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「のぼうの城」や「忍びの国」で有名な和田竜の同名小説をコミカライズした作品。本屋大賞も受賞したヒット作です。
原作が小説って、とにかく難しいと思うんですよ。
活字で表現されたものって、人によって思い浮かべる情景が異なり、そこに第3者が介入してくると、どうしたって違和感を覚えると思うのです。
なんか思ったんと違う…的な。
だけど、これは別格でした。
ストーリーとしては、戦国時代、大坂本願寺を攻める織田信長に対し、毛利軍が「村上海賊」を使って援軍を送る…というお話。
村上海賊は、戦国最強とよばれる最大の水軍で、卓越した造船・操舵技術をもって信長軍と対峙します。
とにかく歴史もので大切な、ド迫力なシーンと人間ドラマが魅力たっぷりに描かれているのが特徴です。
大坂本願寺にいる、盲目的な信者たちの熾烈な戦闘シーン。
海上いっぱいに広がる圧倒的な船艇の描写。
正しいことだけでは通じない、血なまぐさい戦を通しての、主人公・景(キョウ)の成長。
逆境で魅せる、親兄弟・仲間との絆。
小説で体験したものとは、また違った形で、心に訴えかけてくれます。
原作知らない人はもちろん、知っている人も楽しめる1冊かと。
むしろ原作も読みたくなってきますので、良い作品とは相乗効果をもたらしますね。