すべての熱を100mに捧げる男たち

熱と才能と凡才、執着を描くのがめちゃくちゃ上手い。
ページをどんどんめくらされていく感覚になる。

生まれつき足が速いトガシ、100mで1位になる、それだけで他は何も要らない、全てがひっくり返るからだ。彼には才能があった。
そんなとき目の前に現れたのは一切の才能を感じさせないコミヤだったが…。
そんな二人の話。

才能に安堵し、才能に苦しみ、才能に囚われ、いつしか才能を失い、最後は胸の奥の奥、熱い気持ちだけが身体を支え、背中を押し、足を前に出させるのだ。
少年期から始まり大人に至るまでのすべてを100m陸上に捧げた男たちを描くこの話には痺れた。

全体を通して対比を描くのがとても上手い。
希望と絶望。
才能と凡才。
自分に対してついてしまう嘘と否応なくつきつけられる真実。
諦念と覚醒。

実際のスポーツの理論は分からないが、とにかく気持ちの側面を強く描いた漫画なので万人の心が揺れるはず。

4巻についていた過去の読切も面白かった。
主人公になるべくしてなった男とそうじゃないモブキャラ。
それでもモブキャラは諦めない、自分と積み重ねてきたものだけは自分を裏切りたくないからだ。
周囲の評価とか目線なんて関係ない、自分がどうしたいかだ。
テニスの漫画、素晴らしかった。
そしてもう一本の読切「執刀」もコメディとして抜群だった。
テニスの方でも感じた漫画の素晴らしいテンポ感がギャグでも生きていた。
いまから次回作が楽しみだ。

魚豊先生、11/24のコミティア出るらしい!

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ひゃくえむ。

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10/31(木)まで
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