酒食とエロが看板になっているようなこの漫画だが、
酒食のシーンはグルメ漫画としては意外に正統派だな、
と思った。
主人公の太郎は京都の老舗で生まれ育ち物心ついたころから
調理場に立たされていた、ということなので
出てくる料理はどちらかと言うと本格和食料理。
下町の居酒屋にしては高級食材が多い感じもあるが、
一般的な家庭料理も妹との食事などで色々と登場するし、
ワリと地味目な料理が多い。
マンガとしての派手なインパクトのあるシーンは
エロネタエロ展開のほうで扱って、
料理の関係はわりとオーソドックスに仕立てた感じだ。
凄く奇抜だったり特殊だという料理は殆ど出てこない。
自分はそう感じたしそういう話は気に入った。
第一巻の味噌汁話とか、
第二巻の卵焼きの話とか、
第三巻の飾り切りの話や手作り弁当の話とか。
凄いなと思うのは例えば卵焼きや飾り切りの話とかが
直前までSMネタの話を展開していたのに
あっというまになにこれこの良い話は、と
マトモな料理話に転換してしまったことなどだ。
ようするにドエロ・ネタの展開と正統派料理展開との
振り幅が結構大きいので、ギャップのインパクトが大きいが
チャンと漫画として成立していて良い感じなのだ。
良い話だな、と思ったら最期にまたエロネタで
ひっくり返したりすることもあるけれど(笑)