裁判員制度導入が話題になったころ、それを題材に扱っていたために興味をもった作品です。まずは、まだ制度としてスタートする前に漫画でシミュレーションするという試みに、相当下調べをしたのだろうなと感心。そして読み進めて感嘆したのが、決して多いとはいえないページ数で、よくこれだけ多くの登場人物の人間模様を入れ込んだものだ、ということ。簡単な絵にも関わらず、性格がにじみ出てくる人物描写が巧いですね。人任せの男や苦悩する弁護士、悪辣な隣人、揺れまくる主人公と強い意志を持ったヒロイン…、市民が参加する裁判の裏側で絡み合う人々の様々な思惑がよくわかる密度の濃い内容です。作中に登場する地獄図の説明コラムを見て著者が伊勢出身ということに気付いたのですが、この地獄図もイメージとして世界観によくマッチしていると思います。

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幸福な人生

幸福な人生

あの”虎の子”が帰ってきた!?「虎ちゃんがゆく!」、大学生の息子が恋人を妊娠させてしまい……お互いの家族の思いが重なる「花の咲く庭」などを収録。人間の感性を揺さぶる郷田マモラ短編集、初の電子書籍化!!

考えるサル

考えるサル

サリーと呼ばれる美術学校の学生が殺害される事件が発生。大阪府警の猿田彦が捜査に当たる事になるが、被害者の顔には薬物と思われる粉末が着手していることが判明し……郷田マモラの初期作品、電子書籍となって初登場!!

人間やねん

人間やねん

”虎の子”が再び!? 「虎ちゃんがゆく! <虎ちゃん、誘拐犯になるの巻>」、実写映画化もされた遊郭で生きる女の人生を描く「蝉の女」などを収録。人情の町・大阪を舞台に、郷田マモラの描く短編集が電子書籍となって登場!!

モリのアサガオ2

モリのアサガオ2

「親友のお前の手にかかって死んでいけたら……オレは本望や」死刑囚 渡瀬満の死刑執行から10年。執行ボタンを押した及川直樹の苦悩は続いていた。たま拘置所に配属された及川は再び死刑制度の渦に飲み込まれていく。文化庁メディア芸術祭大賞受賞作の続編がついに登場!! 郷田マモラ衝撃の問題作!!

MAKOTO 完全版

MAKOTO 完全版

幽霊の見える監察医、白川真言。真言が幽霊たちのこの世に残した未練を解明すると、彼らは成仏する。想い合う二人の霊が伝えたかった事。幸せな死を迎えたはずの老人の心残り。気弱でどこまでも駄目な人間と思われた男の勇気。尊敬出来ない父親の隠された過去。年老いた元警官が晴らした村人の無念。しかし、真言にはどうしても成仏させられない幽霊がいた。妻の絵夢だ。切なく愛情に満ちた10のエピソード。

[poor] (プア) ゼラニウムの誘惑

[poor] (プア) ゼラニウムの誘惑

「英雄…かわいそうな子……」2018年10月2日、原宿のヘアサロンで殺人事件が起こった。被害者はファッションデザイナー 仙川亜衣。加害者はその店の店長 増子英雄。増子にはある秘密があった。追う者、追われる者、匿う者。事件の謎が明らかになるに連れ、それぞれの闇が浮かび上がる。奇才・郷田マモラが描き出す究極の人間ドラマ。

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