未完の世紀末SF
近未来の地球が氷河期に入り、人類が絶滅の危機に晒されている中で物語が進行する。60億のシラミとは「地球に寄生する人間」の比喩表現 内容は、大きく二つに別れていて、 ・氷河期に入った際の人類の過酷な状況 ・雇用の低迷 ・食糧難による物価の高騰や治安の悪化 ・石油が配給になるなど ・水滸伝をベースにした人物たちとキリストの12使徒の争い ちょうど面白くなりそうなあたりで、打ち切られたらしく中途半端な部分で終わってしまっているのがすげー残念。 1970年代は「デビルマン」「ザ・ムーン」「マーズ」といいこういう世紀末感が溢れる漫画が多くいいな。
がーん、やってしまった。タイトルに惹かれて読みましたが、この作品は完結しておりません。正確には第一部完であります。3巻目あたりで薄々感じてましたが…。しかし、それを承知していても、この作品は途中で読むのを止めることはできないと思うのですよ。氷河期が訪れようとしている世界。自然界では多胎妊娠や先祖がえりが起こる。そして、暴動鎮圧のため特殊部隊が結成され、石油は使用を禁じられることに。そこに現れる謎の修験道者と超能力を持つ赤ん坊。これらを下手に料理するとB級パニック映画になってしまいますが、作者はその全てを消化して、正面から未来に突き進む人間の物語を描こうとしているのです。中盤までは世界観構築に重きを置いた構成。そして赤ん坊に導かれる人々を、梁山泊の108の魔星になぞらえ、本気で108人のドラマを作ろうとしている。さらに対立の構図として修験道者=キリストと12人の使徒を配置し、どちらが正義なのか最後までわからず…と、もうそそられまくり。本当に続きを教えてもらいたい。あらすじだけちょこっとでもいいです。大きなことは言いません、「60億のシラミ」の一匹としては。