心の痛みと向き合う、精神科ナースの物語 前作『精神科ナースになったわけ』が話題を呼んだ著者の最新意欲作! 虫歯ができたら歯医者に行くように、心の病気にかかった人のために「精神科」がある。でも「心の病気」ってなんだろう? 患者さんが“本来のその人になっていく”、その小さなお手伝いをするのが看護師の仕事だ。彼の、彼女の、「こころ」の痛みに耳をかたむける―― ささやかだけれど切実な、精神科ナースの物語。※本作は、医療者・患者さんへの取材に基づいたフィクション作品です。医療監修は、精神科医・医学博士の山登敬之先生にご協力いただいています。
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こころのナース夜野さん
精神科ナースの仕事って、本当に本当に大変なんだなぁとしみじみ感じた。
患者さんの小さな変化に気づいて命を繋いでいく。
あるお話では、
自分のお腹に包丁を刺した自殺願望の男性は、命を取り留めた夜、病室を抜け出しベンチにぽつんとすわっていた。夜野さんは、隣に座りただただふたりで月を眺めている。そして、患者さんは、「ありがとう。」と言い残して病室に帰っていく。『沈黙の会話』と言うものがあると先輩看護師から教わる。翌日、その患者が、自宅に鍵がかかっていないことが心配になり、帰宅したいと申し出る。自宅に戻ると畳が血まみれになっていて「なんでこんなことしたんだろう。」とつぶやく。
心の病気って自分が自分でなくなること。
心に寄り添ってくれる人がいるだけで、人生は開かれていく。
奥深い心の病気の事を、わかりやすく知ることができてよかった。
水谷先生ありがとうございます。