フレデリック

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若き漫画家青年、移民大国フランスで何を思うにコメントする
フレデリック
望月ミネタロウ流の多様性を肯定してくれそうな新連載
フレデリック 望月ミネタロウ 山川直人
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
望月ミネタロウ × 話・山川直人 かつて描いた漫画は評価されたが、しばらく新しく描けていない30過ぎの主人公がフランスで翻訳、出版されてサイン会をすることになったところから話は始まる。 1話目には出てこない『フレデリック』とは一体なんなのか? 気になって調べたら、 https://www.excite.co.jp/news/article/Rooftop_30674/ 「絵本『フレデリック』(作:レオ・レオニ、 訳:谷川俊太郎)からインスパイアされた、 まったく新しい物語。」 らしい。 絵本『スイミー』と同じ作者の作者さんですね。 この絵本『フレデリック』を読んだことはないけど、評判を見てみると人の存在や役割にはいろんな形があり、他の人とは違う考え方をするようなことがあってもそれでいいんだよ、と多様性を許容してくれるっぽい内容なのかなと受け取れる。 読まずにこんなの書くのは駄目すぎると思うので早めにちゃんと読みます。 待ち合わせの空港で、モブ化してて気づかなかったと担当編集に言われたのは、どこかで見たことあるような髪型、ファッションだからだろう。 冒頭で、マクドナルド(っぽい店)にいて、旅先であるパリでさえ知った味であるスタパ(スタバっぽい店)に行きたがるのは、そういった誰もが知り冒険しない安心感を求めてのことからなのではないか。 主人公は内向的で人見知りだと自覚しているが、担当からそれがプラスになるなら評価するしマイナスになるようなら見捨てると宣言される。 誰もが知るなにか、ハズレがない、尖ってないなにか、例えばファッションだったり食事だったりそういったところで、他人と同じことをしていることに安心しきって、挑戦すること刺激を受けること他人と違ってしまうことをどこか怖がっているようにも見える。 他人と違ったっていいのに。 旅に同行する大手出版社担当編集・大畑壮吾(40)、同出版社入社3年目の国際室の風見悠子はそれぞれ分かりやすく極端に違う人間だし、それを気にする様子もない。 そして、こういった他人による違いをこの漫画がさらに奥までつっこむためのフランスだろう、移民の問題だろう。 1話の終盤で少しだけ出てきたチュニジア移民で清掃員をやってる女性、メリナ。彼女に焦点が当てられていくことで、その国ではマイノリティとして扱われるということなどの問題にスポットライトが当てられ自分らしく生きることへのヒントを掴むのではないか。 そこで、冒頭のマクドナルドでの移民女性従業員に対してモヤッと感じたなにかもはっきりするに違いない。 担当編集が求めているのも、人間至上主義、その作家自信から滲み出るものだから再び漫画を描けるようになるのではないか。 そうなってほしいと願ってしまう自分もいる。 最近自分自身、何をしたらいいのか、どこへ向かえばいいのか混乱している部分がある。 自分が何をしたいのか、はっきりさせて道を見つけたい。 誰かが言っていたからとか、最近こうだからというのは抜きで、自分の意志を貫きたい。 主人公の井手陸さんと僕も年齢が近い。 職業も不安定だ。 この連載が進む中で、読者として僕自身も何かつかめたらいいなと思う。 君は、何のために生まれたの、フレデリック。 君は、何のために生きてるの、フレデリック。 君は、何のために働くの、フレデリック。 僕は、誰のために戦うの、フレデリック。
iメンター すべては遺伝子に支配された
遺伝子とAIに支配された世界
iメンター すべては遺伝子に支配された
六文銭
六文銭
自分の遺伝子に応じて、適職や配偶者までも 「iメンター」 と呼ばれるAIツールのようなものが判断してくれる世界。 しかも精度が高いからほぼ合っているという感じで、人類は無駄な努力というものがなく(例えば、野球選手になれる特性がなければ野球をしないとか)、効率的に人生を送れるというもの。 近未来では、わりとこうなりそうな感じで読んでてワクワクした。 しかも、1話完結のオムニバス形式ですが、徐々につながっていく感じはゾクゾクしました。 余談ですが、昔何かの本で、 パンドラの箱の中身にあった、すべての災いの正体は「自分の未来」 という解釈をした本があって、それを思い出しました。 つまり、将来自分がどうなって、いつ何で死ぬかを知ること以上の絶望はないという解釈だったのですが、確かに、どうなるかわからないから可能性にかけて頑張れるというのありますよね。 だから本作のように、生まれながらにして将来が決まってしまう世界は、絶望しないのかな?とか考えてしまった。 登場人物、意外と穏便に過ごしているので。 いずれにせよ、SFジャンルとして考えさせられる作品で、3巻完結なのも読みやすくて良い作品でした。
グリーンボックス【合冊版】
一国か自分の命かを選ぶ設定が秀逸
グリーンボックス【合冊版】
六文銭
六文銭
気がつくと謎の部屋「グリーンボックス」に閉じ込められた主人公。 その部屋には 「欲しいものを思い浮かべながら滅ぼしたい国を選べ 当たりなら開放」 の文字と世界地図。 最初はテレビの企画か何かと疑い何もせずにいるが、徐々に我慢の限界になり試しに1つの国のボタンを押し自分のスマホと交換。 スマホからニュースを確認すると、それが現実であることを知る。 自身の命(というか食欲などの欲)と一国を天秤にかけるという設定が秀逸で、その後タカが外れたように国を滅ぼすことに抵抗がなくなっていく主人公の心理が面白い。 ボタン1つで国が滅びるというのが実感がなく、また人ひとりではなく、国単位なのも想像しにくいからより葛藤がないのだろう。 また自身もこの部屋に閉じ込められたという被害者意識から自らの欲を優先していく様が、生々しい。 当然、各国もだまっていなくて対策を講じるも、根本的な解決にならない。 このボックスの正体も徐々に明らかになっていくが、ジリジリとしたストーリー展開ですごい先が気になるつくり。 とにかくヒキがうまい。 どうオチがつくのか最後まで見届けたい作品です。
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