてマウントを解き、素直にさせて、ようやく向き合う瞬間の高揚感!
こんな脳味噌がはち切れそうな幸せな読書体験があるから、「百合」はやめられない。そう思わせてくれる作品だ。
♡♡♡♡♡
例えば1巻を読んで気に入ってもらえたら、出来れば2巻の前にもちオーレ先生の別作品『出会い系サイトで妹と出会う話』を読んでいただきたい(『出会い系サイトで〜』は、わかりづらいが2巻ある)。表題作でどうにも救われなかった一人の女性のエピソードが、『ゆりなつ』の2〜3巻に描かれている。
百合好き一家による、百合好きのための宿が、本格OPEN。百合愛好一家が営む宿に続々と訪れる女二人客。ちょっと変わってるけど、とっても愉快なYURIコメディ♪