読みやすいSF
バタフライ・ストレージ 安堂維子里
SFと聞くと宇宙とか数式とか、なんだか小難しいイメージが強くて、今まであまり読んだことがありませんでした。
死人の蝶を回収・凍結管理する国家機関「死局」捕蝶課を描く、蝶をめぐる近未来SFアクション!
↑という帯文句が何を言っているのか意味不明で気になって読んでみて正解でした。
人が死ぬと蝶になるなんて…ロマンティック!この前提が入っているだけで武闘派シーンもすんなり読める感じがあるんですよね。絵もゴテゴテしすぎずシンプルで綺麗なので、きっと女性受けも良いと思います。
伏線が多くてこれから色々明らかになる予感があって楽しみです!
バタフライ・ストレージ
作中の個人の動機付けに対して、納得することが出来るのは良い物語だと勝手に思っているのですが、この作品の登場人物たちが抱えている事情は、読者に対してとても強い印象を与えてくれます。主人公の小野君、荒井さん、神田さん、佐川さん…。それぞれが抱える、蝶に対する背景が明かされる度に、読者はただただ圧倒されます。
設定の素晴らしさが語られることが多い作品ですが、それに負けず劣らず登場人物も魅力的であり、このサーガを紡いでくれた安堂先生、掲載してくれたコミックリュウ編集部、そして転生を遂げさせてくれたアワーズ編集部に感謝しています。
漫画を好きでもこの作品を知らないという人が多くて、でも勧めて読むと本当に面白くてびっくりする、ということが自分の経験でもう十指に余るくらいあって、理屈は良いからとりあえず読んでくれ、とまあ鬱陶しいくらい言い続けてる作品です。
この投稿で、一人でも多くの人にこの作品を知って貰えれば幸いです。