手塚先生による幕末もの
1981年〜1986年にビッグコミックで連載ということで、時代的にはキャプテン翼と同じ連載開始年ですね。感慨深いです。 内容は、鉄板のビッグコミックものですので、ハズレがありません。 よく「手塚先生の先祖(曽祖父)の手塚良庵を主人公とした物語」「手塚治虫のルーツを描いた作品」みたいに紹介されたりするのですが、あまりそこがメインのテーマではないので、ミスリードな感じがします(メインキャラとして手塚良庵はガッツリ出てきますが)。 手塚良庵も結構好感が持てる性格(女好きでだらしないが、やるときの集中力がやばい)で愛せるのですが、もう一人の主人公の伊武谷万二郎もそれとは反対(不器用で融通が効かない正義漢)ですが、かなり愛せます。 二人はいつも殴り合ってるのですが、本当は仲良くて尊敬しあってるところが良いですね。退廃の時代に咲いた一輪の友情の花ですね。現代にこれが連載されていたらBLの同人誌が多数作られていてもおかしくないです。 色々な人に目をかけられるほどの資質を持った万二郎でしたが、その性格のためにあまり出世せずに、最後は悲しい最期を遂げてしまいます。わたしも出世とかは良いので、自分に正直に生きようと思いました。
手塚治虫の曽祖父をモデルとした医師の手塚良庵と、武士の万次郎の二人が織りなす時代劇です。
二人は性格も身分も全く違いますが、時代の波に飲まれながら、それぞれの信念を貫く姿が格好いいです。実際にあった歴史的な出来事もでてくるので漫画を読みながら日本の歴史の勉強にもなりました。
日本史にあまり興味がなかった私が日本史を好きになったきっかけになった漫画です。