あらすじ大学教授の天王寺兆外を中心に腕利きの人間が集合し反N・S・Pグループが結成され、N・S・Pの食糧運搬船を襲撃した。奪った食糧を手土産に革命グループ「氷山」に仲間入りを申し出た兆外たちだったが、リーダーのO・リーンが拒否。O・リーンは自分の方針に反対するグループのメンバー、林を射殺しようとして逆に撃ち殺されてしまう。
がーん、やってしまった。タイトルに惹かれて読みましたが、この作品は完結しておりません。正確には第一部完であります。3巻目あたりで薄々感じてましたが…。しかし、それを承知していても、この作品は途中で読むのを止めることはできないと思うのですよ。氷河期が訪れようとしている世界。自然界では多胎妊娠や先祖がえりが起こる。そして、暴動鎮圧のため特殊部隊が結成され、石油は使用を禁じられることに。そこに現れる謎の修験道者と超能力を持つ赤ん坊。これらを下手に料理するとB級パニック映画になってしまいますが、作者はその全てを消化して、正面から未来に突き進む人間の物語を描こうとしているのです。中盤までは世界観構築に重きを置いた構成。そして赤ん坊に導かれる人々を、梁山泊の108の魔星になぞらえ、本気で108人のドラマを作ろうとしている。さらに対立の構図として修験道者=キリストと12人の使徒を配置し、どちらが正義なのか最後までわからず…と、もうそそられまくり。本当に続きを教えてもらいたい。あらすじだけちょこっとでもいいです。大きなことは言いません、「60億のシラミ」の一匹としては。