シスオの子供の彩羽ちゃんのキャラがよかった。まさに、なににも囚われていない子供。大人の対比のような存在。彼女がいたからシスオも主人公を受け入れられたんだろうな
無性愛者(Aセクシャル)とは、「他者に対して恋愛感情を寄せることや、性的な欲求を感じることがまったくない性的指向をもつ人」のこと。(日本大百科全書の解説より)
来世ではちゃんとしますの梅ちゃんもこのタイプ(たぶん)。
漫画家で無性愛者の主人公・厚樹は、性的な関心が無いため周囲と馴染めなかったり、作品に色がない(魅力がない)と言われたり生きづらさを抱えている。そんなときに、10年近く会っていなかった親友から助けを求める電話が入って…というあらすじ。
物語後半の、
「恋なんかしなくても子供の頃は寂しくなかっただろ?」
「なんで大人は発情しないと孤独になっちゃうんだよ…」
という厚樹の本音のセリフがとても印象に残った。
そして最後は、「性的欲求などなくても、バラバラの人間が一緒に暮らせばそれだけで家族になる(孤独じゃなくなる)」というシンプルな事実を示唆するとてもハッピーな終わり方でよかった。
(忘れがちだけど同居する義理の両親や甥姪は、血も性的な繫がりがなくてもちゃんと家族で、それは寄せ集めの同居人同士でも同じことが言えるはず)
大人になるにつれ子供の頃のような「性的な関心抜き」の純粋な関係というのは失われていく(ストレンジャー・シングスのシーズン3とかまさにそう)ことが当たり前だと思っていた自分にとって、この作品は視野を広げる機会をくれたいい読切だった。
【ヤングジャンプ 2019 No.38 掲載】
http://jumpbookstore.com/item/SHSA_ST01M02817101934_57.html
無性愛者の厚樹が親友との再会で見つけたモノとは…!?(週刊ヤングジャンプ2019年38号)